校長ラムタキ登場!
ある日、天野コウスケは担任の杉山から校長室への呼び出しを受けた。コウスケは驚いたが、周りのクラスメイトたちは興味津々だ。特に、校長ラムタキが誰かを呼び出すというのは滅多にないことだからだ。マッスル学園の校長、ラムタキは「マッチョラムタキ」の異名を持つ伝説的なボディビルダーで、かつて世界大会で数々の栄光を勝ち取った人物だ。ナオミは「お前、あのラムタキ校長に呼び出されたとか、何かやらかしたのか? 私も会いたい!」と目を輝かせる。一方でタクミは「校長に呼び出されるなんて…失礼のないように、しっかりしろよ」とコウスケに助言する。
コウスケは少し緊張しながらも、校長室へ向かう。扉を開けると、そこには見たこともないほど大きな二人組の男たちが立っていた。しかし、その二人ですらかすんでしまうほど巨大な人物が、奥のデスクに座っていた。そう、彼こそがラムタキ校長だった。彼の身体はまるで岩のように屈強で、筋肉の塊そのもの。コウスケはただ圧倒されるばかりだ。
「天野コウスケ、座りたまえ」と低く響く声が部屋に響く。ラムタキ校長は悠然と椅子から立ち上がり、デスクを回り込んでコウスケの前に来る。ラムタキの体格は、まるで巨人のようで、彼の影がコウスケを完全に覆ってしまうほどだ。
そして校長は話し出す。「君はすでに気づいているかもしれないが、ここは君が望んだ進学校、キャッスル学園ではない」とラムタキは重々しく語り始めた。「ここは、世界一のボディビルダーを育成するためのマッスル学園だ。そして、君がここにいるのはただの手違いではない。実は君の父親が、君をここに入れるよう、直々に私に頼んだのだ」
コウスケは驚愕した。「父が…?」
そうだ、コウスケの父親は筋トレを趣味にしていた。しかし、彼が自分をこのような特殊な学校に入れるほどの筋肉狂いだとは思っていなかった。さらには、父が昔からこの学校の校長と深い関係があることなど全く知らなかったのだ。
「君がキャッスル学園に入学するのを応援していたのも事実だろうが、本当のところ、彼は君がここで筋肉の道を極めることを願っていたんだよ」と校長は続ける。「私と彼は古い友人でね、君が生まれた時からこのマッスル学園に入学させるつもりだったんだ」
この事実を聞いて、コウスケは混乱した。父親が自分をこんな筋肉の世界に入れようとしていたことに、驚きと戸惑いが入り混じった感情を抱いていた。だが、ラムタキ校長は真剣な表情を崩さず続けた。
「さて、これが本題だ」と校長は言った。「君が今この事実を知った以上、もし退学を望むなら、私はそれを止めない。しかし、この学校で学び続けるという道もある。君が選ぶべき道はどちらか?」
コウスケは頭を抱え、深く考えた。もし、この話を入学当初に聞いていたら、間違いなく即答で退学を選んでいただろう。だが、今のコウスケは違った。タクミやナオミと一緒に過ごし、筋トレの魅力を知った今、筋肉の世界への興味が少しずつ芽生えていたのだ。
彼は深呼吸をし、意を決して答えた。「僕はここに残ります。そして、世界一のボディビルダーを目指します!」
その言葉に、ラムタキ校長は満足そうに微笑んだ。「君も本物のトレーニーになったようだな。それならば、今から私と合トレをしよう!」
校長の提案に、コウスケは驚きつつも、「はい、お願いします!」と元気よく返事をした。そして、彼とラムタキ校長の壮絶なトレーニングをするのだった。