4話旧校舎に行こうその2
「え、ホントに!?わーい!とりあえず続きは中で話そっか。ほらほら二人共入って」
慧次と勇太郎は少女に引きずり込まれるようにして部屋へと入れられる。部屋の中は中心にローテーブルと、それを挟むように大きなソファが二つ置かれ、応接スペースのようになっていた。その奥には執務机が置かれていて、部室というより事務所といった雰囲気だ。その脇にはテレビやゲーム機、漫画が置いてあった。
「じゃーん!我がオカルト同好会にようこそ!どう?中は結構快適そうでしょ?冷暖房完備だし、このあたしがレイアウトしたのよ!」
「うおおお!スゲーぞ慧次、この間出たばっかのゲーム機まで置いてあるぜ!」
「漫画も沢山ある!」
置いてあるゲーム機はレトロなものから最新機種まで、更には目標とするお宝が多すぎて終わりが見えない世界的に人気な海賊漫画が全巻揃っている。まさに男子高校生の楽園のような空間だった。慧次と勇太郎は応接スペースのソファに座らされ、向かい側のソファに少女が座った。
「ゴホン、改めましてあたしは二年でオカルト同好会部長の伊弉波凪よ」
「「にっ…!?」」
(てっきり俺等とタメか中学生かと…)
(人は見かけによらないんだなぁ)
「何よ、どうかしたの?」
「あ、いえ、一年の今川慧次です」
「慧次ね、よろしく!金髪のあんたは?」
「俺も一年で織田勇太郎っす。このゲーム機とか漫画って全部私物っすか?」
「ふふん、当然よ!なんたってあたしの父さんはこの学校の理事長なの。この部活だって部員はあたし一人だけど特別にこの教室を使わせてもらってるのよ。あ、入部してくれるならそこのゲーム機とか自由に使っていいけど?」
「何…だと…!」
この学校における理事長の権力は凄まじいらしい。
「伊弉波先輩、この部活って主に何やってるんですか?」
「はぁ?あんたらそんなことも知らずに入部する気だったの?この部活では基本的にこの街の不思議な噂や出来事を調査するの。例えばこの街の年間行方不明者数知ってる?この街のオカルト目当ての観光客を中心に全国平均の倍以上と言われてるわ。家出とか認知症の高齢者の失踪を含めても明らかに異常だわ。これが俗に言う“神隠しの噂”ってやつ。こんな感じの噂について調査したり、後は生徒のオカルト関連の相談をたまに受けたりしてるわね」
「思ったより本格的なんすね」
「でも今年部員が入らなかったら廃部になっちゃうから、これに名前書いて」
凪が慧次と勇太郎に入部届を差し出す。
「ホントにあのゲーム機とか好きに使っていいんすか?」
「うん、暇な時に限るけどね」
「「書きました!」」
それぞれ名前を書いた入部届を凪に差し出す。
「やったー!新入部員が一気に二人も!ラッキー!」
こうして慧次と勇太郎は理想の溜り場を手に入れた。




