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5話ジャスティスその1

「最高だぜ、オカルト同好会。朝っぱらからゲーム三昧だし、こうして部室でサボり放題だし」

 慧次と勇太郎がオカルト同好会に入部して数日後、勇太郎は旧校舎に滅多に人が来ないのを良いことに授業をサボる時よく悪用していた。部室に設置された時計を確認すると、4限目の授業が終わり昼休みになろうとしていた。

「もう昼休みか。しゃーねぇ、腹も減ったしそろそろ行くか」

勇太郎は旧校舎を出る。教師に見つかると面倒なので、人通りの多い場所を避けながら自分の教室に向かう。そして体育館裏まで来た時、エレキギターの音色と共に体育館の陰から肩にエレキギターを提げた男子生徒が現れた。右眼が隠れるほどのアシンメトリーの黒髪、制服をしっかりと着て顔はそれなりに整っているが、携帯式のアンプに繋がれたエレキギターがかなり目立っており、なんだか浮いてしまっている。

「やっと見つけたぜ、そのふざけた頭にだらしなく着崩した制服、お前一年の織田勇太郎だな?中学の頃から喧嘩に負けたことがないとか、実際にお前に喧嘩を売ってボコられた奴から聞いた話じゃあ、拳の届かない距離から一歩も動いていないのに気が付いたらボコボコにされていたとか。大層な武勇伝のわりにこんなとこでコソコソしてるとはな、お陰で探すのに苦労したよ」

「あ?誰だお前?どけよ、俺はこれから購買行くんだからよ」

「俺は軽音部部長にして風紀委員長の三年直江光輝。悪いがどく訳にはいかん。多くの生徒がお前を恐れて怯えてんだよ、生徒達が安心して学校生活を送れるように風紀委員としてお前を矯正させてもらうぜ!」

 直江がエレキギターを掻き鳴らしながらキメた瞬間、勇太郎の足元の地面が腕のように伸び、直江の顔面を殴り飛ばした。

「へぶぁッ!!…がっ」

「長ぇしうるせぇんだよこのボケ!!早く行かねぇと購買の照り焼きチキンサンド無くなるだろうが!さっさとどけよ、次はそのギターをへし折るぜ」

「…うっ、痛い、いたいいたい!!鼻血がこんなに、このクソファッキンが…!殴ったな、この俺を!ここからは荒療治になるが仕方ねぇ。お前が悪いんだからな!」

「あ?何言って…うげっ!?」

直江が立ち上がり怒りに任せてギターを掻き鳴らす。その音色は見えない衝撃となり勇太郎に襲いかかった。その衝撃は勇太郎を軽々と吹き飛ばし、直江は自分の奏でた音色にうっとりしている。

「Oh,yeah…いい感じに表現出来たぜ…究極の怒りを、俺の魂の叫びを!」

「な、何だ!?こいつも能力者か!?」

「Exactly.お前も何か能力を持ってるな。だが関係ないぜ、俺の能力『ジャスティス』は更にその上を行く!さぁ、矯正開始だ!!」


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