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4-2話シャイニーガールその2

 響と別れて旭が帰宅し、自宅兼両親が営む喫茶店の店舗スペースとなっている一階から中に入ると、閉店時間間際の空いた店内のカウンターで黙々と洗い物をする父親の蒼介と、そんな蒼介とは対照的にカウンター席に座って蒼介が淹れたコーヒーを飲みながら無視されているのに気づいているのかいないのか、休むことなく一人で延々と彼に喋り続ける母親の茉希の姿があった。この光景は割といつもの事なので、旭はとくに気にならない。

「たーいまー」

「あ、旭おかえりー」

「おかえり。旭も飲むかい?」

「じゃあソーダレモネードで」

「今日の営業はこれで終わりにするから、ゆっくりしてなよ。渡したい物もあるし」

「渡したい物?パパがうちに?」

 何だろうと思い旭がソーダレモネードを飲みながら待っていると、洗い物を終えた蒼介は店を閉め、奥へと引っ込んで行き、クリアケースに入った少し大きなレコード盤のような物を持ってきた。

「何それ?」

「この円盤は『アカシックレコード』と言う。まぁお守りのような物だよ。旭の身に何か危険が及ぶ時、きっと助けになってくれる」

「何で今?」

「なんかあってからじゃ遅いっしょ?ほらあれ、ポルターガイストの噂とかいろいろ物騒なのあんじゃん?」

「それにしたって、そんなのお守りなんかじゃどうにも出来ないじゃん。貰っとくけどさ」

 旭はお守りならもっと小さなサイズが良かったと思いながら貰ったディスクを鞄にしまう。


「…で、それが貰ったお守り?とてもそうは見えねーけど」

 翌日の放課後、いつものファミレスで旭が蒼介から貰った物を響に見せると、想像通りの反応が返ってきた。

「うん。パパがそう言うからこれはお守り。『アカシックレコード』とか呼んでたけど、プレゼントなんて滅多にくれないパパがくれた物だから宝物なんだ」

「あっそう、よかったね。でもいいよね旭は。あんなイケメンで家族を大切にするパパがいてさ。あたしのクソオヤジなんて世界中飛び回ってもう何年も家に帰ってねーし、今どこにいるのかも分かんねーよ」

「うちのパパは絶対あげないから」

「分かってるしいらねーわ」

 ひとしきり喋ったところで会計を済ませて響と店を出ようと開いた出入り口の自動ドアを潜ろうとした時、先に出ようとした旭の身体めがけて尋常ではないスピードで自動ドアが閉まり、一瞬反応が遅れた旭の左脚を両側から挟み込んだ。

「んぐっ!?…いってぇ…!!なにこれ…!?」

「あ、旭!?」

“確かに聞いたよ。『アカシックレコード』、それを渡せ!”

「旭のスマホから声が!?」

「なんなんだよこれ…!」






 

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