学校生活4日目
〜学校生活4日目〜
すでに気だるそうに登校する生徒たちも増えてきた朝、1-A教室にて女子たちの楽しく話す声が聞こえる。その中心にいるのは山﨑香奈だ。達也は騒がしいな、もうちょい静かにできないのか、と頭の中で考えながら席に着く
「えーーうっそーーもう彼氏できたの??はっやーーい!だれだれ?先輩?」
これは山崎の声だ、実は達也にとって山崎香奈の様なうるさい女子はあまり好まない性格だ。
「あんまり大きい声で言わないでよ、恥ずいじゃん」
うるさすぎて耳障りになってきた頃合いに。
「あ、たっちゃん!!おはよー!!!ねー聞いてよ!佐藤君が!」
「やめてって、、ん?君?」
佐藤といえばこのクラスには佐藤が2人いる1人は今話している女の子だ。もう1人は昨日の佐藤春だ。そしてその佐藤春がいま席に着こうと佐藤さんの隣の席に座った。
「んん〜〜〜」
山崎の佐藤春に対する目が燃え盛っている。達也に対する目とは全く違う。心にしまうか口に出すかでこんなにも違う。
「あ、あの昨日はごめんなさい!!!」
「もう思わない言わないって約束して!!」
「あ、は」
佐藤春が返事する間もなく
「約束して!!!」
山崎は想像以上に怒っていたようだ。
「はイい!!!!」
「その辺にしとこうよ、ハルも反省してるみたいだし、、」
そして山崎が焦るように
「は、ハルぅっ!!?」
「ん?どうしたの?」
驚く山崎に疑問を投げた。
「いや、なんでもないの」
(もー!!私には苗字でしか呼んでくれないのに!!)
「そう言えば春はサッカー部にはい、」
「その件なんですけど!!」
大きい声で目を閉じながら話す、達也と山崎は驚く
「僕!陸上部はいります!!復活させます!!」
驚いた、昨日最終的にだれも誘えなかったが今1人人員補充できた。嬉しさのあまりに達也は春の肩を掴み頭を下げて
「本当か!ハル!!ありがとう!!よっしゃあ!!!」
「たっちゃんまだ喜ぶのは早いよ、あと1人集めないと!」
この一言に1人疑問が出る
「え、部員って僕と五十嵐くんと、誰?」
そう、春は知らなかったのだ、昨日春の頭に思い抱きしゲンコツをした背の高いスタイルの良い女性。春からしたらただの暴力女だ
「え、えーーーーー!!!!」
甲高い声が響いた
「私がたっちゃんの次の部員だから!!2人目だから!べーーーー」
春は想像にもしてなかった、人数が少ない中の1人に山崎香奈がいることに。
「これからよろしくね⭐︎」
このよろしくに春は少しだけ恐怖を覚えた。
キーンコーンカーンコーン
お昼休み、1-Aの教室で達也はゆっくりご飯を食べていた。(あと1人あつまるかなぁ、声かけまくってことごとく断られるけど、、不良っぽい人達怖かったなぁ)
昨日から達也は誰彼構わず声をかけている。運動しなさそうな人も、全く部活に興味なさそうな人にも、大体断られる理由は「走ってばっかで何が楽しいの?」「え、普通に走るのつらそう」「走ってばっかで飽きそう」「あぁーーん?喧嘩売ってんのか??」達也は頭をだいぶ悩ませている。
突然凄い勢いで教室のドアが開く。
「おい!!五十嵐ってやつぁいるか!!!」
なんとも喧嘩口調、坊主で背もさほど大きくない、
「ちっとこい」
イライラした様子で達也を引っ張り出す
「いまご飯食べてたんだけど!話なら食べてからでいいじゃん」
「黙れ!」
強引に肩を掴まれ廊下に引っ張り出される、、
「おい、お前、俺の親友に何してんだよ」
坊主の少年を誰かが止めた、、
(親友?え?まさか、、)
坊主と反対で髪の毛も綺麗にセットしてきているユーマだった。達也とご飯を食べようとたまたま廊下を歩いていた。
「んだよ、木坂じゃますんなよ!」
「親友を乱暴な扱いしやがって、同クラでもボコすぞ」
「てめーの親友がなんだか知らねーけどよ、こいつぁ俺の女とイチャイチャしやがってんだよ」
女とイチャイチャしてると言われてもピンとこない
「え、?誰のこと?」
「昨日楽しそうに手繋いで走ってっただろ!」
(タツがか??まぁどっちにしろタツに手出すやつは俺が許さねぇ)
手を繋いだと言えば、、いや手を繋いだ訳でわなく手首を強引に引っ張られたが正しい。坊主の少年の怒りがやまない。
「言われなきゃわかんねぇか??香奈ちゃんだよ!」
ここまで怒って、強引に連れてきて、理由が女でましてやちゃん付けだ。このせいで達也とユーマは軽く笑いかけた、それが原因でさらに激昂する。
「てんめぇ〜何笑ってんだよ!!一回やられなきゃわかんねぇか!」
ユーマが達也の前に立ち臨戦態勢になる。
「何やってんの大地!!」
怒鳴り声が聞こえた、山崎だ。声を聞き何か危険を察したのか坊主の少年もとい新垣大地は憤りが一瞬で引いていった。
「バカなんじゃないの!何が原因でこうなったは知らないけどあんた手出したら野球部に迷惑かけるでしょ!!まだ正式入部はしてないけど噂なんかはすぐに広がるんだから!」
新垣大地は山崎香奈にこっぴどく怒られた。喧嘩になりかけた理由は山崎に言えるわけもない、だって理由は新垣大地が幼馴染である山崎香奈に対して小さい頃からずっと片想いであるのだから、、
この後新垣が2人に対して謝るのは言うまでもない、、。この後3人中庭で食事をする。
「この学校の陸部を復活させる話をしたら山崎がすごい興味持ってさ」
「あーそれであぁなったのか、ごめんな俺のはやとちりで」
「大地よ〜そんなすぐに怒んなよ〜〜〜〜女で。」
「最後の女いらねーーよ!!」
「お・ん・な・で」
とにかくユーマは新垣を茶化す。ユーマなりの愛情表現だ。
「2回言うな!」
「んま、自分の女って言うなら付き合ってからにしろよ☆」
「ちなみにだがタツはまだ彼女できたことないぜ⭐︎」
達也も同調し、
『うるさい!』
すっかり3人仲直りして
「・・・なぁ五十嵐、おれも陸部復活手伝うよ」
「は?」「え?」
達也とユーマは声を揃えた。思わぬ展開が訪れたからだ、、、、、。それもそうだ、さっきまで喧嘩しそうになってた相手がいきなり味方になる、こんなアニメみたいな展開リアルにはそうそうない。
「どうして?野球部は?」
やはりそこだ、どうしても気になる、達也としては陸部に来てくれるのは大歓迎だし、こんなに嬉しいことはない。特に野球部なんかは春休みから体験入部してるのがほとんどだ、、、入学してから転部なんてメリットがない、、
「俺野球始めた理由って香奈ちゃんが小学生の頃野球やってる人好きって言ったからなんだ、、」
恋愛上手、半分遊び人のユーマが
「めっっちゃ前からカナちゃん好きじゃん!!」
「うるさい!」
…………
「あんな楽しそうな顔してる佳奈ちゃんみちゃうとさ、、、」
新垣は廊下を駆け抜けていく山崎と達也を思い出す。
「ーーーで、今の話聞いて決めた!」
「軽っ!!、、でもお前みたいな軽いやつ嫌いじゃないぜ!」
「軽い言うな!」
「新垣くんが入ってくれると、えっと1.2.3.4...、、揃った!4人揃った!!」
こうして部活動として成り立つ人数が揃った。
「あとは顧問の先生を引き抜かなきゃ!!」
これで陸部復活まであと一歩だ!
「……あのー五十嵐くんってここにいる〜??」
「はい!俺です!」
少し驚いた達也が上がり声で返事した、、
訪ねてきたのは五十嵐達也と同じぐらいの背丈、体型をしたスポーツ刈りの人だった。
「部員、集めてるんでしょ?俺も陸部に入る」
……