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3-3話マッド・クイーンその1

 長い黒髪を靡かせて執務机に座った美人、生徒会長の吉良明良きらあきらは眼帯の女子生徒が淹れたブラックコーヒーを飲みながら持ってきた生徒名簿を捲る。その姿ですら様になって見える。

「副会長、もう二人を縛らなくてもいい、解いてやってくれ。せっかく淹れてもらったんだ、君等もコーヒー飲みなよ。ブラックコーヒーは嫌いか?」

隼人と恵一を縛り付けていた糸が解けてスルスルと松平副会長の両手の指先に戻っていった。二人はようやく自由になった。

「え〜と、それじゃあコーヒー飲みながらでいいからそろそろ始めるか。君達は…あったあった。1年2組の今川隼人君と浅井恵一君、暴力騒ぎについてだが、被害者の3人が見事に保健室送りになってしまって話を聞ける状態じゃないので、君達被疑者側から話を聞かせてもらおうか?場合によっては入学早々停学とか退学ってこともあるが、嘘はつかず正直に話してくれよ?」

「ち、ちょっと待ってください!僕はあの先輩たちにカツアゲされてたんですよ!?完全に被害者側です!!そこに居合わせた今川君がよく分からなかったけど何か見えない力で助けてくれたんです」

「そ、そうっすよ、恵一がカツアゲされてんのを助けたんだよ!確かにあいつらに俺のこの自慢の頭をバカにされてムカついたから全員ぶっ飛ばしたけど!」

「…え、そうなの?雄輔?」

「俺は紅愛から連絡を受けてから駆けつけたんだ、2年生3人が倒れているのを揺さぶっているところしか見てないからなぁ。勘違いしてたみたいだ。ごめんな」

「良かった〜、分かってもらえました?」

「なるほど、見えない力でねぇ…ふーん?」

吉良会長は残ったコーヒーを飲み干して何やら考え出した。

「やっぱ全員ぶっ飛ばしたのはまずかったですか…?」

「いや、もうそれはどうでもいい。今川君、生徒会に興味はあるか?人材不足で困っているんだ。それに今回のように時々暴力騒ぎとかあるからな。君のような特殊な能力を持っている人材が一人でも多く居てくれると助かるんだが」

「いや、面倒くさそうだし、遠慮するっす」

「そうか、残念だよ。生徒会に入れば与えられる特権でその頭を特別に認めさせることも出来たんだがなぁ。言っとくがうちの学校は確かに服装や頭髪などの校則は他の学校に比べてもかなり緩いが、君のその髪の毛は流石に駄目だぞ」

「え!?」

「そりゃそうだろ。明日までに直してくるように」

「ま、待ってくださいよ、冗談、冗談っすよ!入る!入りますって!」

「おぉ、そうか、それは良かった。では、これから試験をしようか」

「試験?そんなん聞いてないっすよ」

「なに、試験と言っても形式的なものだよ。君にはこれから自分の1年2組の教室からここ生徒会室まで来てもらう」

「それだけ?時間制限とかも無し?」

「あぁ、それだけだ」








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