3−48話フォーリン・ダウンその3
「…って事がこの間ありまして…」
翌日、放課後の生徒会室にて隼人と恵一は明良と伊達紅愛、松平雄輔、上杉凌馬とその取り巻き達にここまでの事を話した。近々開催される東高校の文化祭に向けての作業をしながら話を聞いていた明良は心底面倒くさそうに溜息を一つ。
「…この忙しい時期に、お前らは本当によく面倒事に巻き込まれるな。生徒会に誘った事を今は心から後悔しているよ。…今日の作業はここまでにしよう」
「あ、おい、明良!」
明良はさっさと片付けて一人生徒会室を後にした。それを追いかけるように雄輔と紅愛も出ていった。
「俺達には関係のない話だな。そもそも俺はその清虎ってやつ知らねーし。会長が帰ったんならもう良いよな?おい、帰ろうぜ」
「は〜い」
「凌ちゃん、帰りにテリーズ寄って行こうよ〜!」
「期間限定メニュー今日までだって〜」
「そうだな、寄って帰るか」
上杉が取り巻きを連れて出ていくのとすれ違いでアリスが顔を出した。
「お兄様、お迎えにあがりましたわ!」
「恵一、俺達も帰るか」
「僕は戸締まりして帰るから隼人君先帰っててよ」
「そっか、じゃあな」
「また明日〜。…よしっと。ん?」
恵一は戸締まりを済ませてさて帰ろうかとした時、丁度恵一の前を通り過ぎた男子生徒のポケットからガシャポンのカプセルが転がり落ちて恵一の足下まで転がってきた。
「あ、落としましたよ…えっ!!?」
恵一がそのカプセルを拾って渡そうとした時、突然ひとりでにカプセルが開き、一瞬にして恵一はその中へと吸い込まれていった。
「フフフ…まず一人。チョロいもんさ」
男子生徒はそれを拾ってポケットに突っ込むと、来た道を引き返していった。
「…」
一足先に帰った明良は寄り道せず真っ直ぐに家へと向かい、家まですぐそこと言う所まで来ていた。目の前にあるコンクリートの階段を登るとすぐ家は見えてくる。
「明良、おい待てって!」
呼び止められて振り返ると、明良を追いかけて来た雄輔と紅愛が追いついたところだった。二人の家も明良の家からそう遠くない場所にあるので、帰り道は大体一緒なのだ。
「まさか、あんな馬鹿げた話を真に受けているのか?生憎私はそんなのに付き合っている暇はないんでね」
明良が二人と共に階段を登り始めた時、突然黒い何かが上空から降ってきた。それは真っ黒な身体に翼を持った鳥、カラスだった。
「な、何だ!?カラスだ!カラスが落下の衝撃で死んでいる!翼に怪我をしているとかそういうわけでもないのに、何故落下してくるんだ!?」
そのカラスとは別の個体やスズメなどの小鳥、更にはその場で飛んでいたトンボまで次々に落下してくる。中にはまだ辛うじて生きているものも居るが、長くは保たないだろう。
「…異常」
「私達は無関係な筈なのに…あんな話を聞いたそばから来るとはな…。それもこんなに家の近くで、弟を巻き込むかもしれない、藤堂清虎とか言う奴はどうでもいいが弟だけは何があっても守らなければ…!」




