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2-2話悪魔の子その2

 喫茶樹利亜、閉店後。カウンター席には女性が一人座っていた。その女性の名は、伊弉波凪。彼女は伊弉波大和の実の娘であり、蒼介の義姉である。その側には彼女の部下なのか、男性が一人控えている。

「はい、ブレンド」

「ありがと。…ここ最近のニュースになってる変死体の事件、あれは能力者の仕業と見て間違い無いわ。そしてもう一つ悪いニュース、真田」

「はい」

凪が指示を出すと真田と呼ばれた男性はジュラルミンケースをカウンターに置いて蒼介と樹利亜に開いて見せる。ケースの中には一枚のディスクが入っていた。

「…義姉さん、これは一体?」

「CDにしちゃあ、ちょっと大きいわねぇ」

「このディスクは挿入した者の能力を無理矢理引き出すことが出来る。おそらくこれも何者かの能力による産物よ」

「能力?これが?」

「これの何がヤバいって、これがここらで出回ってんのよ。麻薬みたいに裏で高値で取引きされてる。これも極秘裏に入手したものだけど、これ一枚で高級車買えるくらいするわよ」

「見る人が見れば安いと思うような値段だな」

「そう。誰彼かまわず売り捌くから、犯罪者紛いの半グレやら、それよりもっとヤバイ奴の手にも既に渡ってる可能性がある。このまま放置すれば、大変なことになるのは目に見えてるわ」

「もっと言えば、そのディスク欲しさに犯罪に手を染める人間も出てくるって事よね?世も末だわ」

「だからあたし等が動かなきゃなんないのよ」

 ここ喫茶樹利亜は表向きは地元で人気の喫茶店だが、もう一つの顔がある。それは、伊弉波グループの対能力犯罪機関だということ。蒼介もその組織に所属している。この店が植木町支部を兼ねており、マスターである樹利亜はその支部のボスに当たる。ちなみに喫茶店は樹利亜の趣味だ。この組織は伊弉波グループの慈善事業のようなもので、伊弉波グループの計り知れない財力によって成り立っている。この組織はまだ立ち上げたばかりで東京にしか展開していないが、都内の至る所に喫茶樹利亜のような支部がある。担当地域の人口等によって支部の職員の人数は様々だが、喫茶樹利亜にはマスターの樹利亜、蒼介に加えて、もう一人バイトが居る。今日は休みだが。

「…それで僕にこの事件を解決しろと?そういう事かい義姉さん?」

蒼介はこの仕事があまり好きではない。この仕事というより、誰かと争ったりすること自体があまり好きではないのだ。何故なら争うということは少なからずストレスを感じるし、また争いは争いしか産まないので下手するとループにハマってしまう。蒼介としてはただの喫茶店の従業員として食べていけないかなぁと思っている。伊弉波家の養子である以上無理かもしれないが。

「そういう事よ。あたしは他の地域も見てなきゃだし、育休終わったとはいえ家庭のこともあって大変なのよ。だいたい植木町はあんたの担当地域でしょ?あんたのワガママでこの町の担当にしてやってんだから、これくらいの仕事はしなさいよね」

「…分かったよ、やるよ。それじゃあ義姉さん、慧次さんと隼人君によろしく」

(まぁ、僕の愛するこの町の平穏を乱そうというのなら、相手がたとえ何者だろうと闘わなければならないか…どこか遠くで誰がどうなろうと僕の知ったことじゃないが、この町と、この町の人たちに危機が迫っているのなら、放ってはおけないな)

「蒼介の奴、相変わらずね」

「あれでも結構やる気になってるわよ?なんだかんだ蒼ちゃんはこの町の事大好きだから」

「まぁ心配はしてないわ。あいつは能力に関しては抜群だからね。…これも毛利の、あの悪魔のような殺人鬼の血筋ってやつなのかしら?本人には絶対言えないけど。コーヒーおかわり」













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