3-25話 サヴェージ・ガーデンその5
隼人、恵一、上杉の3人は、隼人が空気のバリアーから空気を勢い良く噴出させたことで上空へと吹き飛ばされていた。ある程度の高さまで飛ばされたところでバリアーの中の空気が無くなり、一瞬の嫌な浮遊感の後に重力に従って落下し始める。
「うぉわああああ!!!また入院するのか!せっかく退院したばっかなのに!!」
「その心配はないっすよ。空気を固めて、足場を作ればいいんだよ」
3人は『エアマスター』の能力によって固めた空中に着地する。
「はぁ、はぁっ…隼人お前…覚えてろよ…!」
「これであの人形達の攻撃は届かない。とりあえず安全だぜ。でもあんまり離れるなよ?落ちても知らねーっすよ」
「ひぇっ」
「隼人君、安全なのはいいけど、こんなに木が生い茂ってちゃ副会長を探せないよ。全然下が見えない」
恵一の言う通り、木が生い茂った森の中は上空からは見渡すことが出来ない。
「そうなんだよなぁ…お!何だあのデカい城みたいな建物は?ずっとここでこうしてても仕方ないし、行ってみようぜ」
「おい気をつけろよ。さっきの建物みたいに罠かもしれねーぞ」
隼人達が城を見つけた頃、城の中では、
「ヒメ、ヒメ!!」
「うるせぇですわ!」
「ヒメ!デイジーヲゲキハサレチマイマシタゼ!ソイツガイマガワハヤトトゴウリュウシテコチラニムカッテキマス」
「ぬぬぬ…!ここまでやるとは思いませんでしたわ…!ジュリエッタを出しなさい!それとオリヴィアの準備もですわ」
「イーハー!!!」
「だからそれうるせぇですわ!…これだけはなるべくしたくなかったけれど、ワタクシのものにならないと言うなら例えお兄様だろうと…!」
伝令役の人形から報告を受け、玉座に座る少女は次の指示を出す。
一方、隼人達は上空に足場を作りながら遠くに見えた城を目指していたのだが、上杉が途中で高所に耐えられなくなったので仕方なく地上に降りて来ていた。
「さっきまであんなに襲って来てたのに、人形達が全然居ないね」
「でも油断すんなよ恵一。あの人形は能力者が近くに居なくても使える遠距離型な上に、吉良会長の『マッド・クイーン』みたいに自動操縦って感じでもない。多分あの人形達が自分である程度考えて動いてんだぜ」
「なにそれチート過ぎない!?…ん?さっき何か足に触った?」
恵一は脛の辺りに僅かに何かが触れた気がして足元を見下ろした瞬間、頭上の樹の枝から垂れてきた白銀の糸に絡め取られ、宙吊りになる。
「な、何!?恵一!」
「うわああ!?な、なにこれ!?ど、どんどん絞めつけられる…!!『ヘヴィ・リーパー』!僕の体を重くしろ!!」
恵一は自身の能力『ヘヴィ・リーパー』で自分の体を重くすることで糸を切ろうと試みるが、その糸の強度は凄まじく、全く切れる気配がない。が、
「な、なんだ!?急に重く…!?うぉわあ!」
「わあああ!!うげっ!!」
恵一は糸の主ごと地面に落下した。その糸の主は
「副会長!?」
「いてて…あれ!?皆何でここに!?…そうか、ここに飛ばされたんだな」




