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2-10話ラッキー・ボーイその5

 時は戻って開店前の喫茶樹利亜。

「樹利亜さん、今日一日喫茶店の方お休み頂いても良いですか?早いとここいつをなんとかしたい」

「わかったわ。でも気を付けてね」

「はい。それじゃ」

蒼介は店を出て歩き出す。

「蒼介大丈夫かな?」

「ちゃん茉希、蒼ちゃんを追いなさい。今回の相手は蒼ちゃん一人じゃ手に余るわ。きっと蒼ちゃんだって頼みたくてもあれに取り憑かれてるせいで言えなかったのよ。運をコントロールされないちゃん茉希にしか今回の相手は倒せないかも知れないわ。店の方はアタシに任せて。ただし、くれぐれもあれに見つからないように尾行するのよ。見つかったらちゃん茉希だって危ないわ」

「わ、わかた!」

(ひえ〜、尾行なんてやったことないし!まぁでもなんとかなるっしょ)

茉希も蒼介を追って勢い良く店を出ていった。

「…ホントに大丈夫かしら…」

「オイ蒼介、オレノマスターヲタオスッテ、オメーハマスターガ何処ニイルノカスラワカッテネェンジャネェノ?ストレスデオカシクナッタカヨ?ヒヒヒ」

「…」

(何処にいるかなんて知らなくても問題ない。能力者に近づけばこいつは能力を強めてくる。こいつからしたらマスターに近づかれるのは防ぎたい事だからだ。ただ早くしないと本当にストレスでどうにかなりそうだが…。ん?誰かに尾けられている)

蒼介はカーブミラーで確認すると、後方に茉希がチラチラと見え隠れしている。

(流石樹利亜さん。言わなくても察してくれたか。確かに今回は茉希ちゃんの能力が一番向いてるかもな。尾行が絶望的に下手なことを除けばね)

「あ、そうだ!尾行のコツとかググってみよ!」

茉希は蒼介を見失わないように気を付けながら、素早くスマホで検索する。

「…え〜と、プロに相談する?全然役に立たねぇ!!それができないから困ってるんだっつーの!!」

(何をやってるんだ茉希ちゃん…)

「うっ!?」

突然蒼介の頭上にマンションのベランダから落下した植木鉢が直撃した。頭からは血が垂れてくる。

「ヤッタ!オレノマスターヲミツケダシテ直接タタクダト?バカガ!ンナコトサセルワケネェダロ!!オマエガマスターニタドリツクコトハケッシテナイゼ!!」

(『ラッキー・ボーイ』の運をコントロールする能力が戻ってきているということは、それだけ近づいてはいるんだな)

「なら、このまま突き進む!お前の能力をナビ代わりにさせてもらうぞ!」

頭からの出血も構わず歩き出す。

「イッテモワカンネェ馬鹿ニハ体ニ直接ワカラセテヤルゼ!!」

蒼介の背後からは急にハンドル操作が効かなくなった自動車が猛スピードで迫って来ていた。

「…蒼介!ヤバい!下手したら死んじゃう!…でもここであーしが手を出したらここまで尾行した意味無いし、能力者に辿り着く前に見つかったら倒せなくなっちゃうし…どうすりゃ良いのよマジで!?」

「モウコノ距離ナラヨケラレネェ、シネェ!蒼介!!」

「くっ、この…『パーフェクト・ブルー』!!」

茉希が迷っている間に蒼介は激突してくる自動車との間に『パーフェクト・ブルー』を出し、迎え撃つ。

「キヅクノオセーンダヨマヌケ!!コレデ終ワリダ!!」

「そ、蒼介ー!!」










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