19話エンカウントその4
「フフフ…まさかこんな方法で『キラーズ』を攻略しようとするとは、思いもよらなかったな。そしてここまで追い詰められるとは、大した奴だよ君は。だが惜しかったな、『キラーズ』は戦闘機だけではないんだ」
「な、何を言って…」
「自分の足元をよく見てみろよ。既にわたしの攻撃は完了している」
「え?…な、なんだこの小さい奴等は!?」
黒田と毛利の足元を囲むように十から二十体程の小さな兵隊がアサルトライフルを構えていた。
「『キラーズ』には近距離用の歩兵部隊も居るんだよ。戦闘機と比べて破壊力とスピードは劣るが精密な射撃を得意としていてね。こいつ等はわたしが自由にコントロール出来るんだ」
兵隊達のアサルトライフルが一斉に火を吹き、黒田の両腕に全弾命中し、拘束が緩んだ。毛利は素早く抜け出して兵隊達が更に黒田に弾丸を浴びせる。
「ぐあああっ!!」
「ハハハ、これだけ攻撃を受ければ能力を使うどころか、まともに動くことさえ出来ないだろ?今度こそ終わりだよ」
「…これでいい、僕の狙いは最初から時間を稼ぐことだったんだ。そしてその時間も十分に稼げた。あんたのことはあらかた皆に伝えたからな、逃げられないのはあんたの方だ!あんたはこんな僕なんかにここまで追い詰められたんだ、自分が強いと思ってるようだがあんたの負けだ!!あの世であんたが来るのを楽しみに待っててやるぞ!!」
(短い間だったけど、オカルト同好会の皆とありのままの自分で居られる時間はこれまでのどんなことよりも幸せだった…この選択に後悔はない!)
「…この、クソガキがぁ!!!」
戦闘機がミサイルを発射し、黒田は跡形もなく消し飛んだ。
東高校旧校舎オカルト同好会部室。
「あ!『ブラック・ジェミニ』がドロドロに溶けてくぞ!」
「こんな消え方、尋常じゃねぇよ、これは…!」
「…この情報は黒田君のダイイングメッセージなんだわ。おそらくもう黒田君はこの世には居ない。犯人だって今頃どこかに移動しているかも知れない。それでも、向かわずには居られない!行くわよ、さんかく公園に!!」
「やっと正体を掴んだんだ、行かないわけねぇよなぁ!」
「よく分かりませんが、勇太郎君が行くと言うなら私も行きます」
「よし、行くぜ!!」




