プロローグ
1章
〜埼玉県立灯高等学校〜
埼玉県立灯高等学校、偏差値も中の中これは譲れないと言わんばかりの目立つこともないごく普通の学校。最近変わったことがあったといえば昨年まであった陸上部が強かったことだ。昨年まであった、、、
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「おいタツ〜、おれ陸上なんて興味ね〜よ〜見るのも待つのもなげーじゃん」
「そんなこと言わずにみてってみなよ!やりたくなるかもよ!」
「タツはおれ運動嫌いなのわかってるよな〜、あーー熱いしわざわざこんなところまで、、」
「幼馴染なんだしいーじゃんさぁ」
まだ垢抜けない中学生2人が夏休みに、埼玉から岡山の陸上競技場まで試合を見にきたのだ。
そう、高校生の全国大会、インターハイだ
100m決勝
会場が静まる
On Your Marks
位置についての合図が聞こえる
Set
始まる
号砲が鳴った
選手たちがスターティングブロックを蹴り一斉に走り出す、選手たちが想いを乗せて、、、
決着が着く、スタートからゴールまで10秒。ゴール後少したってアナウンスが鳴る
「1位 埼玉県灯高校 猪崎君 10秒28」「2位 岡山県……」
「なぁ!ユーマみてたか!? 1位灯高の人だった!俺灯高であの先輩と陸上やる!! いっしょに走る!!」
達也は無邪気にものすごくテンションが上がっていた。とても楽しそうで嬉しそうで。
「うるっせーー! 見りゃわかるよ!」
「てかあの人……」
ユーマがたまたまエントリーリストを見て達也に何か言おうとしたが達也の喜び楽しむ様子を見てまぁいっか、、と嘆息した。
五十嵐達也、そして幼馴染の木坂雄馬の夏のひと時がすぎて行く、、