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6話ジャスティスその2

「くっ…この野郎、だがパワーなら俺の『マジック・ハンド』だって負けてねぇぜ!!」

 勇太郎は再び地面を腕のように伸ばして直江に殴りかかるが、ギターの音の衝撃に掻き消され、勇太郎自身も吹き飛ばされ壁に叩き付けられる。

「がはっ!…畜生、あのギターをどうにかしねぇと…」

(だがどうする?音を攻撃へと変換しているなら、あいつの周りの全方位に衝撃が放たれているはず、どこから攻撃しても掻き消されるぞ!攻防一体の能力かよ畜生!)

「HAHAHA!!無駄だ!お前の能力、足元の地面を腕のように伸ばせるってとこかな?その程度の能力じゃあ、俺の『ジャスティス』を破るどころか触れることさえ出来ねぇんだよ!」

直江は更に畳み掛けるようにギターを掻き鳴らすと、見えない衝撃はその音量に比例して威力を増していき、壁に磔にされたように動けなくなる。勇太郎の全身が悲鳴をあげ始める。

「う、うぐぐ…!お、圧し潰される…!!」

「『ジャスティス』は自分が起こした空気の振動を増幅し攻撃へと変換する。つまり、音量を上げれば上げるだけ破壊力も増すってことだぜ!!このまま圧し潰して抵抗できなくなる程度に骨を砕かせてもらうぞ!!これで矯正完了だ!」

直江は携帯式のアンプを弄り、音量を上げていく。

「うおおあぁぁ!!」

(この威力、マジでヤバい!!このままだと骨が砕けるくらいじゃすまねぇぞ!…?何だ?なんかおかしいぞ、何でこれ程の凄まじい衝撃を放っているのに、俺の周り以外の木やフェンスなんかは少しも揺れたりしてねぇ!…そうか、分かったぜ!俺でもこいつの攻略法が!!)

「フフフ…なんだ、分かっちまえば簡単じゃねぇか。ハハハハ!なんだそうだったのか!」

「あ?『ジャスティス』のあまりの強さにおかしくなっちまったのか?」

「フフフ…いやなに、先入観に囚われてこんなに簡単なことに気付けなかったのかと思ってな。お互いによぉ!!」

 直江の足元の地面が腕のように伸びてギターの弦を全て引き千切る。そしてギター本体もバラバラにへし折った。

「な、な、なんてことしやがるんだテメェ!!!!!!My brother!!!」

「ふぅ、気付けなかったらマジで骨が砕けてたかもなぁ。音を攻撃にしてるんでてっきり全方位に衝撃を飛ばしてるとばっかり思い込んでいたんだが、攻撃へと変換出来るのは狙った一箇所だけのようだな。そして俺の能力『マジック・ハンド』は自分の足元の地面しか腕を伸ばせないと思い込んでるようだが、中学の頃俺にボコられた奴は何故何をされたのかわからないままやられたのか不思議に思わなかったのか?答えは簡単だぜ。『マジック・ハンド』は半径10メートルの範囲なら何処からでも伸ばせるんだぜ。さて、これまで散々やられた分、しっかりと返させてもらうぜ!!『マジック・ハンド』!!」

 勇太郎は砕け散った自分の相棒のギターを抱えて悲痛な叫びをあげる直江に地面から腕を伸ばしラッシュを叩き込む。

「うわああああ!!!!」

「これは俺からのレクイエムだぜ。チッ、もうこんな時間か。今から行っても照り焼きチキンサンドなくなってるだろうなぁ。体中痛えし、今日はもう帰るか。しかし、この学校に能力者どんだけいんだよ」

 勇太郎はボコボコにした直江をそのままに一人立ち去る。暫くして気絶した直江が見つかり、勇太郎は校内で更に恐れられることになるのだが、それはまた別の話。

 











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