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 ざんざんっ…


 ざんざんざんっ…


 ざんざんざんざんっ…


「ん…?」


「なんでしょうか〜、あの音は〜」


 どうやら、どこかのガラス戸を叩く音。その音によって、私も史都も目を覚まされてしまった。


「居間の方から…かな」


 ヒミコ移動(・・・・・)の翌々日は、深夜2時過ぎ。豆球だけが灯る寝室内、私は布団から這い出て、しばらく耳を傾ける。


「しかし、今時分に一体誰が…」


「お客様でしょうか〜」

 

 振り袖風のパジャマ姿(どんなんだそりゃ)で、隣の布団の上。こんな時にも行儀よく正座しつつ、史都が呟くように。


「ひょっとして、押し込みや暴漢の類いじゃないだろうな」

 

 ただでさえの不審感に加え、にわかに溢れ出す警戒心、ならびに恐怖心。


 だが、一向に鳴りやまぬ為、ここはやむなし。その音源を確かめるべく私は、自分も行くと言い張る史都を伴って、寝室を後に。外の廊下へと出た。


 そして、なおも続く音をたどってゆくと、それは予想通り居間の方で鳴っている、と判明。


「ここは確かめるしかないだろうな。決して気は進まんが…」


「死なばもろとも、お供します〜」


「こら、縁起でもないこと言うんじゃない」


 なんだかんだと言いながら、まもなく私たちは居間の中へ。すると案の定、音の聞こえも過去最高の中、さらに窓際の方へと進んでいく。


「うん、そうさ。仮にも私は、名門楠家の現当主。この代々伝わる屋敷の安全を守る義務があるのだっ」


 とかなんとか自らを鼓舞。とりあえず史都を背後に、いよいよ私が、1つ手前の《障子戸》を開けた瞬間も瞬間である。




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