2-30話突撃、町の外れの廃教会その3
「さぁ五十二体のトランプ兵の総攻撃を受けて、果たして最後まで立っていられるかな〜!?」
「『パーフェクト・ブルー』!!」
蒼介は『パーフェクト・ブルー』を出しトランプ兵達を蹴散らしていくが、倒しても次から次へと突撃してくるトランプ兵に次第に追い詰められていく。
「単体では大した事ないが、数が多すぎる…!」
そのうち『パーフェクト・ブルー』でもトランプ兵の攻撃を防ぎきれなくなり、蒼介の身体には無数の切り傷ができ始めた。
「ははは!そ〜ら、もうそろそろ耐えきれなくなってきたかな?トドメだやれ!トランプ兵!!…え?」
蒼介に一斉に攻撃を仕掛けたトランプ兵達が物凄い力で吹き飛ばされ、動かなくなっていく。
「な、何!?どうなってる!?」
「いい加減ストレスなんだよなぁ、さっさとここから出て樹利亜さんと合流しないといけないのに」
「は?なんで急に!?さっきまであんなに…」
「あとは本体であるあんたを軽くひねればこの異空間から出られて樹利亜さんに合流出来るってわけだな。やれ、『パーフェクト・ブルー』!」
『パーフェクト・ブルー』の必殺の拳が大谷を捉える直前、隣の部屋から飛び出してきた二体のトランプ兵に『パーフェクト・ブルー』ごと蒼介は撥ね飛ばされた。
「うぐっ…!」
その二体のトランプ兵はそれぞれ剣と盾を装備していた。その盾で蒼介は撥ね飛ばされたのだろう。
「こいつらを使うことになるとは、だがこのジョーカーズ、スピードもパワーも量産型のトランプ兵とはレベルが違うんだよ!!」
「だから、いい加減しつこいんだよ。あんたに構っている時間はないんだ」
大谷が気づいた時には蒼介は既に彼の目の前にいた。
「…え?うそ…」
「やれ、『パーフェクト・ブルー』!!」
「ウガアアアア!!」
「あがあああああぁ!!」
再びエレベーターに乗ったときのような不快な浮遊感と共に蒼介は気が付いたら元いた教会の入口に戻って来ていた。
「ふぅ、やっと戻ってこれたぞ。…はっ!樹利亜さん!どうしたんです!?」
教会の礼拝堂の中では樹利亜が倒れている。その先には女性が一人。
「…蒼ちゃん、そこから絶対に入ってきてはダメよ」
「いや、しかし…」
「大谷を倒したようね。でも無駄なのよ。あなたが助けに来ようが、どうしようがこのおじさまは死んでしまうわ。でも悲しまないで。死は救いなのよ。次の生ではきっと素晴らしい人生を送れるわ。…あと五秒ってとこかしら?」
倒れている樹利亜に彼の分身『LOVEマシーン』が触れる。
「五…四…三…二…一……え?」
彼女が驚くのも当然、十三秒のタイムリミットが来て死亡したはずの樹利亜があろうことか何事もなかったかのように立ち上がったのだ。そして彼女の方へと歩いてきている。
「…な、何故!?『メガデス』の殺人ウィルスに感染してから確かに十三秒経っているのに!?どうして立ち上がるのよ!?」
「アタシの能力『LOVEマシーン』は人を倒すパワーはないけど触れたものの時間を数時間程度戻せるのよ。その能力でアタシ自身の状態をウィルスに感染する前の状態に戻したってわけね。さて、これ以上邪魔されると厄介だし、そろそろ眠ってもらおうかしら?」
「がっ…!?」
樹利亜は石田に当て身を喰らわせ、その場に寝かしつけると、回収班に連絡をする。
「蒼ちゃん、入ってきても良いわよ。さぁ、さっさと仕上げといくわよ」




