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7話黒いストーカーその1

「お疲れ様でーす」

 放課後、慧次が旧校舎にあるオカルト同好会の部室に顔を出すと、既に部室にはオカルト同好会の部長伊弉波先輩ともう一人黒髪の女子生徒が居た。

(この人って確か、一年の間でも超美人って噂になってる二年の浅井先輩!?すっげー、近くで見るとより美人だなぁ。なんか緊張してきた…でもこういう美人な人って、既にイケてる彼氏が居たりするもんだよなぁ…)

「お疲れー、あれ、勇太郎は?一緒じゃないの?」

「あぁ、あいつなら今日はサボりです」

「ふーん、まぁ良いわ。今日は相談者を連れてきたからお菓子と飲み物出してくれる?あたしはレモンティーね。この子にはミルクティー」

「あ、はい」

飲み物とお菓子を用意してテーブルに置き、伊弉波先輩の隣に座る。

「それで、相談って何?」

「実は、最近“何か”に付き纏われてて…」

「それってストーカーってことですか?それなら警察に相談したほうがいいんじゃ…」

「待って、その“何か”って何?人じゃないの?」

「それが私にも分からなくて、とにかく人間じゃないの。人型なんだけど真っ黒い“何か”。もちろん警察にも相談してみたんだけど、まともに相手してもらえなくて…」

「ふむ、分かったわ。その悩み、あたし達オカルト同好会が解決してみせるわ!その“何か”についてもう少し詳しく聞かせて」

 今回の相談者は茶道部二年の浅井愛華。伊弉波先輩とは同じクラスらしい。彼女が付き纏われていることに気付いたのは始業式の日の帰り道、背後に何やら気配を感じて振り返ると、自分の影の上に黒い全身タイツのような人型の“何か”が立っていたらしい。驚いて叫び声を上げると、それは何をするでもなく、影に溶けるように消えてしまったが、それ以降も付き纏われ続けており、近所の寺でお祓いもしてもらったが、特に効果は無かったそうだ。

「この街ってオカルトじみたことがよく起こるって言うし、お化けか何かなのかなぁ…?最近は家の中にまで現れるし、私怖くて…」

「とにかく、このまま放っておいたらどんどんエスカレートして取り返しのつかないことになるかもしれないし、早速これから調査するわよ!慧次、あんたも来なさい」

「はい」

 慧次は伊弉波先輩と一緒に学校から帰る浅井先輩を黒い“何か”にバレないよう少し距離を取りながら尾行することになった。

「ホントに大丈夫?もしお化けだったら、どうすることも出来ないんじゃ…」

「大丈夫、心配しないで。そもそもお化けなんて居るわけ無いでしょ。後ろにあたし達がついてるから、安心しなさい」

「えっ!オカルト同好会の部長である先輩がそれを言うんですか!?てっきりこういう部活してる人って、信じてるものだと」

浅井先輩は家に向かって怯えながらも歩き出す。少し距離を空けて慧次と伊弉波先輩は後ろからついて行く。

「慧次、いい機会だしあんたにオカルト同好会が本当は何をターゲットにしてるのか教えてあげるわ。あたしは幽霊とかお化けなんかじゃないの。あんたは特殊能力って信じる?あたしがターゲットにしてるのはそれなのよ。神隠しの噂や今回の件もこの街のオカルトじみた事はその特殊能力を持った人間が関係してると思ってる。つまりあたし達が暮らすこの街でそういう能力を持った人間がやりたい放題してるってことよ」

「な、何を根拠に先輩は特殊能力とか信じるんですか?先輩の言うことが本当なら、神隠しの噂って、特殊能力を持つ人間がこの街の人達や観光に来た人達を何らかの方法で何処かに隠してるって事ですか!?」

「隠してるだけなら良いんだけどね…何を根拠に信じるかって質問については、あたしもその特殊能力を持ってるからよ」
















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