3-35話フラッシュその6
「フゥー、グルルル…」
「だ、誰だあんた!?それに何だよそのおっかないのは!?」
突然侃士の前に現れた男性は掻き分けながら茂みの外に出た。
「僕は伊弉波蒼介。東京は植木町で喫茶店をしながら、特殊能力による犯罪の対処を時々やっている。竹中悟志が東京から出てこの街まで来やがったので、久しぶりにこの街に来なければならなくなった。この街には6歳の頃まで住んでいたんだが、両親が死んで東京に移り住むことになってね。今日はせっかくここまで来たついでに両親の墓参りでもしようと思って草薙霊園に来たんだがね…。君の名前とか、この能力を使って何がしたいのかとか色々知りたいところだけど、タクシーも待たせているし、さっさと終わらせよう。行け」
「グルアアアアッ!!!」
彼の体から飛び出した分身『パーフェクト・ブルー』が、眼の前に肉を差し出された猛獣のように歓喜の雄叫びをあげ、侃士に襲いかからんとする。
「ま、待って待って!!あんた何か勘違いしてないか?俺も閉じ込められた側だよ!これは俺の能力じゃねぇ!」
「何?」
侃士は蒼介に竹中との因縁、そして草薙霊園で竹中と遭遇し、隼人と戦っていたが、草薙霊園の入り口に足を踏み入れた途端突然隼人と竹中が姿を消し、自分も後を追ってきた事を話した。
「…なるほど、竹中もこの中に来ていたのか。それにまさか君が僕の甥っ子の友達だったとは。危うく攻撃するところだった。まぁでも、君と竹中の因縁とかそんなもんは僕にとってはどうでもいいことだ。それじゃ」
そう言うと蒼介は侃士を置いてさっさと歩いていってしまう。
「…え!?あ、ちょっと待って!まだあんたに聞くことあんだよ!」
侃士は急いで蒼介を追いかける。
「ヒメ!ハヤトヲカイシュウシマシタゼ!」
隼人はサヴェージ達にアリスの下まで運ばれて来た。今は『サヴェージ・ガーデン』の中にある、アリスの館にあるベッドに寝かされている。
「あぁ、おいたわしやお兄様!…よくも、よくもワタクシのお兄様をこんな…この、あの…あれですわ!許せねぇ…!ぶっ殺してやりますわ!!竹中とやらの臭いは覚えましたわね?行きなさい!!」
「「「「イーハーッ!!!」」」」
「ヒメ、デイジートジュリエッタモダセマスゼ!」
「今すぐ出しなさい!絶対に生きては返さねぇですわ。それはそれとして、竹中とかいうカスを始末するまでお兄様はここでアリスが付きっきりで看護しますわ!」
アリスは隼人が寝かされているベッドに跳び乗ると、隼人にぎゅっと抱きつく。しかし今隼人には役得とかそんなこと思う余裕はなかった。何故なら、
「く、苦しい…死ぬ…!」
抱きついたアリスが偶然にも隼人の首を完全にキメていたからだ。
気づけばもうすぐ6月ですね。2024年ももうすぐ折り返し…早すぎる!第3部も折り返し手前辺りです。もう少しお付き合いください。




