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セットの裏手から門を潜って、私とひな壇との間に。そこに、ひとりずつ登場するや新メンバーたちが、その都度、自己紹介してゆく。
で…やがて3番目に登場したかと思えば、
「初めまして。東京都出身、19歳の椚静です。尊敬するメンバーは、南田空さんです。どうぞよろしくお願いします」
などと宣うのは、そのツヤツヤの長い黒髪や切れ長の目も印象的な、長身スレンダークールビューティーである。大人っぽいねー。
『う〜ん、あの子ったら見込みありますわー』
いまや私の隣の席。リリィときたら、彼女の口から自身の名が、しかも良い意味で出た事で、大層ご機嫌な様子。また小声で喋っておるわい。
「あと、私…ゼロさんの大ファンなんです」
そこで、おお〜っ…と、メンバー皆がどよめく一方、
「きょうは、お会いできて…お会いできて嬉し…」
なんと、その静ちゃんときた日には、感激のあまりか泣き出してしまった。
う、うむ。こんなのもちろん初めてだわい。どないしょ。
「あ、あのね、静ちゃん。そんな泣かなくっていいんだよ。そう、こんなヤツに会ったくらいで、ね?」
我ながらオロオロ。自虐など織り交ぜつつ彼女を宥める私。
あいや、ゴンちゃんたち『そーそー、こんなヤツこんなヤツ』じゃないでしょーに。
「こらこら、皆まで一緒になって言うんじゃない。そうだよ、私のは謙遜ゆえの自虐だよ」
今度はジョークを交えて、この場を和ませる(といっても、んな雰囲気悪い訳じゃないけどな)。
「でも、ゼロさんったら、なんだかんだで嬉しそう〜」
「いよっ、このスケベっ」
うぬぬ、奈々子も睦月も…そりゃ、もちろん悪い気はしないが…




