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3-31話フラッシュその2

「やっと姿を現しやがったな…!このド腐れ野郎!!」

「ここは田舎すぎていい加減退屈になってきたもんでなぁ。…それよりこの墓、お前の兄貴の墓だよなぁ?立派な墓建ててもらって羨ましいねぇ…」

「だったら何だってんだコラ!?」

「オラァッ!!」

竹中は将吾の墓に強烈な蹴りを一発叩き込み、墓石を蹴り砕いた。

「ヒャーハハハハ!!俺と同じ人殺しの分際でこんな立派な墓建ててもらってんじゃねぇよこのバカ!オメーに墓なんか必要ねーんだよ!」

「…ッ!!」

(…耐えろ、耐えろ、耐えろ!!アイツは多分俺の『トリック・ハンド』よりも射程距離が短い。だから俺が冷静さを失って考えなしに突っ込んでくるのを誘ってるんだ!ここは耐えて奴が隙を見せたところでこの距離から『トリック・ハンド』を叩き込む!)

侃士は必死に自分に言い聞かせてなんとか冷静さを保つ。握りしめた拳からは血が滲む。

「あ?…なんだ、ここまでされても向かって来ねぇの?つまんねぇな、即ブチ切れて突っ込んで来ると思ったんだがなぁ…もうちょっとか?」

言いながら竹中は将吾の墓を足で蹴って軽々と崩していき、その中に納められていた将吾の遺骨が入った骨壺を取り出し、その中身をぶちまける。

「オラァッ!これでも来ねーのか腰抜け!来ねーんならお前の兄貴が粉微塵になるのを、そこで黙って見てな!」

竹中はぶちまけた遺骨を容赦なく踏みにじりすり潰していく。限界だった。自分の両親とたった一人の兄弟の命を奪っただけでなく、その墓や遺骨までも踏みにじられて黙ってられる訳がない。

「んの野郎!!作戦がどうだとかもう関係ねぇ!!兄貴の墓と遺骨をこんなにされて黙ってられるか!俺じゃなくたって同じ立場だったら誰だってそうする!!」

侃士は感情のままに竹中に突っ込んで行く。

 侃士と別れた隼人達は結局寄り道するのをやめて真っ直ぐ帰ることになった。

「じゃあ隼人君、アリスちゃんまた明日」

「おう、じゃあな。…アリス、一人で帰れるか?」

「まさかお兄様、あのアホの事が気になるんですの?お人好しは相変わらずですわね。まぁそこがお兄様の魅力ですけれど♡」

「あーはいはい、そういうことだから先に帰っててくれ。俺もすぐ帰るからさ」

「わかりましたわ。でも一つ条件があります」

「は?条件?」

「五分に一回は連絡することですわ!」

「…無理。それじゃ」

「むぅ~!!」

 同時刻、I市内にある空港にある男性が一人降り立った。彼は空港内でタクシーを拾って乗り込む。

「お客さん、どちらまで行かれます?」

「I市駅まで」

「はいよ。…お客さん、ここにはお仕事か何かで?」

客との何気ない会話を仕事中のささやかな楽しみの一つとしているタクシー運転手は、男性に話しかける。

「…まぁ、そんなところだよ」

「この街は初めてですか?」

「いや、2ヶ月ぶりくらいかな。元々6歳まで住んでいたんだ。色々あって今は東京に住んでるが。…最近この辺で何か変わったことは?何か事件とか」

「変わったこと?…いや、特には無いですかね。あ、事件といえば左前方にコンビニあるでしょ?そこのコンビニにこの前強盗が入ったらしいですよ。ニュースでやってました。まぁ、犯人はもう捕まってますけど。何でそんな事聞くんです?」

「…いや、単なる個人的な興味だよ。特にないならそれでいいんだ」

「はぁ、そうですか?」

運転手は変わった客だと思いながら目的地までタクシーを走らせる。









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