入学2日目
登場人物を簡単に紹介
五十嵐 達也
主人公陸上部100m 記録はそこそこ、緊張しやすい
身長175cm
ユーマ
達也の幼馴染、遊び人、そこそこイケメン
身長178cm
山崎香奈
元バレー部、運動神経抜群、明るいクラスの中心人物、美人で人気
身長170cm
佐藤春
中学時代は陸上部、成績優秀、人と話すのが苦手
身長165cm
新垣大地
山崎香奈の幼馴染、元野球部、幼少期から山崎香奈へ片想い
身長172cm
加藤裕二
兄が野球部の部長、甲子園を目指す野球少年
身長168cm 熱い男
谷 ??
1-A教師達也のクラスの担任
身長192cm イケメンで爽やか、少し不思議な雰囲気を漂わす、学校中の女子から大人気
〜入学2日目〜
「昨日も挨拶したけど1-A担任の谷だ、早く覚えてな」
「でも下の名前は昨日も言ったけど秘密な」
下の名前を聞いて欲しいかのようにまた言った。クラスの女子が1人手を挙げた。谷先生は嬉しそうに
「はい!山崎さん!」
背の高いスタイルの良い女子が立ち上がり頭にはてなマークを付けて
「どうすれば下の名前教えてくれるんですか?」
「よくぞ聞いてくれた!」
とっても嬉しそうに、
「先生が異動するかみんなが卒業する時までになにか目標を立てて全力で取り組んだ人にだけ教える、まぁ名前を教えられた生徒は大体良い大学良い働き先に行ってるけどな!」
多少の自慢が入った
「まぁ生徒が頑張る踏み台に先生を使う、学校公認だよ。先生の名前は頑張った生徒への贈り物だと思ってもいいよ」
誰がそんなもの欲しがるか!と思うかもしれないが残念なことに谷先生は身長188cm細身の筋肉質さらに超絶イケメンそして生徒にかなり好かれる性格ときた。ついでに言うと独身だ。学校中の生徒、一部先生からも好かれるとなると下の名前ですら知りたくなってくるのはわからなくもない。
「今日は1日オリエンテーションだから……」
オリエンテーションが始まる。1年生分の教科書、その他書類を配られる。学則、授業等の説明がはじまる。2時間、3時間、、、
「はぁ、つかれたなぁ、、話聞いてるだけって想像以上に疲れるなぁ」
達也がぼやきながらトイレに向かう。ため息をつきながらてこてこ歩く。誰かとぶつかった、ぶつかった相手が転んでしまった。
(あ、え、こんなんで転ぶ?身長もさほど変わらないよな、バランス崩すほどの勢いでもなかったし)
「いったたぁー」
「ごめんごめん、怪我してない?」
「大丈夫だよ!もー前見て歩いてよね!」
(え、女子!?大きい)
「ん?あ!いまでかいって思ったでしょ!女子にそんなこと思っちゃダメだよ〜!次考えたら怒るからね!」
「あ、うん」
(あーたぶん先生に質問した人だよなぁ?名前なんだっけ)
背が高くスタイルの良い女子がそそくさと教室に戻っていった。
「みんな席を5個づつつけてグループになって〜、これからアイスブレイクやるよ」
(アイスブレイク??)
クラスの何人かが頭にはてなマークを出している
「あーみんな馴染みないかなぁ?みんな初めまして同士である程度緊張とかしてると思うんだけど、自己紹介とかして緊張ほぐして仲良くなろうってやつだよ」
(なるほど!)
みんな机をくっつけて8グループに分かれる。アイスブレイクが始まる。
自己紹介が始まりみんなが仲良くなってきた頃、まだ順番が回ってきてない達也はみんなで話す波に乗り遅れてしまった。そして自分の番が回ってきた。
「あ、えっと五十嵐達也すきなた、、じゃなくて」
もともとあまり明るくない性格の達也には少しハードルが高かったようだ。
「はーい時間なのでグループちぇーーんじ」
谷先生の合図とともにグループが入れ替わる。次のグループの席に座った。少しづつ慣れてきたみんなのアイスブレイクが始まる。
「私の名前は山﨑香奈!中学の時はバレー部やってました!これからは別の部活に入ろうかと思ってますがまだ決まってません!身長は170cmです!みんなよろしくね!」
ざっくりと自己紹介したのは先ほどトイレに向かう途中でぶつかった、、、
「あ、」
(やっぱりおっきんだ)
「あーーまたおっきいって思ったでしょ!ほんとに怒るよ!」
なぜ考えがすぐ見破られるのか、顔に出ているのか考えてたら、
「次はあなたの番だよ」
山崎香奈に言われ、自己紹介を始める次は失敗しない、と思いながら。
「五十嵐達也です、、身長175cmよろしくお願いします、、、」
(失敗したぁ〜、かなり短くなっちゃった)
達也は顔が赤くなってしまった、
「あっはは、五十嵐くん自己紹介めっっちゃ短ーーい」
「やめろよ、、」
「緊張しすぎだよも〜笑っちゃったじゃん」
「今も笑ってるじゃん」
仲良さげにやりとりを行う2人を見て
「2人ともそんないちゃいちゃすんなよ」
さらに空気を和ますような一言が入った。身長中の中ぐらいの坊主の子だ
「いちゃいちゃなんかじゃないよも〜名前はなんて言うの?」
「俺は加藤裕二!兄貴が野球部主将!俺も野球部に入る!絶対甲子園出る男だ!」
兄を自慢げに話しそして自分の夢を堂々と語り、、
「五十嵐?は部活はなんかやってたのか?」
達也にとって最高の助け舟だった、次こそはと思い
「俺は陸上部だったよ、高校でも陸上続けようと思ってるんだ」
「へー!!陸上部?足速いの?」
興味津々に山崎が聞いてきた。
「まぁそこそこだよ、県大会落ちだし、周りが速すぎて、、」
「でもカッコいーじゃん!どのスポーツも何かを極めたりするけど陸上って基本的な動きを限界まで極めるじゃん!」
「まぁ物は言い用だけど、」
「試合見に行くからねっ!」
「いやいや俺の試合なんか見ても、、」
またも横やりが入る。加藤だ。突然。部活動・同好会表を見ながら。
「この学校、陸上部ないよ」
2人は声を揃えて
「え、」「え、」
そして達也はさらに
「えーーーーーーーーー!!!!!!」
今日の学校の時間が終わり、
「谷先生、、」
困ったような顔つきで達也は質問する
「どうした?五十嵐?」
「陸上部ってこの学校にないんですか?」
「あー去年3年生しかいなくて廃部になったよ〜」
ー夜自宅にてー
「あーーーハッハ笑っちまうよ〜、陸部が廃部してたんか〜、せっかくここで走りたいって入学したのになぁ!」
ユーマが笑いながら達也のこと茶化す。
「あんまり笑うなよ〜結構ショックなんだよ?」
「んだってよぉ〜、去年の人が引退してるのは知ってたけどよ〜、まっさかなぁ廃部っつんだもんよ笑うほかねーだろ」
確かに普通なら笑って諦めるしかないが達也は一つだけ疑問に思った。
「え、てか引退するの知ってたの?」
「去年大会見に行った時点で知ってたよ」
「はーー言えよ〜」
高校選びに失敗したかの如く残念がる達也
「タツよ、そんな残念がんなよ」
「だってせっかくあの先輩がいて入学したのに、、」
少し真面目な顔でユーマが言う
「そんなんで諦めんなよ!陸部つくりゃいいだろ」
「そんな簡単に、、」
「陸上が好きで仕方なくてわざわざ岡山まで連れてきやがってここで陸部がないから諦めるってんなアホな話あるか!」
できるなら陸部を復活させたい、だか達也の頭の中にはやはり去年インターハイで優勝した先輩が頭から離れない
「先輩がいなくてもいるだろ」
「?」
ユーマの言葉に達也は頭を悩ませた
「いるかも知れないが正しいか?」
「誰がだよ、」
「あの先輩教えてた先生だよ!!」
「あ」
「俺はタツと別のクラスだけど人数とか困ったら声かけてやっからよ」
そうユーマは笑顔で頷きながら言った。