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 あれから、まもなく自宅を出発。やがて私が、リリィ(商売道具)を伴いやって来たのは、都内某所のテレビスタジオである。


 そう、この場にて、いま人気のトークバラエティの収録に参加するのだ。


 うむ、ようやく芸人としての、私の姿をお見せすることが出来るな。


 かくして、まもなく同番組『しゃべりまショーききまショー』の収録がスタート。


 始めに、挨拶と共にMCの男女2人が、私を含めた本日の出演ゲスト数名を紹介。それからしばらく、この応接セット風の中で雑談の後、そのゲストひとりひとりを掘り下げる企画に。


 そんな中、いよいよこの《腹話術芸人ゼロ》こと、楠裕一郎にスポットが。そこで、MCに求められるがまま私は、リリィを抱えて前に出ると共に、自身の芸を披露し始めた。


「…そういえば、リリィ。キミは最近、物忘れが激しいよな」


『え、どうしてそう思うの』

 

 この喉を痛めた(?)少女のような声は、言わずと私が、そのリリィの瞼や口を操作しつつ出している。


「んいや、ほら。この前だって…そうそう、皆さん聞いてくださいよ。この人ときたら、かの有名なマイ〇ル・ジャクソンのこと思い出せなくって…」


『ああ、そんなことあった気がする』


「…なんで、さんざ…ほんと、さんざ10分くらい僕が説明したんですけど、それでも一向に分からずじまいでしてね』


『ふむふむ、それで?』


「んな他人事みたいに…あ、それでですね。結局この人、最後の最後に僕がヤケ気味に言った『ポウッ』の、たった1音だけで『あー、あの人ね。初めからそう言ってくれれば…』なんて、急に思い出しやがったんですよ。いやはや、それまでの僕の苦労は何だったのかって、ほんと呆れましたよ。まったく」


 あははは〜っ…という、他の出演者や観客の笑い声が、このスタジオ内に響き渡った。


 とまあ、基本こんな感じだな(そんな面白くはないが)。芸人としての私は。


 ちなみに、こうしたテレビ出演の他、イベント等にも参加しているので、よかったら観に来てくれたまえ。


 さて、以降も各ゲストによるトーク等が続いた後、やがて当番組の収録も終了。

 

 で、いわゆるケツカッチン。その後、すぐさま私は別のスタジオへ。今度は、自身がMCを務める女性アイドルグループ《権田原15》の冠番組の収録である。


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