3−49話フォーリン・ダウンその4
「このカラス達、一体どういう…?重力…いや違う。それなら俺達にも影響があるはずだ」
「ここでうだうだ考えても仕方が無いだろう。紅愛、探せるか?」
「らじゃ。…あ」
紅愛は眼帯を取り能力『真紅魔眼』を開放。そしてすぐに何かに気付いたようだ。
「どうかしたか?」
「スマホ出して」
紅愛に言われ明良がスマホを出すと、そこには西女子高等学校の制服を着た女子生徒が映し出された。
「…?」
「吉川、吉川美亜か!おい、こいつが敵能力者だって言うのか!?」
「知らない。けど近くに今他に人は居ないよ。向こうはこっちに気付いている」
「…誰なんだこいつは?知り合いか?」
「誰って、小中一緒だった吉川美亜だよ!よくお前と張り合ってたろ。忘れたのか?」
「忘れたも何も、最初からそんな奴知らん」
「認知すら!?」
「すげぇや」
明良達の目の前のコンクリートの階段を西女子高等学校の制服の女子生徒、吉川美亜が降りてきた。
「吉良明良、あたしは今日こそあんたをこ…」
「『マッド・クイーン』!!」
「ええぇーっ!!なんか喋ってたけど!?」
美亜が何かを言いかけていたが、明良はそこに迷いなく異形のハチ『マッド・クイーン』のハチ型ミサイルを撃ち込んだ。
「えっ!?ちょ、嘘、『フォーリン・ダウン』!」
美亜が喚び出した堕天使がミサイルに向かって手をかざすと、ミサイルは美亜に着弾する手前で落下し爆発した。
「!?」
「ぅいっ…!!」
ミサイルの直撃こそ避けられたが爆発によって飛ばされたコンクリートの破片が礫となって美亜を襲う。しかし、驚きを隠せないのはいきなりミサイル攻撃を受けた方の美亜ではなくダメージを与えた方の明良だった。
「ミサイルが逸れた!?…馬鹿な、近距離形態で攻撃を外すのはあり得ない…!」
「…まさかこれ程の破壊力があるとはねぇ、…ふっ、ふふふ…でもだからこそ超える価値があるというもの。そして大体の攻撃範囲がわかった今、次からは絶対にあたしにダメージを与えることは出来ないわ!」
「言ってろ。お前に次など…無い!」
明良が『マッド・クイーン』と共にコンクリートの階段を駆け上がり接近し、『マッド・クイーン』が美亜に鋭い貫手突きを放った。
「気持ちの切り替えの速さがアスリート並だ!」
「…完璧とはただミスしないということではなく、気持ちを切り替えてミスをすぐにリカバリー出来ること…。明良はそれをいとも簡単にやってのける。すげぇぜ」
紅愛は自分の事のようにドヤ顔である。
「その速さが異次元すぎんだよ!精神力バグってんの!?」
「ミサイルが届かないと知って接近戦に持ち込もうと無駄よ!『フォーリン・ダウン』!!」
再び現れた堕天使『フォーリン・ダウン』が『マッド・クイーン』の貫手突きをパリィ、それに構わず『マッド・クイーン』は貫手突きのラッシュを繰り出すが、それが美亜に届くことは無かった。
「っ!?」
何故なら明良は急に体勢を崩し、駆け上がってきた階段から転がり落ちていたからだ。
「あ、明良!?『ストリングス』!」
雄輔の手の指先から伸びた糸で落下する明良を受け止めようと絡め取るが、その糸は解けて明良は更に勢いを増して落下する。
「えっ、何で!?」
「うぐっ…!」
「我が『フォーリン・ダウン』に死角なし!だから言ったでしょ?絶対にあたしにダメージを与えることはは出来ないってね」




