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22 共和国断罪人の一笑

「まったく終わりが見えないわね」

「西方は崩壊寸前らしいぞ」

「中央は相変わらずか」

「皇国に連携を期待するほうがどうかしてるよ」

「確かに」


 ゲラゲラと重なる笑い声。

 皇国北部戦線における東方に配置された共和国――特に断罪人たちの士気はどこまでも低い。


「しっかし魔族ってのはいいねえ。減っても減ってもその辺から生えてくるんだから」

「生えてくるってっ、そりゃいくらなんでもないと思うけど?」

「いやいや、埋めたら案外生えてくるかもしれないよ?」

「それあるかも」


 ケラケラとまたしても重なる笑い声。

 その軽快さたるや、まるで友人とショッピングでも楽しむ女学生のようだ。


「そういえば西方の前線に帝国の審問官が置き去りにされたって話聞いた?」

「前線に置き去りって、帝国のエリート様にも意外とどんくさいのがいるのねえ?」

「笑える」


 まばらに零される笑い声。

 それは他人同士で交わされる世間話ならではの作られた愛想笑いに酷似していた。


「しりとりでもする?」

「にらめっこなら笑えるかも」


 乾いた笑い声はどこかわざとらしい。

 まるで自虐に失敗したコメディアンのようだった。


「いい天気……」


 口元に薄っすらと浮かぶどこか蔑むような笑みは、それまでの会話が当たり障りのないものであったことの証明だろう。

 正面で見下した青空は曇天を嘲笑うかのように寄せ付けない、そんな仮初の明るさを保持し続けていた。

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