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「ん、これは…」


 ふと私は、そのドールの腋の辺りに、葉書サイズのカード状を見つけた。


 で、それを手に取ってみると、


 『裕一郎へ。そのだだっ広い屋敷に、たったひとりじゃ寂しいと思ってな。なんで、この人形を彼女とでも思って、気を紛らわせてくれたまえ。お前の好みが分からないから、とりあえずオーソドックスな美人のを選んで買ってみた。名前はヒミコ。んじゃ、元気でな。叔父、大二郎より』


 などと書かれてあります。


「う〜ん、叔父さんったら妙な忖度を。迷惑」


 かといって、これを捨てる訳にもいきません。


 なにを隠そう、由緒正しき名門たる当楠家において、その叔父の存在ならびに影響力は絶大。そう、実は現当主の私といえど、そんな御仁からの贈り物を、粗末に扱うことなど出来ないのです。


「ま、服を着せて飾っておけば、特に問題はない、かな」

 

 結局のところ私は、そのように決めた。


 このヒミコなるドールの存在が、後々、当家に妙な騒ぎを齎す元となろうとは、もちろん知る由もなく…


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