表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/138

3-20話小説家がやって来たその5

「遠い間合いから攻撃出来る今川隼人は使い物にならないし、その能力『エアマスター』をぼくの『メモリー・ドライブ』はコピーしている。眼帯の女の子の方の能力についても今川隼人の記憶に詳しく書いてあったよ。君達がここに来たときは驚いたが、その能力で恵一君を追跡してきたんだな。ただこれも戦闘ではほとんど役に立たない。よって後は実質君一人だよ、侃士君。まぁ、君の能力も射程外に出た今、全く役に立たんがね」

「だったら近づけばいいんだぜ!」

侃士は清虎に向かってまっすぐに突っ込んでいく。清虎はそこにメモリから変形させた小さなロボット『メモリー・ドライブ』で連続して空気弾を撃ち込む。

「うぐっ!!」

「アホか君は。さっきまでは少し賢い風に見えたが、ここまで想像を絶する程の馬鹿だったとは。近づこうとすればこうなると分かりきっているだろう?」

「…なんのぉ!!」

侃士は『メモリー・ドライブ』が放つ空気弾を受けながらも前進を止めない。傷つきながらも清虎に少しづつ、しかし確実に近づいていく。

「この野郎…!絶対ボコボコにしてやるからな!」

(な、なんなんだこいつ!?あれだけの空気弾は受けて何故まだ立ってられるんだ!?それどころかこちらに向かって来ている!馬鹿な、『エアマスター』は流石に『マッド・クイーン』には劣るが破壊力はそれなりにあったはず、なのに何故!?)

「『メモリー・ドライブ』、もう一度ぼくを飛ばせ!更に距離を取る!早くしろ!!」

『メモリー・ドライブ』はもう一度清虎ごと『エアマスター』の能力を使って距離を取る。

「ハハッ、驚かせやがって馬鹿が。お前がどれだけ近付いて来ようがぼくにはこれがある!残念、また振り出しだな。」

「くそっ…!どうすれば…」

(こんな時、兄貴だったら…)

「や、ヤバイよ!まさか清虎先生が敵能力者だったなんて、このままだと侃士君が…!でも近づいたら隼人君みたいに記憶を取られちゃうだろうしなぁ。…けどやるしかない!!」

恵一は清虎の視界から外れるように回り込み、以前侃士と戦った時のように教科書の詰まった鞄を清虎にぶつけるように振り回す。

「当たれぇ!!」

しかし、その鞄は見えない空気のバリアーに阻まれ清虎まで届かない。

「恵一君、君のその勇気には改めて敬意を表するが、君の過去の記憶からそう来ることは読んでいた。ぼくはそこの馬鹿のようにはいかないよ」

「情報アドバンテージがありすぎる!やっぱり僕なんかじゃだめなのか…!」

 恵一の心が折れかけたその時、突如恵一の身体からなにかが飛び出した。

「な、何だぁ!!?なにか出た!」

それは前進を覆うほどの丈の長い黒いマントを身に着け大鎌を持った足のない死神のような姿だった。生まれてすぐだからなのか、その身体や大鎌は薄っすらと透けていて、幽霊のようでもある。

「なんだこいつは!?こんなのは恵一君の記憶には無かったぞ!」

(よし、今だ!なんだか分かんないけど僕から出たものなら命令出来るはず!小さなロボットを倒して僕たちの身を守れ!)

死神のような何かは空気のバリアーをすり抜け『メモリー・ドライブ』を手に持った大鎌で斬りつける。『メモリー・ドライブ』の速さを持ってすれば躱すことなど造作もないスピードの攻撃だったが、恵一の記憶にない全くの未知の存在であること、加えて空気のバリアーをすり抜けてきたこと、最後に何よりも清虎の好奇心が危機感を上回ってしまったことで『メモリー・ドライブ』への指示が遅れ、モロに斬られてしまった。

「やった!…あ、あれ?」

しかし薄っすら透けた大鎌は『メモリー・ドライブ』すらすり抜け、斬られたはずの『メモリー・ドライブ』には傷一つない。

「まずい!…あれ?…ハハ、そうか。おそらくそいつは生まれたてでダメージを与えるほどのパワーは持っていないんだな」

「だ、駄目だ!こいつ見た目だけで全然役に立たない!!やっぱり僕なんかじゃ役には立てないのか!…え?」

斬りつけられても傷一つ付かなかったはずの『メモリー・ドライブ』が地面に落下し、何かに押し潰されるように地面にめり込んで破壊されてしまった。

「な、なに!?何故!?」

そしてこの好機を侃士は見逃さなかった。自身の能力の射程内まで一気に距離を詰める。

「なんだか知らねーが今がチャンス!食らえ『トリック・ハンド』!!」

「ぶはぁっ!!!」

四方八方から襲いかかる侃士の拳に清虎は文字通りボコボコにされ強烈なアッパーカットでフィニッシュ。

「はぁ、はぁ…へへ、スッキリしたぜ…!」

『メモリー・ドライブ』が破壊されたことで清虎に抜き取られた記憶が恵一に戻って来た。もちろん隼人にも。

「ま、待ってくれ!ぼくが悪かった。最近になってこの能力を手に入れたんでちょっと調子に乗ってたんだ!ぼくの負けだよ!もうこんなことしない!悪かったと思ってるんだよ!ほ、ほら、鼻血だってこんなに出てる!鼻の骨が折れちゃってる、い、痛いよぉ〜!!」

「んなこと関係無いっすよ。なぁ小説家の先生よぉ、ずっと何に対して怒ってたのか思い出せなかったんだけど、急に思い出したぜ。てめー俺の頭を貶したんだったよなぁ!!」

「ひっ、ひいいぃ!!!!」

侃士にボコボコにされた清虎は復活した隼人にその上から更にボコボコにされ入院。全治2週間。しかしその間執筆活動はこれまでにないほど捗ったらしい。そして急に目醒めた恵一の斬りつけた対象を重く出来る能力は、『ヘヴィ・リーパー』と名付けた。


















ご都合展開は許してくれっす。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ