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3-19話小説家がやって来たその4

「何度だって言ってやるよ。お前のその髪型な、正直笑ってしまうほどにダサい!それを本気でカッコいいと思うってんなら美的センスが壊滅してるよ」

「…殺す!!」

怒りで我を忘れた隼人は清虎に向かって行く。否、向かって行ってしまった。

(ハハ、本当にブチ切れたぞこいつ。今川隼人の『エアマスター』の射程距離は約30m。こいつが冷静さを保ったままなら警戒して近づいては来ないだろうから確実に遠い間合いから一方的にやられていたが、これで『メモリー・ドライブ』の射程距離内に入った!)

「かかったなアホが!『メモリー・ドライブ』!!」

清虎が召喚した小さなロボットは目にも止まらぬ速さで隼人に接近し、メモリに変形して額に突き刺さった。

「ブッ殺す!!俺の…、俺の…なんだっけ?そもそも俺は何でさんかく公園に居るんだ?」

「ハハハハ!勝った!第三部完!」

「何!?おい隼人、どうしちまったんだ!?」

「誰?お前?」

「え!?俺だよ!侃士!」

「君は確か竹中悟志に殺された前田将吾の弟、侃士君だったかな?能力は空間を飛び越える拳『トリック・ハンド』」

「な、なんで俺の能力について知ってんだ!?」

「今川隼人を見てもまだ気づかないのかい?記憶を読んだんだ。ぼくの能力『メモリー・ドライブ』は記憶を読んだり抜き取って保存することが出来る。君達のことは恵一君の記憶を読んでよく知っている。君が学習せず同じ失敗を繰り返す馬鹿だということもね。死んだ君のお兄さんにもよくそれで注意されてたそうじゃないか。君がそんなだからお兄さんも死んでしまったんじゃないのかい?こんなポンコツの為に死んでしまったお兄さんが浮かばれないなぁ」

「この野郎…!!」

「落ち着いて、見知らぬ人」

散々馬鹿にされて頭に血が登った侃士だったが、ここであることを思い出す。今は能力者ではあっても戦闘が得意ではない紅愛が一緒にいるということを。そのお陰で冷静さを取り戻し、隼人の二の舞いは避けることが出来た。

「2度も同じ手が通用するかよ!俺の能力の射程距離は10m程度。ここからならお前にギリギリ届く!対してお前の能力スピードは相当速いが射程距離はそれよりも短いと見たぜ。もし遠くまで飛ばせる能力ならわざわざ隼人を怒らせて近づかせる必要はないもんなぁ」

「お前ら、何の話してんの?」

(…こいつ、恵一君の記憶ではずっと馬鹿丸出しだったのに…!今は少し賢い風の分析をしている!)

「それに恵一と隼人の記憶も能力で忘れてんならお前を倒せば戻るってことだぜ!食らえ、『トリック・ハンド』!!」

侃士が空間の歪みに腕を突っ込むと、清虎の目の前に現れた空間の歪みからその腕がワープして襲いかかる。

「言ったろ、君のことはよく知っていると。その能力の対策も既に終えているのだ!」

突如清虎の身体がフワリと浮いて少し後ろに吹き飛ぶ。射程外に出たことで、『トリック・ハンド』の攻撃は不発に終わった。

「おっと、危ない危ない!射程外だねぇ」

「なに!?今のは…!」

「そう、『エアマスター』の能力さ。今川隼人に『メモリー・ドライブ』を刺したときに能力に関する記憶も抜いておいたんだ。『メモリー・ドライブ』は抜き取った能力に関する記憶をコピーし、その能力を我がものとして使用できる。抜き取られた側は能力こそ失ってはいないが、それに関する記憶がない為、使い方どころか自分が能力を持っていることすら忘れて無能力者同然になってしまうがね」






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