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『ほんと嬉しそうだなーっ…』
え…? あっ、こら空っ。また、んな大きな声でっ。
「え、ゼロさん。またリアル女子声?」
うっ…気づいた、もとい気づいてしまったのは、リーダーの山崎梨央だ。
「しかも、いまリリィちゃん動きませんでした?」
梨央の隣の18歳、芹沢光瀬も訝しげな目で、こっちを見てくる。
うん、確かに動きもした。ヤキモチだか何だか、空のヤツめがリリィを操り、私の横腹に肘打ちを食らわせてきたからな。うごっ。
「う、動いたんじゃなくって、たまたまこっちに倒れてきてしまっただけだ。な、そーだなリリィ?」
うぬぬ、空ってば、まるで何事も無かったかのように澄ま〜してやがる。ま、それでいいんだけどな。
さておき、どうにか適当に取り繕って、ようやく次のメンバーへ。そして、それからまもなく、収録も無事に(?)終了。
だが、実はこの後、また別番組の収録が。よって私は、ここ楽屋にてリリィを専用ケースに収めると共に、次の現場たる他のスタジオへ向かった。




