真夜中の訪問者たち
「…起きてくださいな〜。裕一郎さん、起きてください〜…」
「ん、あ…史都か」
ある朝。起こされてみれば、その史都の愛らしき顔が私の目の前に。
「おはようございます〜」
「う、うむ。おはよう」
意識的に、幾度か瞬きしたが私は、我ながらのたのたと半身を起こした。
「朝食の準備が出来ています〜。お顔を洗って、居間へどうぞ〜」
「そ、そうかね。では…」
かくして私は、史都に促されるまま布団から出た。
ああ、そうなんだ。先日、この私の手によって目覚めて以来、史都はお茶汲みだけでなく、こうして家事等いろいろとやってくれているのだ。
でも、やはり違和感あるなー。あくまでカラクリ人形であるはずの彼女が、その枠を超えたかのよう、ごく普通かつ自由に歩き回っている姿には。
ほんと、アンドロイドみたいだ。うん。
さておき、まもなく私は、エプロン姿の史都を残して障子戸の方へ。
と、そこへきて、
「ああ、そういえば史都…」
はたと彼女を振り返ったら驚きです。
「こ、これっ。なんて格好してるんだ、史都っ」
なんと史都ってば、背中もお尻も丸出し。いかに人形といえど、思わず私は目を覆っちゃいました。
そうなんですよ。実は、脱いでも出来が良かったんですよ、この史都は。ほんとに昔の人形なんでしょーか。
「新婚妻といえば裸にエプロン、という話を小耳に挟んだので、私もやってみました〜」
布団をたたみつつ、パチクリと瞬き。一体どこで挟んだのかはともかく、そういえば、先に正面から見た時点でも、史都の身にエプロン以外の着衣が無かった気がしたのを、いまさら思い出す私である。
「だ、誰が新婚やねん。いやま、とにかく下に何か着たまえ。いいね」
「お気に召さなかったでしょうか〜」
「生身の女性なら大歓迎…んいや、そういう問題ではなく、まあ、それが常識というか、な」
「はい〜。なら分かりました〜」
ほっ、理解してくれたよう…
「なら、明日はスクール水着にします〜」
…で、まったく分かっとらんです。やれやれ。




