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「な、な、なんだありゃ!」
私が驚くのも、無理はないと理解して頂けるに違いない。
この縁側と庭とを隔てるガラス戸に、何者かが、しかも複数へばりついているのが窺えたからだ。
なるほど、それらが皆一様に、その戸を叩いておる。
「なんということでしょう〜…」
「ああ、まったく…だ」
それは集団押し込み強盗か、あるいはゾンビの軍団か。どのみち恐怖心を抑え込むのが精一杯。その場から進むことも退くことも出来ぬ私である。
ただ、こうしていてもラチが開きまへん。
「警察に通報するか…」
でも、例えば強盗なんかがガラス戸を割って中へ侵入しようというなら、もうとっくにやっているはずである。
ということは、あの一団には、そのつもりがないと考えてよさそうだ。
そういえば、なにか訴えかけるような感じにも見えるしな。
おやっ、そこであらためて窺えば…
なんと、いまだガラス戸を叩き続ける集団は、なぜか女ばかりと判明。ひいふうみい…と、6名ほど。
ん、でも待ってちょ。なにか様子が変だと思ってよくよく見れば、彼女らときたら、揃いも揃って皆、ヒミコのような等身大の人形ではありませんか。
小柄なロリータ系からグラマラスな金髪のおねーさんまで。それら人形が、様々な装いでもって、そのガラス戸を叩いているのだ。
ある意味、強盗よりも怖い気がするが、人形が動くだ動かないだの話はヒミコや史都で慣れているせいか、私としてはさほどでもない。
「にしても一体どこから、なぜウチに集まってきたんだろう」




