表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/48

42 必殺土下座

「え……?」


 オレ、もしかしてフアナに嫌われちゃった?


 あんな魔法をかっこいいとか言っちゃう男の人はちょっと……。ってやつか!?


 たしかにだいぶ厨二臭い魔法だからなぁ。オレの趣味を疑われても仕方がないかもしれない。


「ぐっ!?」


 くそっ! まさかラスボス専用の魔法を使ったらフアナに嫌われるとか予想外にもほどがあるぞ!


「すまなかった、フアナ!」


 オレは全力のスライディング土下座を披露した。フアナが足をビクッと震わせているが、このまま勢いで謝り倒す! フアナが許してくれるまで頭を上げる気はないぞ!


「怖がらせてすまなかった。たしかにあの魔法は怖い見た目かもしれない。でも、オレはフアナを怖がらせるためにあんな魔法を使ったわけじゃないんだ。ちょっと羽目を外しちゃったって言うか、ちょっとテンション上がっちゃってあんな魔法使っちゃっけど! これだけは信じてほしい。あんな魔法をフアナや周りの人に使うことはないよ! だから、どうか、オレまで怖がらないでくれ! いつものように笑ってくれ! オレはフアナの笑顔の為なら何でもする覚悟だ!」

「なんでも?」


 よし! 何でもするという言葉にフアナが喰い付いた!


「本当だ! オレは何でもするぞ! フアナは何かしてほしいことはないか?」

「フアナ、からあげ食べたい」

「作る! 全力で作るぞ! 腹いっぱい食わせてやるぜ!」

「ん。ならいい」

「よっしゃ!」


 許された!


 オレはフアナに許されたぞ!


「ありがとう、フアナ。今日の晩御飯は唐揚げにしよう。今日はたくさん働いたもんな。ガッツリ食べよう!」

「ん」


 顔を上げると、フェリシエンヌとエステルが何とも言えない呆れた顔でオレを見ていたが知るか! オレにとってフアナがすべてなんだ!


「ばるたざーる、あれなに?」

「ん?」


 フアナの指す方向、ボス部屋の中央には、木でできた箱が二つ並んでいた。ボスを討伐してダンジョンをクリアしたご褒美。宝箱だ。ボスが二体だったからか、普通は宝箱は一つなのに今回は二つ貰えるらしい。やったね。


「宝箱だな。ダンジョンをクリアしたご褒美だな」

「ごほうび」


 フアナが宝箱に近づいていく。それを見て、オレとフェリシエンヌとエステルも宝箱に近づいていった。


「ここは私が」

「大丈夫だよ」


 宝箱に急ごうとしたエステルを手で制す。ボス討伐後に現れる宝箱は、鍵もかかってないしトラップもない。できればフアナに開けさせてあげたいところだ。


「あける」


 フアナがいつもの調子で右の宝箱を開けた。宝箱からピカッと光が漏れて、辺りを照らす。


「これ」


 フアナが気にした様子もなく宝箱から取り出したのは、まるでムカデの頭部を模したナックルダスターだった。


「お! 当たりじゃん!」


 大ムカデのアギト。攻撃がヒットすると、確率で相手を麻痺にする序盤の心強い味方だ。フアナが今使っているナックルダスターよりも強い。


 フアナに使ってほしいところだが、間違ってもかわいいデザインじゃないからなぁ。使ってくれるかな?


「フアナ、よかったら使ってみないか?」

「いいの?」


 フアナは大ムカデのアギトを取り出すと、さっそく腕に装着する。細い白魚のような腕と無骨な大ムカデが果てしなくミスマッチでなんだかおもしろい。


「おー」

「どうだ?」

「お気に入り」

「そうか……」


 まぁ気に入ってくれたならよかったよ。


「よ、よかったですね、フアナ」

「ん!」


 フェリシエンヌがちょっと引いた様子でフアナを祝福していた。


「フアナ、もう一つの宝箱も開けてみたらどうだ?」

「ん。そうする」


 フアナがためらいなくもう一つの宝箱を開けた。ピカッと宝箱の中から光が漏れて、すぐに収まる。


「これ」


 フアナが取り出したのは、一本の剣だった。こちらもムカデの頭を模した鍔が付いていて、フアナの持つ大ムカデのアギトと同じ系統のシリーズ武器だというのがわかる。


「おいおいおい、こっちも当たりかよ!」


 どんな確率だよ。あれか? これもボスモンスターが二体もいた影響だろうか?


 なんにせよ、運がいい。


「剣?」

「そうだな。これはフェリシエンヌが使ったらどうだ?」

「え……?」


 フェリシエンヌがまるで名探偵に犯行を見破られた犯人のように一歩下がった。その顔はいつも浮かべているアルカイックスマイルが崩れている。そんなに嫌か?


「フェリシエンヌが今使ってる剣よりも強いぞ?」


 フェリシエンヌは、お姫さまが使っているとは思えないほど凡庸な剣を使っている。ゲーム通りだが、お姫さまなら普通はもっと良い剣を持ってるんじゃないか?


「というか、仮にも姫だろ? なんでそんななまくらを使ってるんだ?」

「これは、元々使っていた剣が折れてしまったので……」

「なるほど」


 元々はもっと良い剣を使っていたが、折れてしまったから仕方がなく使っている剣ということか。それならゲームでも初期武器としてなまくらを装備していた理由もわかるな。

お読みいただき、ありがとうございます!

よろしければ評価、ブックマークして頂けると嬉しいです。

下の☆☆☆☆☆をポチッとするだけです。

☆1つでも構いません。

どうかあなたの評価を教えてください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ん?今なんでもするっていったよね?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ