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3-51話愛と覚悟の無限回転その1

 明良が吉川美亜の襲撃を受けている頃、上杉は取り巻きの花音、アサミ、凛子と共に近所のコーヒーチェーン、テリーズコーヒーを訪れていた。コーヒーチェーンと言っても、扱っている商品はコーヒーだけではなく、コーヒーとは関係ないフラッペなども扱っているので、甘党の上杉もよくそれ目当てに訪れている。今回も各々好きなメニューを注文し、番号札を受け取ったら席を確保して商品の完成を待つ。今日は空いていて他の客は上杉達と同じ制服を着た男子生徒一人だけなのでゆったり過ごせそうだ。しばらくして自分の番号が呼び出された。

「俺が取りに行ってくるわ」

 上杉はレジ横の商品受け渡し口で注文した商品を受け取り席に戻ると、取り巻き三人の姿が無かった。トイレにでも行ったんだろうと思いしばらく待っていたが、三人共一向に戻って来る気配がない。

「あいつら、どうしたんだ…?」

 スマホでメッセージを送っても、一向に既読がつかない。流石に痺れを切らしてレジに居た店員に聞いてみた。

「お連れ様ですか?…いえ、店外に出たのは見てないですね。さっきお客様方の前に来店していたお客様なら少し前に出ていったのを見てますが。ほら、お客様と同じ東高校の制服の」

「まさか…いや、確かめるしかねーか」

 上杉は店を飛び出した。自分と同じ東高校の制服を着た男子生徒の居場所に心当たりは無かったが、もしかしたら取り巻きの三人に何かあったらと思うと居ても立ってもいられなかった。

「くそっ!花音、アサミ、凛子…何処行ったんだ!?」

 手がかりも何も無く探しても三人は見つかるはずも無く、ただ時間だけが過ぎて焦りが募っていく。それに比例して無意識に駆け足になり、曲がり角に差し掛かった時、その角の向こうからガシャポンのカプセルが上杉に向かって投げ込まれた。

「危ねぇっ!」

 上杉は咄嗟に能力『スピン・ジャイロ・スミス』を使ってそのカプセルに回転を加えることでその軌道を変えて躱した。カプセルは脇にあった自動販売機にぶつかると、一瞬にして自動販売機を吸い込み、そして何事も無かったかのように地面に転がった。

「な、なんだ!?自販機を一瞬で…!」

「う〜ん、惜しい!もう少しだったんだけどな。だがこれで君の能力も大体把握できたぞ。回転を操るとかそんなとこだろう?でも困ったな…そうなると俺の能力とは相性が悪い気がする」

 曲がり角からカプセルを投げた張本人が姿を現した。店に居た上杉と同じ東高校の制服を着たどこにでも居そうな男子生徒だ。そいつは呆気に取られている上杉を素通りして先程自動販売機を吸い込んだカプセルを拾い上げた。

「てめぇ、小早川…!」

「まさかこんな地味な俺の事を覚えていてくれたとは光栄だよ。随分と追ってくるのが遅かったなぁ?待ちくたびれたぞ上杉君」

 上杉の前に現れたのは東高校二年の小早川慎太郎。上杉とは一年の時に同じクラスだった。

「何故俺が急に襲って来たか知りたいって顔してるなぁ。それは君の取り巻きが姿を消した原因が俺だからだ。ほら、この三つのカプセルが君の取り巻き達だよ。名前書いてないから、誰をどのカプセルに入れたかは覚えてないけどね」

小早川はポケットから色違いのカプセルを三つ取り出し、上杉に見せた。そして更にもう一つカプセルを取り出す。

「あぁそれと、三人の前に生徒会の一年も一人既にこのカプセルの中に封印してある。名前は知らないけど、気の弱そうな奴だったな。俺がカプセルをわざと落としたら何も疑いもせず親切に拾ってくれたよ」

「お前、俺様の女に手出すとは、死ぬ覚悟は出来てんだろうな…!返せ、三人を!!」








 



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