表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魂が引き寄せられた先は  作者: 冬馬
1/4

魂が引き寄せられた先は(1)


人の死後ってのは、一体どうなるんだろうな?

よく聞くのはやっぱり幽霊ってやつだと思う。それ以外には、死んだ魂は天国へ、はたまた地獄へなんていうのもあるけど、輪廻転生ってのもあったりするな。


そして、転生。

どうやら、俺は転生したらしい。

それも、俺がいた世界とは別の世界に。


おっと、間違えた!

転生じゃなかったな。どういう冗談かわからないけど、俺は死んで召喚されたんだった。


「精霊」 として…。






―――――――――――――――――――――――――





俺の最後の記憶。

雪の日、寝坊した俺は焦って支度をし、職場に間に合わないと車を走らせ、急遽高速に乗るっていう最終手段に踏み切ったわけだが、突然の(あられ)で路面は一瞬で真っ白になった。

結果、タイヤがスリップして壁に激突。


死んだなって思ったね。

あんまり経験のない横からの重力を感じながら、死を受け入れたのは覚えている。

俺の見た最後の視界には、壁が横に流れながら近づいてくるっていう、最早逃れられないだろう状況。

それは、最後の審判に感じたんだ。







誰かに呼ばれた様な気がしたんだ。

なんか、夢の中みたいに。

真っ暗な中にいる様な、でも周りの気配を感じるような。

深い眠りから、目覚めて覚醒するまでの間にある、ほんの一瞬の現実と非現実の狭間の世界で、俺は呼ばれた気がした。


誰に?

わからない。


ただ、そこに行きたいと思ったような気がした。

どれだけの時間、この狭間にいたのかわからないけど、意識はその声の方に向いたのは確かだ。


それは、眠りから起こされるように。


閉じた瞼の上を、暖かい朝日の光に導かれるように。

薄膜を通して、暗闇に光を当てられて、深い眠りから覚醒を促されるように。


俺はその薄膜を取り払う。

そして目覚める。

あの事故は夢で、何事もない普段通りの生活に戻り、なんの変哲もない変わり映えしない日常に。


そうそれが、さも当たり前の様に、俺は目開けた。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ