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3−66話姉の流儀その2

「相手が人間じゃないなら加減は必要無いわけだな!『マッド・クイーン』!」

「ちっ…!」

明良の『マッド・クイーン』が放ったミサイルは全て桐生に吸い寄せられるように飛んでいき爆発。

「まさか街の平穏を脅かす者が街の平穏を護る警察官になりすましているとはな」

「藤堂清虎…あいつに出会ってからだ、全て上手くいっていたのに、あいつがこの街に来てから立て続けに正体を見破られたり上手くいかないことばかりだ!俺は静かに過ごしたいだけなのに!」

 桐生はミサイルが爆発した方とは別方向、明良の背後から攻撃をしかけるが、『マッド・クイーン』がそれを受け止める。

「自分の居場所を咄嗟に誤認させて『マッド・クイーン』のミサイルを躱したか。ふん、そうやって背後から不意打ち気味にしか攻撃を仕掛けられん軟弱だからすぐに追い詰められるのだ。少し前に聞いたんだが、能力者同士は磁石のように自然と引き合う運命にあるらしい。どれだけ巧みに隠れ逃げようともいずれ巡り合う。お前は最初から詰んでいるんだ」

「ぐあっ…!!?」

『マッド・クイーン』の鋭い矢のような貫手のラッシュが桐生に突き刺さる。

「…こ、こいつ、なんだ!?強すぎる…!」

「お前が弱過ぎるのだ。自分以外に守るもののない薄っぺらなお前にこの私が負けるはずがない。どうした、洗脳でもして切り抜けてみせろよ。他の人間達にそうしたように私を操るなりしてみせろ。…そうか、出来ないんだな?他人をコントロールするだけの力を使うには時間がかかるのか。終わらせろ『マッド・クイーン』」

明良の『マッド・クイーン』がドレススカートのようなハチの巣状の下半身を桐生に向けて狙いを定める。

「…はは、この街にこんな人間がいたとは。お前のその能力、死角のない完璧な恐ろしい能力だ。だが、完璧過ぎるが故にその能力を過信して最後の最後で油断したな!」

明良の頭上に影が出来、見上げると根元から折れた電柱が明良に倒れてきていた。

「なっ!!?避けられ、『マッド・クイーン』!!!」

明良が『マッド・クイーン』に指示するのと同時に電柱が『マッド・クイーン』ごと明良を圧し潰す。辺りに轟音が鳴り響き、激しい土煙が舞った。

「…俺は、この街で生き残る。何が相手だろうと必ず勝ってみせる…!」

 桐生は未だ土煙の晴れない現場に背を向けてアパートへの道を歩き出した。何かに追われるように急ぐことも無ければ、振り返ることも無い。









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