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「…しっかし、そのリアルさゆえに、リリィも引かれる時があるけど…さらに上を言ってるな。こっちは」
このヒミコが届いてから1時間ほど。例の居間の真ん中、あれから頭部をネジ込み、卓の向かいに座らせたその人形を、あらためて私は観察してみる。
「ふ〜む…」
既述のフェイスに、その真ん中分けの長い黒髪もよくお似合い。ヒミコと言うだけに、らしき衣装でも纏わせた日には、それは人々が思い描く、あの『卑弥呼』像のように見えるかも知れない(?)。
が、なぜセーラー服をお召しに?
実は、ウィッグともども箱に入っていたそれを、さしあたり私が着せたからである。
なにせ、他に女性物の服など置いてありませんのでな。少なくとも、いまの当家には。
「まさか、叔父さんの趣味じゃなかろうな。いやはや、理解に苦しむわい」
ふ〜っ…
と、呆れ半分。私が溜め息などついたところで、
ぴんぽ〜んっ…
これまた来訪を告げるチャイムが、当室内に鳴り響いた。