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闘神と仙術スキルでアポカリプス世界を駆け抜けろ!  作者: クラント
狩人編

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360話 秤屋2


 ゴトッ ゴトッ ゴトッ



 空間拡張機能付きバックから取り出したのは、拳半分くらいの大きさの晶石3つ。

 堕ちた街でヨシツネが仕留めた機械種グリフォンと俺が狩った機械種レッサーデーモン。

 そして、野賊の一員であるバンデルが従属していた機械種ブルオックスのモノ。


 俺の手持ちにはこれ以上の晶石がまだまだあるが、中位機種程度のモノを出して様子を見ることにする。


 いきなりここで紅姫カーリーの紅石や、緋王バルドルの緋石とか出したらどうなるのか……、ふと、そんなことを考えてしまうが、流石にそれは自重。


「こ、これは………」


「私がこの街に来る途中で狩った機械種の晶石です。うち2つはレッドオーダー、もう一つは野賊が従属していたモノです」


 俺が出した晶石に驚きを隠せないミエリさん。

 それに対し、淡々と説明を付け加える俺。


「………少々調べさせて頂いてもよろしいですか?」


「どうぞ、かまいません。どうせここで換金……マテリアルと交換してもらおうと思っていたので」


 俺の許諾を得て、ミエリさんは後ろに控えるノービスタイプ指示を出す。

 すると、ノービスタイプは一時席を外し、数分後に戻ってきた。

 手に機材を抱えた状態で。

 

 一抱え程の大きさのソレは……


「天秤?」


「はい、マテリアル変換器『秤』の一つ、『天秤』です」


 その形状は正しく天秤。

 T字の左右の先にお皿を吊り下げた重さを計る計量器。


「これで晶石の詳細を知ることができるんです。そして、マテリアルカードにその価値分のマテリアルを流し込むことも」


「そんな貴重なモノをここへ持ってきても大丈夫なんですか?」


 機械種の残骸や晶石をマテリアル化させるマテリアル変換器は貴重品だ。

 何せ秤屋の生命線と言っても良い機器の一つ。

 これさえあれば、わざわざ秤屋に晶石や残骸を持ち込む必要は無いのだから。


 俺の僅かな記憶に残っているマテリアル変換器の扱いは、決して外部の者を立ち寄らせない部屋に置かれ、厳重な警備が敷かれていた。


 例外はマテリアル変換器『秤』の一つ、『台貫』(※自動車等の重量を計る計測器)くらい。

 何トンもある巨大な台座という形状で、その上に乗せた機械種の残骸をマテリアルに変換することができるモノ。

 大抵秤屋に隣接する倉庫に置かれており、狩人は車やトラック、時には台車で運んできて、そこでマテリアルに換えてもらうのだ。



「大丈夫です。これは最下級の中でも最小の品ですので。超軽量級の晶石しかマテリアル化できないんですよ、これ。でも、どの機械種から取れたモノなのかは調べることができるので、鑑定用に使っているんです」


 ニコっと微笑みながら、ミエリさんは俺の疑問に答えてくれる。


 なるほど、鑑定用ね。

 超軽量級の晶石しかマテリアル化できないとは……



 超軽量級とは、機械種インセクトのこと。


 黒虫、丸虫、俵虫。

 ハサミ虫に鎧虫。


 俵虫で1匹1M、日本円で100円程度。

 一番高い鎧虫でも30M、3,000円くらいでしかない。

 流石にその程度では一般的には役に立たない品物だ。


 最下層の人間ならそれで十分だろうけど。

 例えば、スラムの人間とか………


 

 その時、俺の脳裏に過ったのは、すでに4カ月以上前となってしまった行き止まりの街でのスラム生活。 


 

 ………懐かしい。

 ハサミ虫に怯えていた頃がひどく懐かしい。


 デップ達3人は今でも『虫取り』をしているのだろうか?

 でも、機械種ラビットを従属しているし、機械種使いにもなっているはずだから、もう『虫取り』から卒業していてもおかしくはない。


 この世界に来て間もない頃、黒虫に全身を這われて涙目になったこともあったなあ。

 もし、俺に『闘神』スキルが無かったら、あの時にもうゲームオーバーになっていたよなあ……

 


 おっと、昔を思い出して懐かしんでいる場合ではない。


 俺が思い出に浸っている間、ミエリさんは俺から預かった晶石を『天秤』の片方の皿に乗せて、パチパチと何やらボタンを押して操作している。



 そして、その10秒後。


「はい、ヒロさんがおっしゃった通り、これは機械種レッサーデーモン、機械種グリフォン、機械種ブルオックスのモノに間違いありません」


 出た結果を口にするミエリさん。

 

「この3機を……特に機械種レッサーデーモンを狩ることができるのなら、ヒロさんはとても優秀な狩人で、ストロングタイプを従属していてもおかしくはない……と言うことになりますね。でも、この晶石を出されても、ヒロさんが狩ったという証明にはなりませんが……」


「まあ、そうですよね」


 誰かに譲り受けた。

 誰かから横取りした。

 店で買った。


 晶石を手に入れる方法はいくらでもある。

 つまりこれでは俺自身が凄いという証明にはならない。


 別にここで証明をしなくても、明日には秘彗を連れてくることができるのでから、ここでムキになる必要はないのだけれど……


 


 ここまで来たら、俺の凄さをどうしてもこの女性に分からせたくなるよね。




 次に取り出しますのは、俺が初めて手に入れた発掘品。


 空間拡張機能付きバックから円盤状のモノを取り出すと、ミエリさんの後ろに控えるノービスタイプが警戒状態に入ったのが見えた。


「失礼。でも、これは単なる防御用のモノです……特に危険なモノではありません」


 一応軽く説明をしてから、円盤状のモノ…自動浮遊盾を起動させる。



 フワッ



 クルクルと俺の周りを回り始める自動浮遊盾。

 

 自動で攻撃や銃弾を弾いてくれる発掘品だ。

 これならば視覚的効果は抜群。

 


「これは……凄い。こんな発掘品は初めて見ますね」


 

 ミエリさんから聞こえる感嘆の声。

 しかし………



「でも、凄い発掘品を持っているからって、凄い狩人とは限らないんじゃないですか?」


 少しばかり悪戯っぽい口調。

 内容は挑発染みているが、嫌味は感じない。

 その顔は笑みを浮かべたまま、何かを期待してワクワクしているように見える。


 どうやら俺の言うことを信じ始めてくれているみたいだけど、もっと面白いモノを見せてくれといったところだろうか。



 ほう……、

 面白い。

 それは俺への挑戦と受け取ろう。


 思わず俺もニヤリと微笑む。


 数々の人を驚かせてきた俺だ。

 つい先ほどもボノフさんを驚かせたばかりだぞ。

 この程度の試練、軽々と乗り越えてみせよう。


 




「白兎!」


 ピョン!!


 俺に呼ばれて、その場で一跳ねする白兎。


「この人に『天兎流舞蹴術』の演武を見せてやれ!」


 フリッ!フリッ!


 耳を震わせて大喜びの白兎。

 まさかこんなに早く、俺から『天兎流舞蹴術』を披露しても良いと言われるとは思ってもみなかったのだろう。

 先ほど『自分も演武をやってみたかった』と言っていたからちょうど良い機会だ。



「テントリュウ……?、そのラビットちゃんが何かするんですか?」


「まあ、見ててください」


 不思議そうな表情のミエリさんの質問を軽く流す俺。

 こればっかりは見てもらわないと分からない。


 流石に俺が演武を見せるにはこの部屋は狭すぎる。

 白兎の大きさであれば、それほど場所も取るまい。 




 トンッ



 俺の足元からピョンとテーブルの上に飛び乗る白兎。

 自重40kgの金属の塊とは思えないほどの軽やかな着地。



 ペコッ



 後ろ足で立ち上がり、ミエリさんに軽く一礼。

 

 

 ビシッ



 そして始まる白兎の演武。


 前脚を腰に溜めての構えから始まり……



 ビュンッ



 兎の体型から繰り出せるとは思えないほどのハイキックの型。



 クルンッ



 そして、そのまま一回転しての回し蹴りを披露。


 

 ビシッ、ビシッ



 軽くジャブを打つように左右の前脚からのコンビネーション……


 

 ピョンッ ピシッ ピシッ



 そこから飛び上がって目にも止まらぬ空中2段蹴り。



 流れるように技を繋いでいく白兎の演武。


 そのフォルムは愛らしいまん丸でありながら、激流のような激しさを見せる。


 そして、その激しさの中に垣間見える一つ一つの技の美しさ。


 

 ピシッ



 白兎が蹴りを放つだけで、空気が弾ける。


 素人目なら白兎が蹴りを放った後、音が聞こえて初めて蹴りだと分かるような速度。


 

 ピタッ


 ピシッ


 ピタッ


 ピシッ


 目にも止まらぬ速度で動いたと思えば、突然停止。

 停止したと思ったら、雷ごとき素早さで動き出す。


 体重移動を感じさせない所作で静と動を繰り返す。

 全く無駄のない洗練された型。

 


 恐ろしいことに、白兎はそれ等の動作を決して広いとは言えないテーブルの上で行っているのだ。

 さらによく見てみれば、木製のテーブル表面に全く傷をつけていない。

 絶妙な足さばきで完璧に自分の自重をコントロールしている結果と言えよう。

 


 ブンッ

 

 ピシッピシッピシッピシッピシッピシッピシッピシッピシッ 


 ブンッ


 ピシッピシッピシッピシッピシッピシッピシッピシッピシッ



 そろそろ演武も佳境に近づいてきたようで、白兎の動きが激しさを増す。


 そして、最後は……


 ピョンッ


 クルンッ


 トンッ!!


 テーブルの上でクルッとサマーソルトキックを放って、着地。


 

 ビシッ



 『押忍!』といった感じの礼で締めて白兎の演武は終了。



 ピコピコ



『どうだった?』と耳を振るって感想を求める白兎。



「素晴らしかったぞ!白兎。見事だ!」



 手放しで褒めちぎる俺。



「……………」



 呆気に取られて何も言えないミエリさん。

 

 どうやら白兎の演武の素晴らしさに度肝を抜かれた様子。


「どうです?俺が凄い狩人だって分かりました?」


 そんなミエリさんにドヤ顔で質問してやる。

 

 さあ、白兎を褒め称えよ!

 そして、俺のことを凄くて優秀な狩人と認めるんだ!



「………………なんて、無駄な改造。機械種ラビットにそこまでマテリアルをつぎ込むのは、凄いと言えば凄いんですが………」


 

 そこで言葉を切って、ミエリさんはじっと俺を見つめてくる。

 頬の辺りに指を当てて、ちょっと困ったような顔。


「それでヒロさん自身が優秀な狩人と言うのは、ちょっと違いません?」


「ですよねー!ははははははははっ!!!!」


 まあ、確かにそうだな。

 俺も悪ふざけが過ぎたかな。


 そろそろ真面目に俺が凄い所を見せておくことにするか。



「では、これで最後にします。えっと……そこのノービスタイプ、機械種ファイターだろ?俺と力比べしよう!」


「ええっ!!ちょ、ちょっと、それはあまりにも無謀では?」


 俺の申し出にミエリさんは驚いた声をあげる。


「格闘家系のジョブシリーズは特に力が強いんですよ!ノービスタイプですが、パワーだけなら、他の前衛系のベテランタイプにだって負けません。ヒロさんがどれだけ強くても勝ち目なんか……」


「まあ、見ててください。さあ、やろうぜ!機械種ファイター」


 ミエリさんの後ろに立つ機械種ファイターに近づき、握手でもするように右手を前に出す。


 俺が出した手をしばらく戸惑うように見つめていた機械種ファイター。


 しかし、俺が引く様子が無いのを見て、仕方なくといった感じで俺の手を取る。

 

 お互い向かい合いながらの握手。

 腕置きを使わない立ったままの変則アームレスリング。


 向こうからすれば、この人間は何を馬鹿なことをしたがるのかと思っていそうだけど……



 ギシリッ!!


 

 軋むような音を立てたのは、機械種ファイターの腕関節部分。


 一気に俺をねじ伏せようとして、パワーを込めたのだろう。

 しかし、俺はそびえ立つ泰山のごとく微動だにしなかった。


 その為、かけたパワーがそのまま自分の腕に返ってきたのだ。


「ふふ……、その程度か?」



 ギギギギギギギギッ!!



 俺の挑発に機械種ファイターの右腕が唸りをあげる。

 モーターの激しい回転音が鳴り響き、全力を以って俺にパワーをかけてきた。

 

 ジョブシリーズの格闘系はノービスタイプの機械種ファイター、ベテランタイプの機械種グラップラー、ストロングタイプの機械種チャンピオン。


 特徴は武器を使わない素手戦闘を得意とする前衛系ということ。

 長物を使用しないので、狭い屋内の護衛にピッタリの機種。

 先ほどミエリさんも言っていたように、そのパワーはジョブシリーズでも1、2を争う程。

 人間はおろか、相手が下位巨人系でも力負けすることはない。



 だが………

 そんな力自慢の機械種ファイターでも、俺の前では赤子に等しい。


 



「嘘……、え?冗談よね。」


 ポツリと漏らしたミエリさんの呟きは、懸命になって俺をねじ伏せようとする機械種ファイターに向けてであったのだろう。


 涼しい顔を崩さない俺に対し、明らかに前のめりで力を振り絞っているように見える機械種ファイター。


 2m近い高さの筋骨隆々とした機械種が、頭3つ分は低い少年を押さえこめないでいる。


「………機械義肢?でも、体重は普通だった……むしろ軽すぎて貧弱なくらい。人工筋肉を入れていたならもっと重くなるはずだし……」


 ミエリさんがブツブツを自分の推測を口にしている。

 

 その中に若干聞き逃せない言葉が……



 あ……

 いつの間にか体重を計られていたのね。

 

 重力センサーか。

 そりゃあ、厳重な秤屋の中なら当たり前か。


 体重の変動には気をつけておかないと。

 以前、チームトルネラのボスに、体重が変化しない不自然さを指摘されたしな。

 次来るときは、ズボンのポケットに何か物を入れておこう。


 

 ギシギシギシギシッ



 まるで悲鳴をあげているかのように、機械種ファイターの駆動音が部屋中に鳴り響く。

 そろそろ向こうは限界に近い様子。


 ならば、これくらいで引導を渡してやることにしよう。




 右手にほんの少し力を籠める。

 自分の力を呼び水にして、相手の力を喰らって返す。


 それは武術で言えば柔の技。


 秘孔を付く『点断』や、吐息を飛び道具と化す『気賛』と同種の中国武術。



 即ち、『化剄』




 グンッ



 ガタッ




 突然、上から押しつぶされたかのように、俺の手を握ったまま片膝をつく機械種ファイター。


 まさか自分が注ぎ込んだパワーが返ってくるとは思うまい。


 これは太極拳や形意拳の技の一つ。

 相手の攻撃を吸収して、相手に返すというベクトル操作を行う身法。


 多分、スラムチームでの総会の際、ブルーワに持ち上げられそうになったのを防いだのがこの技。

 おそらくあの時、無意識にうちに使用していたのだろう。




 グググッ


 不可思議な現象で押さえつけられようとしている中、なんとか巻き返そうと力を振り絞る機械種ファイター。

 

 真っ直ぐに俺に視線を向けながら、全身に力を込めて立ち上がろうとするが………




 はい、残念!

 溜まっていたパワーはまだまだあるぞ!


 ほれ!どんどん返してやろう。

 おまけに俺の力もちょっとだけ加えてやる。




 グンッ




 ビシッ




 機械種ファイターが片膝をついた床にヒビが入る。

 そして、その機体から白い煙がプスプスと立ち昇り始めた。


 俺から返された不可視の力によって、機械種ファイターの全身に重圧が降りかかる。

 それはマテリアル重力器による加重攻撃にも似た現象。


 しかし、これは紛れもない人間の技。

 中国4000年が生んだ神秘。

 ファンタジー成分がかなり混じってしまっているけど。


 そんなこの世界では全く説明のできない攻撃を受け、すでに機械種ファイターは死に体だ。

 立ち上がろうと最後の足掻きをしようとしたところへの追い打ち。


 その青く輝く目はギロッと俺の方を睨みつけたままだが、もうすでに機体の方がついて行けない様子。


 気迫は大したものだが、すでに限界ギリギリ。

 これ以上は機体が損傷する可能性もあるから、この辺りが諦め所だろう。



 振り返ってミエリさんに視線を向ける。

 その意思を確認する為に。


 すると、ミエリさんはため息をついて小さく両手を挙げた。



「降参。そこまでにしておいてくれません?」




 ガタンッ



 

 ミエリさんの降参を受けて、手を離してやると、力尽き果てて後ろに尻もちをつく機械種ファイター。


 

「お、すまん。君もよく健闘したよ」



 改めて右手を差し出し、その手を掴んで機体ごと起こしてあげる。

 これくらいは競い合った相手への礼儀であろう。


 

「………いとも簡単に300kg近い機械種を片手で引き起こすんですね」


「これくらい中央では珍しくも無いでしょう?」


「………流石にそれはありません。赤の死線なら別かもしれないですけど」


「なるほど、ミエリさんは中央のご出身でしたか?」


「貴方もでしょ」


「はてさてなんのことやら……」


 中央での記憶はあるけど、出身ではない。

 今の俺自身の身体が中央の土地に触れたことが無いのは事実。



「全く……トンデモナイ新人が来たものです。今年の新人はいつもより優秀な人が多いようですが、ヒロさんはその中でも飛びっきりですね」



 ミエリさんはため息混じりにそう呟くと、数歩俺に近づき、机越しにその手を差し出してくる。


 

「歓迎します。悠久の刃のヒロ。優秀な狩人が所属してくださるのはありがたいことですから」


「こちらこそよろしくお願いします。たった6ヶ月間のことですが、少しでもお役に立てるようがんばります」



 机の上で交わされた握手。

 先ほどの藍染屋でボノフさんと全く同じ意味合いだ。


 一担当とはいえ、俺の腕前が藍染屋に続き、秤屋にも認められたということだろう。

 そして、これが俺の狩人としての最初の一歩であることは間違いない。


 

 うーむ……

 実力が疑われて、それを証明して認められる。

 これって、さっきのと全く同じパターン。

 ひょっとして、この街ではこれが毎回続くのであろうか?

 

 

 ふと、ミエリさんの柔らかい手を握りながら、そんなことを考えていると……




 ピョン



 ポン



「あら?ラビットちゃんも?」



 ピコピコ



 俺とミエリさんが机の上で握手しているのを見て、白兎が机の上に飛び乗り、その前脚をポンっと握り合う手の上に置いてきた。



「ふふふっ、可愛いラビットちゃんですね」


「はい、白兎っていいます。これからちょくちょく連れてきますので、可愛がってやってください」


「はい、よろしくね。ハクトちゃん。さっきの演武、見事だったわよ」



 フリフリ



 褒められて嬉しそうに耳を震わせる白兎。


 流石は白兎。

 愛らしさ満点の振る舞いで、もうこの街のファン第一号を作ってしまったようだ。

 


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― 新着の感想 ―
[良い点] 能力を人前である程度出すようになったこと [気になる点] 変化でもうちょい年上に見えるように外見変えたりしないのかな 潜水艦を出しっぱなしなのはなぜなのだろう?主人公には必要ないし現在トイ…
[一言] 機械種自慢より超人アピールをもっとしていくべきなのかな? 機械種使い最大の弱点が無いと知れるし。 しかし優秀な同期たちとの遭遇が楽しみですね。
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