4-6話 アカシックレコードその1
『アカシックレコード』によって旭が能力『ステイ・ゴールド』を引き出されてから数日後の夜、都内某所。反社会的組織天道会本部。
「カチコミじゃあ!!」
「何!?どこのどいつや!!」
「よぉ分からんコスプレした奴と女が一人だけです!」
「たった二人か!?天道会本部にそんな人数とはナメられたもんやな…。おい、今動ける奴かき集めろや!!」
「押忍!!」
「もう遅い!何故なら既に、ここに居る!!正義執行!!」
「ぅごぁっ!!?」
「ア、アニキ!!」
突如現れた金属製の鎧のようなコスチュームを全身に纏った男のフライングキックをまともに食らったヤクザは派手に吹き飛ぶ。
「何が天道会だ。口程にもないな!」
「こいつ、ふざけたナリで恐ろしく強え…!」
「ナメんなよ、このボケ…!」
「まだ立つか。だが何度立ち上がって来ようと無駄だ!食らえ正義の鉄槌!おおぉ…らぁ!!」
コスプレの男が駆け出すのと同時にその背中と足の裏から何やらエネルギーが噴き出し、更に加速する。そしてその勢いのまま立ち上がったヤクザに金属製のプロテクターで保護された文字通り鉄拳を叩き込む。
「ごはっ…!!」
「野郎ぉ!!くたばれコラァ!!」
目の前でアニキを叩きのめされた舎弟は拳銃でコスプレの男に滅茶苦茶に弾丸を撃ち込む。二人の距離は大きく離れていなかったこともあり、ほとんどがコスプレの男に命中したが、そのコスチュームによって全て弾かれていく。
「いって…コイツ!お前も正義の鉄拳を食らえ!!」
先程同様に背中からエネルギーを噴き出し、次々に飛んでくる弾丸を弾きながら高速で間合いを詰めていく。
「ざけんなこのバケモンが!!…た、弾ぎ、ぐはっ…!!」
「…執行完了」
「小西、油断するな。自分の能力を過信しすぎだ」
コスプレの男が入ってきた場所から彼と共に天道会本部に侵入した女性が歩いてきた。彼女もまた、極道相手に緊張や怯えた様子は一切ない。
「あ、京極さん!何やってたんです?こっちは片付きましたよ!」
「私は本来の目的、探し物をしていたんだ。…君の能力の性質上、過信するなと言うのは無理な話かも知れないな。すまない、忘れていいよ。さぁ、探し物の続きをしよう」
「こいつら本当に持ってるんですか?持ってるならもっと組員に能力を持ったやつが居てもいいと思うんですけど…」
「この天道会会長である島津将成は“先生”…『アカシックレコード』の能力者、松永天真の信者だった男だ。松永は自分の信者、その中でも一握りの限られた者に『アカシックレコード』を配っていた事は分かっているんだ」
「島津がその一握りの信者ってことですか?」
「そうだ。島津が松永の亡き後ヤクザの首領としてここまで上り詰た背景には『アカシックレコード』の力があるはず。この先島津を含む能力者との戦闘は避けられない」
「どんな能力者が来たって俺の能力『フルメタル・イデア』が蹴散らしてやりますよ!正義は必ず勝つんだ!」
「…あぁ、そうだね」




