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コノイッシュンニカケロ  作者: 夜野 ひいら
4/6

入学3日目

 〜入学3日目〜

 「オリエンテーションでも行ったと思うけど今日から3日間部活動の見学期間だから放課後は自由にみて回っていいからな〜」

 「もう俺は野球部に入るって決めてるけど五十嵐はどうするの?」

 達也の後ろから不意に声をかけられた。加藤だ。

 これから勧誘活動が始まる。もちろん達也はユーマと話した通り陸上部を復活させる一択だ。

 「加藤か、、俺は陸部を復活させようと思うんだ」

 「お、さすがだな!たしか、、4人以上で正式に部活動ってなるんだっけなぁ」

 「それ以下だと?」

 「同好会!!」

 「なになに〜面白そうな話してるじゃん!」

 盗み聞きしてたかの如く唐突に山崎が話に入ってきた。いや、聞いていた。

 「えっ!陸上部復活させるの!!??そんなことできるの!!??」

 「今日先生に復活できるか相談してみようと思うんだ。」

 「たっちゃん!!絶対復活ね!絶対!」

 「絶対って、え、?たっちゃん?」

 「いきなりあだ名でよばれて照れちゃったのかなぁ〜、たっっちゃん!」

 いきなり距離を縮めてきた山崎に緊張し照れてしまう。そんなこんなで、、今日1日の授業が終わった。

 「たっちゃん!いこ!」

 達也が職員室に向かっている最中だった。

 「どこに?」

 「どこにって?先生のとこだよ?復活させるんでしょ?」

 「は?山﨑は?部活見てかないの?」

 山崎は達也の質問に答えずに話した

 「私はね、今まで勉強も部活も何に関しても目立たずふつーーに普通の人みたいに普通の生活をしてきたの、だから高校入ったら何か全力で頑張ろうって思って、頑張るだけじゃなくて頑張って結果をちゃんと出して両親と友達に自慢してやろーーっ!って」

 誇らしげに話す山崎に

 「とっても良い目標?だと思うけどそれと陸部の復活に何か関係あるの?」

 「んんーーーわかんないかなぁ、たっちゃんが廃部した部活を復活させようとしてて、その時点で変わったことをしようとしてるし、何しろたっちゃんが陸上部を復活させるって話してた時、たっちゃんの目が私には輝いて見えたの!私も高校からになっちゃうけど、、たっちゃんと陸上競技やりたくなっちゃった!」

 照れを隠せないまま歩いていると職員室についた。谷先生の元へ向かう。

 「ここが職員室かぁ、一年の教室から結構遠かったなぁ。」

 校舎が2棟あり一年生の教室は反対棟の三階だ。棟間がそれなりに広く移動授業も大変そうだ。

 「失礼します、谷先生は、、、」

 達也が背伸びして職員室を見渡す。

 「あ、いた!」

 山崎が高身長、イケメンな担任を見つけた。達也が相談しに入る。

 「先生、陸上部を作りたいんですけど、、」

 「あーこないだの件ね、とりあえず陸上部の復活は見れる顧問の先生空いてないし今のところは厳しいかなぁ」

 陸上部が廃部になってから新年度を迎えたため、顧問が異動又は別の部活の担当になるのはよくある話だ。

 「先生はこう言う活動してくれるのは嬉しいけど、2人じゃ顧問を引き抜こうにも引き抜けないよね、、。あと苗字教えたんだから谷先生って呼んでくれると先生的に嬉しいかなぁ??」

 「んーーそっかぁ、、じゃたっちゃん!人数集めしてみよ!とりあえず4人ぐらい集まればもしかしたら引き抜けるかも知れないでしょ?」

 「わかった、、、陸部一緒に作ってくれる人いるかなぁ」

 「えぇ〜無視ぃ〜」

 弱気な達也を引き連れ。

 「ほら!下を向いててもしょうがないでしょ!前向く上向く!探すよ!」

 驚くぐらいに山崎はやる気満々だ。廊下を歩いてると丸刈りの少年が、

 「おーい五十嵐〜どうだった??」

 職員室での出来事を説明すると。

 「そっかぁ、人数集めか、、」

 加藤が少し頭を悩ませ何かを思い出した。

 「アイスブレイクの時に五十嵐と同じように緊張してたやつが中学の頃陸上やってたって言ってた気がするなぁ?佐藤?春?だっけ?」

 それを聞いた山崎が五十嵐の手首を掴み

 「よし!1人目決定!佐藤くんのところまで全力疾走だよ!」

 山﨑が全力で走り出す。その勢いにのれず転びそうになりながら五十嵐も走り出した。

 「さっき昇降口にいだぞ〜」

 校舎の中で加藤が野球部ばりの大きな声で叫んだ。

 「何でかい声出してんだよ。びっくりしたじゃんか。」

 「お、新垣か」

 同じく野球部に入ろうとしている新垣大地が走り去る2人を見ていた。

 「…………」

 


 「佐藤くーーん!」 

 大きい声で山崎が佐藤を呼ぶ。昇降口にはいないようだ。

 「顔も知らないのに見つかるの?」

 「人の反応見ればまあ〜わかるでしょ!!」

 しかし山崎の言う反応がない

 「外でよ!!」

 手を引っ張られ強引に連れ出される。

 (手が痛いよ、、、やっぱりもう帰っちゃったのかなぁ)

 達也がまた明日と出直そうとしたら、、

 (ん?カバン?)

 正門の影に誰かが隠れていた。達也が声をかける。

 「もしかして佐藤くん?」

 「はい、、そうです」

 身長も中の中、長方形の眼鏡をかけた地味〜な雰囲気だだ漏らしの少年、佐藤がいた。


 「おれ、同じクラスの五十嵐達也、佐藤くんと同じで緊張しちゃってうまく自己紹介できてなかったんだ、、」

 「ぼ、僕はきき緊張なんか、、してません、」

 どこからどうみても緊張している

 「え〜〜、ウケるぅめっちゃ緊張してるじゃん!!ってか佐藤くんめっちゃ影薄いね〜!」

 (初対面のくせに失礼な!とゆうよりか僕より大きい)

 山崎は感が鋭いのか、

 「あ!いま私のこと大きいって思ったでしょ!女の子にそんなこと思っちゃダメなんだよ!」

 「本当にびっくりしたんですよ!?声もデカければ背もでかい」

 頭にきたのか、山崎は佐藤に拳を振り上げゲンコツをした。佐藤の頭に鉄槌が降りた。

 「痛っったぁぁあーーー!!」

 「もうしらない!!!」

 山崎はプンスカ怒りながら帰っていった。そのやりとりを見て、、励ます

 (背が大っきいの下りは自虐じゃなかったのか、って言うか手首に手の跡残っちゃったよ、、力も強いんだな山﨑は)

 「大丈夫?山﨑怒っちゃったね〜、まぁあんまり気にしないでね。きっと明日にはいつもみたいに戻ってるよきっと」

 「きっとって何だよきっとって、、、」

 「あ、緊張剥ほぐれたんじゃない?」

 達也の一言に佐藤は下を向いて黙ってしまった。そこで達也が手を伸ばし声をかける。

 「佐藤君さ、高校でも陸上続けない?」

 その一言に佐藤は目を輝かせた。

 「俺、、陸部復活させたいんだ。佐藤くん誘った理由に人数集めももちろんあるけど佐藤くんが陸上やってたの聞いて同じ陸上を知ってる同士絶対仲良くなれるって思ってさ、、意外と俺友達少ないし、、」

 小さな声で呟いた。聞こえない声で、、

 「仲良く……」

 続けて

 「ぼ、、くはサッカー部に入ろうって思ってたんだけど、、」

 そして言葉が重なる

 ・「あ〜〜もう決めちゃってたのかぁ」

 ・「あ、でも」

 「まぁしゃあないね、、次当たるよわざわざありがとね!山崎のことなら気にしなくていいからさ!」

 「あ、ちょ、ま」

 佐藤の声は届かない、達也は次の人員を探そうとしたら。

 「五十嵐くん!!」

 誰にでもわかる声の大きさだ

 「ん?」

 振り向く。声の小さい佐藤が声を張る

 「僕のことは春って呼んで!」

 「あーーーわかったよー!!ハル〜!また明日〜〜」

 達也は佐藤春の元から立ち去った。この日は誰も誘えなかった。


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