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コノイッシュンニカケロ  作者: 夜野 ひいら
6/6

陸上部復活!?

〜陸上部復活!?〜


信じられない、その言葉が達也の頭の中をずっとぐるぐる回っている。聞き間違えか、いやもう一度。

「もう1回言ってもらっていいですか?」

制服の首元を見ると2年生の校章が着いている。驚きを隠せないのは達也だけではない。

 「タツ!!やったな!!さらに部員が増えたぞ!!」

 「香奈は譲らないけどな」

 「誰も狙ってねーよ!」

 「あ、俺、みたち、御館裕也」

 2年の先輩の名前は御館裕也、優しげな雰囲気に優しげな表情、先輩で人数が増えるのは心強い!だが少し達也は疑問に思うことがあった。

 「御館さん、なんで陸上部に入ってなかったんですか、去年は陸上部あったはずなのに、、、?」

 困ったような、言い出しづらそうに、頭をかきながら。

 「あー、先輩方めっっちゃ怖くってさ、部活見学の時グランドで先輩の怒鳴り声がすげー聞こえてさ、、入る勇気なくしちゃったんだよね。」

 グランドで怒鳴り声が聞こえる陸上部、確かにあまり聞かない、しかも顧問ではなく先輩の怒鳴り声だと言う。

 「なぜかわかんないけど1個上の先輩は陸部にいないし、多分怖いからかなぁ、、、」

 「御館さん、話変わるんですけど、猪崎さんって覚えてますか?」

 猪崎と聞くと御館はやたら焦りと汗をかき始めた。

 「いのさきさん、、、が1番怖かったんだよ」

 、、、

 「へーー、あのメッッチャ足の速い猪崎さんが?めっちゃ興味あるな、たしかに人相悪そうだったなぁ」

 唐突にユーマの一言が入った。

 「あ、ミタチさん!俺木坂ユーマっす!呼びやすいように呼んでください!ちなみに俺は部員になる予定ないっす!」

 「自分新垣大地です!自分も陸部に入ります!よろしくお願いします!」

 「先輩の前だとめっちゃ礼儀正しいんだね、さっきまでとは大違い」

 「いいツッコミだタツ、もっと言ってやれ」

 「もうやめろよ、、、」

 キーンコーンカーンコーン

 昼休みの終わりを告げるチャイムがなる

 「御館さん!放課後1-Aに来てください!大地も!」

 「おっけ〜」 「はいよー」


 5.6限目の間の休み時間に昼休みに会ったことを山﨑とハルに話した。

 「ええーーー!!大地に、あとセンパイ!!想像以上に展開が早いよ!」

 「まぁ陸上ができるなら、、、」

 「佐藤くんも素直に喜びなよ!」

 佐藤は表情に出ないだけで相当喜んでをいると見れる。それだけ陸上に対する想いは熱いのだ。

 「それで放課後この教室に来てもらうんだ!一回自己紹介してそのあと顧問探し!」

 「いーじゃん!そうしよ!私も一回顔合わせたいし!」

 「えーもう人数そろったの?早いね〜!あと一息じゃん!」

 もう1人の佐藤だ。

 「同じ佐藤なんですから僕より目立たないでもらえますか」

 「ほんとに意味わかんないよ春くん、調子狂うからやめて、影薄いのは本当なんだしもうちょっとオシャレしなよ」

 「影薄いとは失礼な!!ほんとに許しませんよ!!僕は怒ると怖いですよ!!」

 「私のみっちゃんに手だしたら、、わかってるよね??」

 「ひぃ、!」

 同じ佐藤という苗字という理由でハルから少しだけ目の敵にされている佐藤が来た。

 「たっちゃん、この2人のやりとりほんっとに面白いの、授業中とか笑っちゃう」

 ムムムム、、、2人の佐藤の間に火花が見えた。


 その頃1-Cにて、

 「まさか木坂と五十嵐が幼馴染とはなぁ、俺も驚いた、、、高校入って早速喧嘩になるところだったし」

 「まぁタツとはずーーーーっと仲良いからな!困った時は助け合って、、、来たしな」

 この時ユーマの頭の中には勉強をずーーーーっと達也に教えてもらってた記憶しかなかった。

 「なんだよ今の間は、ってゆうか木坂ってモテるのな、クラスの女子から木坂のこと教えろって言われるんだけど、」

 ユーマはバカにするのが好きなのか、そもそもそういう性格なのか、、

 「モテる男は片想いなんてしないのさ、、」

 「おまえそのうち気持ち悪がられるぞ」

 


 「ーーーー」

 一番端の1番後ろの席の、いやその席の周りだけやたら静かな席がある、、その原因を作った男がユーマと新垣の会話を聞いていた。


 放課後の1-A

入部希望、それ以外のユーマも含めて全員集まった。山崎が指揮を取る。

 「1.2.3.4.5.6?ユーマくんは違うよね?」

 「陸部誕生の瞬間に立ち合いに来たんだよ!」

 「そっか、じゃあ自己紹介始めよっか!センパイから!終わったら指名してください」

 御館から自己紹介が始まる。

 「2年、御館裕也です!陸部を再設するって聞いて1年生ありがとう!!!って思いました!種目は短距離、100、200です!よろしくお願いします!あ、じゃあ次は新垣くん」

 新垣大地の自己紹介が始まる

 「1年新垣大地です!大地って呼んでください!陸上初心者なのでわからないことだらけですが、とにかく頑張りますのでよろしくお願いします!」

 「大地、種目は?」

 (香奈から質問!?)


 気分が上がる。嬉しそうに

 「んーー?種目って何があるんだっけ、決まってません!次五十嵐!」

 五十嵐達也の自己紹介が始まる

 「1年五十嵐達也です。中学から陸上やってました。種目は100、200です。まさか一声復活させるなんてこぼしたらいつの間に人数集まってますみたいな状態になって驚いてます。よろしくお願いします!次ハル!」

 佐藤春の自己紹介が始まる

 「ぼ、ぼくは1年佐藤春です。幅やってました。次山崎さん」

 「佐藤くん早すぎ短すぎ!」

 「いいじゃないですか!」

 「しょうがないなぁ、私は1年山崎香奈、元々バレー部です!種目は部活が始まってから見つけようと思ってます!元気が取り柄なので気さくに話しかけてください!よろしくお願いします!」

 「フンフンフン♪」

 鼻歌を歌いながら自分の順番を待つユーマ

 「はい!これで自己紹介終わり〜!」

 山崎が自己紹介の終わりを告げる。

 「は、俺は?木坂ユーマは!?」

 「あんた陸上部じゃないでしょ、」

 「はぁ〜!いーじゃんちっとぐらい」

 「この人は木坂ユーマ、1年、俺と幼馴染いいやつだから仲良くしてあげてください」

 「な、それだけかよタツ〜」

 残念そうに悲しそうな。そこに山崎が切り出した。

 「じゃ!顧問探し!まずは谷先生当たろっか!」

 ユーマ含め集まった6人で職員室へむかう。

 「いやぁ〜集まるもんだね〜、ほんとによかったぁ〜〜」

 「山崎、、」

 「ん?」

 (もーーまた苗字、、)

 「まだ安心はできないからね。」

 「タツよ〜下向きになっちゃ進まねぇぜ」

 「そーだそーだ!だからたっちゃんはいつも雰囲気湿ってんのよ!」

 「なんだよそれ、、、」

 

 「職員室ついたぞ、入ろっか」

 「なーに大地が指揮とってんだよ」

 「誰もとらねーからだろ」

 下らないやり取りに終止符が。大地が扉をノックする。

 「失礼します。谷先生いますか?」

 

 ーーーーー


 「谷先生いま野球部の方に向かったらしい、今年から野球部の顧問になったみたい」

 どうしてもマイナス思考になってしまう達也の声のトーンがどんどん下がってゆく。

 「え、そしたら谷先生野球部の顧問なの?」

 「そうみたい、そしたら手分けして違う先生当たってみよっか」

 「タツ、わりぃけどそろそろ帰るわ」

 「ユーマ!」

 「ん?」

 「さんきゅ」

 仲良しの挨拶に少しだけ嫉妬してまう。

 「へー幼馴染置いて帰っちゃうんだぁ〜、陸部誕生の瞬間に立ち会うとか言ってたくせに。」

 女子の冷たい声がユーマには少しだけ響いた。

 「うるせー」

 そして顧問探しが本格的に始まる。廊下を歩いている先生、特別教室で次の日の準備をする先生、教頭先生、校長先生、大体の先生に当たってみた。しかしほとんど顧問として所属している。


 昇降口にて

 「たっちゃん、、こんなに手応えないとか思ってなかったよ」

 「さすがの山崎もお手上げだね、、」

 「僕もダメです」

 「校長も教頭もダメだったんだよ〜」

 山崎に対して全員目が丸くなる。

 「え!!校長先生にも掛け合ったんですか?」

 驚きを隠せないのは春だけじゃない、入学したての一年生にしては度胸がある。

 「なーにみんなして驚いてんのよ。ふつーでしょ」

 (さすが俺の惚れた女だ)

 「ジロジロ見ないでよ大地」

 「新垣くんセクハラですよ」

 「度胸ある山崎に頼みたいことがあるんだけど、、」

 (え、たっちゃんからおねがい!!??)

 期待が膨らむ。

 「え、なになに!なんでもお願いして!」

 「去年陸上部の顧問やってた人聞いて欲しいんだ」

 「あ〜それならさっき聞いちゃった!」

 「仕事が早いですね」

 「谷先生!!てかミタチセンパイ知ってたんじゃないんですか?」

 「いや、初耳だよ、」

 御館は谷先生がグランドで指導してるのを見たことも聞いたこともなかった。

 「だって俺帰宅部だったし。」

  今度は達也のみが目を丸くした、、小声で呟く。

 「あの猪崎さんを教えてた先生が谷先生だったなんて、、」

 「山崎!!ありがと!!顧問は谷先生一択!!もう決定!野球部終わるまでグランドで待ってよ!!」

 「えーでも野球部の顧問じゃ希望薄くね〜」

 「絶対顧問になってもらうんだ!!絶対!」

 この硬い決意、希望は全て昨年のインターハイから始まっていたのかもしれない。猪崎と練習する希望は無くなったが猪崎の顧問に教えてもらう希望は少し残っていた。その希望だけは捨てられない。いや捨ててはいけない。そして日が暗くなってきたころ。

 「お、みんなそろってどしうした??」

 来た、背が高くイケメンで間違いなく学校で1番モテモテな先生、、谷先生だ。谷先生を目の前に目を輝かせ、希望に満ち溢れ達也が言う。

 「谷先生!!」

 「ん?」

 「陸上部人数集まりました!」

 「それで?」

 思い切って、清々しく、恋人に告白するかのように。

 「陸上部の顧問になってください!!」


 

 

 

 

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