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2-15話ロック・スターとアイスクリームその1

 蒼介達がイタリア料理店「アルディーノ」を訪れた次の日、植木町の銀行は二人組の強盗による襲撃を受けていた。

「か、体が…!?体が動かない!な、何でぇ!!?」

「指一本たりとも動かせない…!これでは警察を、助けを呼べない!!」

「ほら、さっさとこのバッグに金詰めなよ。あんたはそこの奴等と違って体は動くようにしてんだからよぉ。まぁ、口はきけなくしてるがな。おい六華、出入り口は既に施錠ロックしてるが、ガラス叩き割って出られたら困るからな。ここに居る客全員外に出すんじゃねぇぞ!」

「……!!……!」

「わ、わわ分かったよアニ…あんちゃん!あああああッ!!」

あんちゃんの後に居る六華と呼ばれた少女が叫ぶと、周囲の温度が急激に下がっていき、足元が凍り付く。

「む、無理に動かないほうがいいですよ。足の裏ズル剥けになりたくないでしょ?あ、あああと、スマホ出したりとか怪しい動きをしたら手も凍らせますからね。全員、連帯責任で」

あんちゃんに持ってきたベンチコートを手渡す。

「さっさとしないと皆凍死しちまうぞ。早く金詰めな。そうすりゃ皆動けるようにしてやるし、喋れるようにしてやるからよ。記憶を封印ロックした後でな」

銀行員は眼の前の意味不明な力を使う二人組への恐怖と寒さで震えながらなんとかあんちゃんと呼ばれた男が出したバッグに現金を詰められるだけ詰め込んだ。

「よし、それじゃあ全員の記憶を封印ロックさせてもらう。『ロック・スター』!」

あんちゃんの手に何処からか大きめの鍵が出現し、それを慣れた手つきで全員の額めがけて投げナイフを投げる要領で投擲する。

「六華、行くぞ」

「ま、待ってよぉ〜」

二人組は施錠ロックされた入り口を解錠アンロックして堂々と出て行った。

二人が離れると周囲の温度は元に戻り、凍り付いた足元も元に戻った。そして動けなくされていた銀行員達も動けるようになり、喋れなくなっていた銀行員も声が出せるようになっていた。ただ、今までこの場所で何かが起きていた気がするのに何が起きていたのか誰一人として思い出せなかった。

「あ、アニ、あんちゃん、こんなに簡単に終わったけど、だ、大丈夫かなぁ…?」

「いちいち心配し過ぎなんだよお前は。監視カメラだって全部ロックしてたし、客を含めて全員あの場で起きたことは思い出せないようにしてあるんだぜ?それよりよぉ、これで松永に“ディスク”代は払い終わるし、これだけあればお釣りだって来るだろ?六華よぉ、なんか欲しいもんあるか?」

「あ、あんちゃんはあるの?」

「質問に質問で返してんじゃねぇ!!」

「ご、ごめんよ、でで、でも、そんないきなり言われてもわかんないよぉ〜」

「…それもそうか。よしよし、俺の方こそ悪かったな、この金を松永のとこ持ってってからゆっくり考えるか」









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