3-23話 サヴェージ・ガーデンその3
「な、何だここ!?今まで生徒会室に居たのに!」
「どうやらここは敵能力の世界の中みたいだな。多分恵一が生徒会室のドアを開けたのがトリガーになって恵一に触れた俺も一緒に飛ばされちまったみたいだな」
「え!?ご、ごめん!僕が迂闊なことしたせいで」
「それはもういいからさ、今はここから出ることを考えようぜ。多分上杉もここに飛ばされてるはずだし、もしかしたら副会長も居るかもな。まずは二人と合流しよう」
隼人と恵一の側の茂みがガサガサと揺れ、何者かの話し声が聞こえてきた。
「スンスン…ニオウゼ、エモノノニオイダ」
「カナリチカイゼ!」
「おいおい…なんか居るぞ」
「なんかヤバイよ、これまでの経験でこういう時はろくなことが無いんだもん!」
茂みの中から小さな矢が飛来し、恵一の腕に命中。
「い、いったああああ!!!?うわああああ!!」
「恵一、どうした!?」
「はぁ、はぁ…!ぼ、僕の腕に、矢が、小さな矢が刺さってる!こんなに小さいのに、本物みたいに痛い!!本物刺さったことないけど!」
「ビンゴ!ヤッパリイタゼ!ヤレ、ヤロウドモ!!ウチマクレ!!」
「「「「イーッハー!!!」」」」
無数の矢が茂みの中から隼人と恵一に飛んでくる。
「恵一、俺の側に寄れ!『エアマスター』!!」
空気のバリアーで襲い来る矢を防ぐが、その矢は恵一の言う通り本当に大きさの割に本物並みの威力があるらしく、すぐに穴が開く。
「あぁ!穴が!」
「大丈夫だよ恵一、これを逆に利用すればいいのさ」
矢に開けられた穴から空気を噴出させて二人は一気にその場から距離を取る。
「すごい!やっぱり能力の使い方が僕なんかより断然上手い!」
「よし、今のうちにもっと離れるぞ!」
一方、隼人と恵一よりも少し先に飛ばされた上杉。取り巻きの女子達を探して薄暗い森の中を彷徨っていた。
「どうなってんだこれは!?…それよりあいつ等は?花音、アサミ、凛子!」
暫く歩くと、何かの競技場のような大きな建物が見えてきた。
「何だ?このでかい建物は?これは入ってもいいのか?お前らどう思う?」
無意識にいつも一緒にいる取り巻きの女子達に聞いてからその3人は今はいないことを思い出した。
「…今は一人だった。この建物、こんな森の中にあるのはどう考えてもおかしい。入らない方が良さそうだなって、えっ!?」
踵を返そうと振り返ると、上杉が来た道を小さな人形の大軍が塞いでいた。
「ミツケタゼ!ヤロウドモ、カリノジカンダ!!」
「「「「イーハーッ!!!」」」」
「はぁ!?なんだコイツ等は!?」
人形達が一斉に武器を構えたのを見て、上杉は本能的に危険を感じ、大きな建物の中に逃げ込む。すると、天井から鉄格子が降りてきて入口を塞ぐ。人形達はそれ以上は入って来られないようだ。
「危ねぇ、ここは安全地帯ってやつか?あの化け物が追いかけてくるタイプのホラーゲームによくあるやつ。あいつ等弓とか持ってるやつがいたな、このままここに居たら鉄格子の間から攻撃を受けるかも知れない。もう少し奥に行ってみるか」
奥へと進むと、外観通り、中は競技場のような、古代ローマ時代のコロッセオのようになっていた。
「ギャハハハ!ミロ、ノコノコナカニハイッテキヤガッタゼ、アノマヌケ!」
「ジブンガマンマトワナニカカッチマッテルトモシラズニヨォ」
周りを囲む観客席を先程の人形達が埋め尽くしていた。そして上杉が入って来た方とは逆側の通路から他の人形よりも大きな上杉と同じくらいの背丈の人形が姿を現した。
「罠?くそっ、やっぱり入っちゃダメな所だったのかここは!」
「ヤッチマエ!!」
上杉と対峙する人形が大きく口を開けると、中からガトリングガンが飛び出した。
「な、何ぃ!!?ガトリングガン!?」




