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3-28話サヴェージ・ガーデンその8

 隼人の幼馴染みアリスの操縦する巨大人形が拳を振り下ろす。しかしその拳は松平の左手の指先から伸びた糸によって絡め取られる。

「殺して剥製にするなんて穏やかじゃないな。ちょっと落ち着けよ」

「やった!勝った!『ストリングス』で操って終わりだ!」

「むっ、しゃらくせぇボケ!!ですわ!」

『ストリングス』の糸で絡め取られた方とは逆の手で糸を強引に引き千切る。

「わーっはっはっはっはー!!こんなか細い糸で巨大サヴェージ、オリヴィアを止められるとでも!?ちゃんちゃらおかしいですわー!」

「最初から止められるなんて思っちゃいないよ。その糸に一瞬でも気を取られて両手が塞がる瞬間を狙っていたんだ」

松平の右手の指先から伸びた糸がアリスの体に絡み付き、自由を奪う。

「年下の女の子を痛めつけるなんて趣味じゃないんだ。まずはその人形から降りてきてもらおうか」

「え?な、しまっ…!か、体が勝手に、あれぇ…?」

アリスの意志とは関係なく体が勝手に動き、巨大人形を膝まづかせるように操縦して『ストリングス』で操られるままにコクピットから地面に降りた。

「よし、それじゃあ次は…」

「チョイマチナ!コッチヲミロボケ!イマスグニヒメヲカイホウシナ、サモナイトテメーノナカマガタダジャスマネーゼ?」

「うわああ!?な、なんだ!?」

「こいつら、いつの間に!?」

小さな人形達がいつの間にか隼人と恵一、上杉の体をよじ登り、三人の首筋に手に持った刃物を突き付けていた。

「チイサイカラッテアマクミルンジャネーゼ?コノスルドサ、イリョクハホンモノダカラヨォ!」

「流石ワタクシのサヴェージ共、この『サヴェージ・ガーデン』の中ではおめーらに勝ち目はねーですわ!ほら、さっさとこの糸解きやがれですわ!って、いたたたたっ!?いたいいたいいたい!!」

「ヒ、ヒメ!テメー、コノジョウキョウワカッテンノカ!?ナカマガドウナッテモイイノカヨ!?」

「やれるもんならやってみろ。お前らのお姫様がどうなってもいいならな」

アリスに絡みついた糸は徐々に絞めつけを強くしていく。

「ヒ、ヒメ!」

「ぐぇ…こ、降参、降参ですわ!お前らもお兄様達を開放しなさい!」

「シ、シカシ…!」

「早くしろですわ!マジで苦しい…死ぬ…!」

「アワ…アワワ!」

人形達は始めは渋っていたが、マスターであるアリスの状況を見て慌てて隼人達を開放した。松平はそれを見て絞めつけを少し緩める。隼人達にひっついていた人形達がアリスの周りに集まって来た。

「オイ、コウサンダッテイッテンダロガ!ハヤクコノヒモヲトケ!」

「その前に俺達をここから出してもらうほうが先だよ。出来るよな?」

「もう出してます!だから早く解いてですわ」

 アリスと松平を含め、隼人達は気が付いたら生徒会室の入り口のドアの前に立っていた。

「ここは、生徒会室!?」

「やった!戻ってこれた!」

生徒会室の外の隼人達の声を聞いて、生徒会室の中から上杉の取り巻き女子、花音とアサミと凛子が飛び出して来た。三人は生徒会室を飛び出した勢いのまま上杉に抱きつく。

「「「凌ちゃ〜ん!!」」」

「よしよし、心配かけたなお前ら」

取り巻き女子三人に続いて明良も生徒会室から顔を出す。

「ようやく戻って来たか。…君は確か飛び級転入生、織田アリス、だったかな?」

 この後明良達にも隼人とアリスの関係など、今回の件について話をした。その結果、これから隼人がまたこのようなことが起きないようにアリスの面倒を見るということで落ち着いた。面倒事はごめんだという明良と隼人と一緒に居たいアリスにとってWIN WINらしい。そして生徒会の活動も終わって、隼人はアリスと一緒に帰路についていた。

「そう言えばお前、今どこに住んでんの?もう遅いし送ってくわ」

「パパとママは東京なので今はおじいちゃんとおばあちゃんの家ですわ」

「そっか。流石に道わかんないから案内してくれよ」

 アリスを祖父母の家まで送り届けて自分の部屋まで帰ってきた隼人は、流石に疲れたのでそのまま眠った。そして数日後の朝。

「モウアサダゼ、イツマデネテンダコノボケ!」

「う〜ん…」

枕元で何かが騒いでいる。鬱陶しいので目を瞑ったままそれを目覚まし時計を止めるように叩く。

「イテテ、オキルキハネェヨウダナ…ソレナラコレデモクライナ!」

「いてぇッ!!?何だ!?」

突然手に鋭い痛みを感じて飛び上がると、枕元に先日見た小さな人形がその手に槍を持って騒いでいた。どうやらその槍で手を突かれたらしい。

「ケッ、ヤットオキヤガッタカ。ヒメヲアンマリマタセルンジャネーゼ」

「何でこいつがここにいる!?姫ってまさか…!」

隼人は急いで部屋を飛び出すと、キッチンでは小さな人形のマスターである織田アリスが朝食を準備しているところだった。

「おはようございますお兄様。朝食の準備が出来てますわ」

「ぎゃあああ!!やっぱり!え、何で何で!?どうやって入ってきたの!?何で!?」

「ワタクシのサヴェージにかかればピッキングなど朝飯前ですわ。今日からこの部屋で一緒に済ませていただくことにしましたの」

「…え?…え!?」














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