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2-13話レストランに行こうその1

 ある日曜日の早朝、植木町の外れにある古びた教会。そこでは日曜恒例の礼拝が行われている。蝋燭の灯りしか無い薄暗い教会には祭服の男松永と数人が集まっていた。

「…では、今日の礼拝はここまでにしよう」

松永は集まった一人ひとりに“ディスク”の束を手渡していく。

“ディスク”を受け取った者から教会を後にし、松永一人となった。

「ふぅ、さて、そろそろ朝食にしようかな。そう言えば、新しくイタリア料理店がオープンしたって聞いたな」

松永は一つひとつ蝋燭の灯りを消して奥の部屋に消えた。

 同日、蒼介達喫茶樹利亜のメンバーの姿はその件のイタリア料理店前にあった。

「この店はアタシの知り合いがやってる店なのよ」

「わ〜!結構高そうな店構えじゃない?それに人通りの少ないとこだし、こんなとこでお客さん集まんの?」

「樹利亜さんとは付き合い長いけど、料理人の知り合いが居るなんて知らなかったな」

「さ、入るわよ♡」

 店内に入ると、さほど広くなく、四人掛けのテーブル席が四席並んでおり、カウンター席は無いようだ。四席の内一席は既に先客が二人居て、料理に舌鼓を打っている。店内はセンスの良いオシャレなインテリアで統一されており、程よい音量で流れるゆったりとしたジャズミュージックも相まって心が落ち着く良い雰囲気だった。

「へぇ、中々良い雰囲気の店ですね」

「イラシャイマセ」

奥の厨房からこの店の店主と思しき男性が蒼介達を出迎えた。

「はぁい、久しぶりねアルド」

「オゥ!樹利亜サン、来てくれたデスネ!サンキューデス!サ、お席にドウゾ」

三人は空いている席に案内され席に着く。アルドと呼ばれた店主がすぐに水の入ったピッチャーとグラスを人数分持ってきて注いでくれる。

「申し遅れマシタ、ワタシの名前アルド・アルディーノ言いマス。イタリアはナポリの出身デス。育ったのはアメリカのカリフォルニア州デスケドネ」

「彼が料理修行に日本に来ていた時に知り合ったのよ」

「日本は美味しい食材沢山あるし、平和で皆親切ダカラ大好きデス!デモワタシ産まれたイタリアの料理も同じくらいリスペクトしてマス。ダカラ日本の美味しい食材を使った最高のイタリア料理の店を開く為に世界中を周って料理の修行してきたデス!」

「ここってアルドさん一人でやってんの?」

「イエス。ワタシがウェイターも兼ねてるので席も少なめにしているのデス」

「へぇ~」

「アルドさん、この店メニュー表無いんですか?見当たらないですけど」

「メニューなんてのはウチにはナイヨ。何故ならその日に手に入った新鮮な食材を使って料理を作るノデ、日によって作る料理が変わるのデス。本日の料理は新鮮なトマトが沢山手に入ったので朝採れトマトとモッツァレラチーズのカプレーゼとワタシの出身地ナポリの伝統料理の一つピッツァ・マリナーラ(漁師のピッツァ)、鶏もも肉と玉ねぎのカチャトーラ(トマト煮込み)デス!」

「ヤバ〜!なんか聞いたこと無い料理ばっかだけど聞いただけで美味しそう〜!」

「では、料理を始めますノデ。失礼シマス」

アルドは厨房へと引っ込んでいった。

 蒼介は料理を待つ間暇なので、なんとなく先客の二人組に目を向けてみた。

「あ、アニキ、こんなに美味しい料理を奢りってホントに良いの?やっぱり悪いよ」

「あ?あんちゃんって呼べって何時もいつも言ってんだろうがよボケが!!何度言えば分かんだ!?あぁ!!?…あ、どうも、すいません。大きな声出して。ほら、いいからデザート好きなの選べよ」

「じゃあ…バニラアイスで」

「よし、すいませ〜ん!」

「ハイ、少々お待ちを!」

「どの町にも居るよな、変な人って」














 











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