19.悪いけどカースト最下位の少年少女は全力で対抗するで!!拳で!!
「あーー。終わった。死んだ。退学だ。……………」
1時間目のテストが終了し、プレハブの教室の中に体を机に押し当てて脱力している少年がいた。
言うまでもなく守である。
「おい。ど、どうしたんだ?守。」
山田山田は自席の椅子にもたれ掛かり、椅子の後ろ2本脚でバランスをとりながら守に聞く。
「終わった。死んだわ。……あの女、イレギュラーすぎだろ。……はは。ははははは。」
乾いた笑みを浮かべる守の表情は、絶望しきっており心なしか血色も悪い。
「ねぇ。守くん。大丈夫?何かあったの?
あのクソビッチに何かされたの?」
口が悪い。
やはりメアリーは守の事となると…特に女関連の事となると、別人になったかの様に口が悪くなる。
「ガハハハハハ!!守がこんな顔するなんてな!!あの女ただもんじゃねーな!ガハハハハハ!!」
守を小馬鹿にしている様にしか聞こえないが、これは西野美希なりの心配の仕方だ。
「ふむ。守氏。何があったか話してみるでござるよ。拙者の退学回避はお主の力無くしては不可能であった。…もはやこれは友情。
拙者に出来る事なら何でも相談して欲しいでござるよ。」
そう言う鳳凰院竜司のTシャツには、
"人間強度が下がるから友人はいらない!"
とプリントされていた。
「あ"あ"〜。終わった。……もうダメだ…南無阿弥陀。南無阿弥陀。南無阿弥陀。南無阿弥陀。」
「念仏を唱え始めたでござるよ。これは本格的にまずいでござるな。…
朝田栞という女、守氏に一体何をしたんでござろうか。」
「ガハハ……流石に笑えなねーな。守。何があったか言ってみろよ。」
「あの女……守くんを壊した。……絶対に許さない!!……それと守くん仏教なんだ。
私キリスト教だから改宗しなきゃ。……
…あの女をあの世送りにした後に……ね。」
「メ、メアリーさん?まずはその左手に握っているカッターを仕舞おうか?」
4人とも守を心配する。
あのガサツな西野美希でさえも、動揺を隠せていない。
「南無阿弥陀。南無阿弥陀。南無阿弥陀。南無阿弥陀。南無阿弥陀。」
心のこもっていない念仏をひたすら唱え続ける守。
流石の仏もこれには嫌な顔をしているに違いない。
「……そ、それにしても。守氏?
あの作戦は凄かったでござるな。相当な賭けでござったな。」
鳳凰院竜司がいきなりそんな事を言い始めた。
「南無阿……」
そして、その言葉が守の耳に入ると同時に、ピクンと反応して念仏を唱えら事を停止した。
「ああ。アレは凄かったぜ。俺らじゃ到底思いつかなかっただろうな。」
山田山田も鳳凰院竜司の言葉に続く。
「……おい。何の話だ?作戦?何のことだ?」
守は机から体を起こし、クラスメイト達の方に体を向ける。
「ほら。さっきの時間のアレだよ。
守が先生を誘導して、その隙に全員で答え合わせして、欠点回避するってやつだよ。
…だが、まぁ。守のテストがあの先生との婚姻届だったとは思わなかったけどな。」
山田山田は両手を頭の後ろで組みながらそう言う。
「それで?…俺の婚姻届はどうしたんだ?」
守は生唾を飲む。
「…?あぁ。それなら、教卓の上に予備のテスト用紙があったから、それに守の解答を代筆して提出しておいた。」
「…ま、マジ?……いやだが、それなら文字とかでカンニング、バレないか?」
「いや。問題ないはずだぜ?
何故かメアリーが守に似た字を書けたんだよ。筆跡鑑定とかでもバレないレベルだと思うぜ。」
守は山田山田のその言葉を聞き、メアリーの方を見た。
するとそこには、これでもかと言うほど胸を張り、ドヤ顔を決め込んでいる少女がいた。
「メアリー!!」
守は足早に席を立ち、メアリーを強くハグする。
「……え?」
メアリーは動揺を隠せず、守の胸元でアタフタする。
「サンキューな!メアリー。初めてお前に感謝するぜ!!マジでありがとな!!」
「まままままま守くん!!初めては余計だよ〜〜〜。も、も〜〜。」
口に空気を溜めて赤面するメアリー。
彼女の顔は幸せで溢れている。
「それで?メアリー?何で俺と似たような字が書けるんだ?」
「うん!それはね、守くんが婚姻届けにサインをしてくれなかった時のために、私が書ける様に練習してたの!!守くんにその気がなくても、私たち結婚できるんだよ!
どう?すごいでしょ!ねぇ。褒めて褒めて〜」
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「よし。じゃぁ。希望が出てきたな!早速作戦会議だ。…とその前に、婚姻届の方はどうしたんだ?」
気持ちを切り替えたのか、清々しい表情を浮かべる守がそう言った。
「婚姻届ならメアリー氏が名前の欄に、う○こ汁と書いて提出していたでござるなー。」
守は乾いた笑みを浮かべ、再び口を開く。
「山田。次も監督の教師はあの女が来るとして、どんな作戦がいいと思う?」
「ああ。あの女がもう一度ここに来て同じ方法が通じるとは思えない。かと言っていい作戦も思いついてない。
休み時間中に何とかして考えねーとな。」
「そうでござるなぁ〜。先ほどのテストの様なイレギュラーがまた起こるかもしれないでござるな。」
「ガハハハハハ!鳳凰院!お前キモいな!」
山田山田、鳳凰院竜司が真剣に考えている中、西野美希は鳳凰院竜司の顔を見て高らかに笑った。
その間、掃除ロッカーから"ガンガンガン"と言う音が響き、中から
「守くん!!ごめん!何でもするから!私を掃除ロッカーから出してー!おねがーい!」
と言う悲痛にまみれた声が聞こえるが、誰もそれに反応していない。
「…なぁ。こんなのはどうだ?」
守は重々しく口を開いた。
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「……………?アレは……」
守達の教室前の廊下に誰かが来た。
女性ではなく男性であることは分かり、手には時代錯誤な白い手袋を身につけている。
「……………馬鹿か?レート1というものは……」
呆れた声でそう呟く彼の口はニヤッと笑みを浮かべており、彼の視界には教室に入る為の前側のドアに挟まれた黒板消しが写っていた。
「黒板消しで、教師に恥を書かせようとでもいうのか?…馬鹿馬鹿しい。後ろのドアから入れば全て解決だ。…大人を舐めるなよ。ガキどもが。」
丸メガネをしたその男は教室の後ろ側のドアに手をかけ教室の中に入った。
「お前ら!前のドアに黒板消しが…
……オワッ!」
その男の足は床に塗り広げられたローションに自由を取られ、尻もちをつきそのまま滑ってゴミ箱にストライクした。
ドサッ!!
「痛っっ!!」
ゴミ箱の中には大量の生ゴミとトリモチが入れられており、男は生ゴミの塊の核となった。
その間、守と山田山田は小声で喋っていた。
(男の声?何故だ?監督の教室が変わったのか?)
(守。どういう事だ?朝田栞が来るはずだろ?)
(ああ。そうだ。生ゴミ作戦も女教師用のトラップ。女は臭い匂いを我慢できないと踏んでの作戦だ。
女なら "いやー!ちょっとお風呂はいってきますー!" とか言いながら何処かに消えるはずだが、相手が男ならそんな事、御構い無しでテスト監督するだろうな。)
(どうすんだよ。もし、今回テストの問題が変わっていたら相当まずいぜ?
何しろ、三条さん?だっけ?彼女からの情報が一切ない。)
(ああ。そうだな。だがまぁ、何とかなるだろ?俺らにはもう一つドデカイ作戦があるだろ?…それにそもそも問題が変わっていないケースも考えられる。山田山田。
そこまで深刻になる事もないぜ。)
(それもそうだな。…)
ちなみに、生ゴミ作戦と言うのは教室の前のドアに敢えてわかりやすく黒板消しを挟んで置き、それに気づいた教師に後ろのドアから教室に入らせ、ローションで足を滑らせてそのままゴミ箱にストライク!という作戦の事である。
山田山田の腑に落ちない返事の後、会話は途切れた。
その代わり教室内に男の声が響き渡る。
「ど、どう言う事だ!お前ら!!先生にこんな事をして許されるとでも思っているのか!」
男は怒りをあらわにして怒鳴り続ける。
キーンコーンカーン。
キーンコーンカーン。
予鈴のチャイムが男の言葉を遮る様に校舎中に鳴り響いた。
「あのー。センセー。テストを配って貰っても良いですか?もう少しでテストが始まりますよー?」
守は男を挑発する様にそう言う。
「……小山…守……」
怒りを隠せないその男はテストを拾い始めた。
その時、男の動きがピタッと止まり、その表情にはニヤニヤとした不敵な笑みが浮かんだ。
!?
守はそれを見逃さなかった。
そして、揺さぶりをかける様に再び声を発する。
「センセー。テスト開始まで2分切ってるんですけどー。早くしてくれません?」
「あぁ。悪かった。では、テストを配ろうか……とその前に少し自己紹介でもしようか。私の名前は碇剣道。この学校の校長だ。
朝田栞先生は "欲しいものは手に入ったから" と言って市役所に向かったので代理で私がここにきた。 よろしくな。」
守の言葉に受け答える様にしてそう言った碇剣道には怒りの様子など全く見えず、むしろ余裕さえ見えた。
(((((!?)))))
「こ、校長でござるか!」
「そうだ。私が校長だ。…おっと。時間が迫っているな。早速、テストを配ろうか。教科は現代文だ。」
碇剣道はテストの配布を始めた。
一方で、守は碇剣道の生ゴミ臭い激臭に耐えながら思考を続ける。
(おかしい…何故人が変わったかの様に、いきなり上機嫌になったんだ?…テストを拾っている時もそうだ。…………なんか嫌な予感がするぜ。)
教室内には不穏な空気が訪れる。
しかし今の季節は春。小鳥たちのさえずりがまるで美しい花びらの様に空中を舞う。
そして、その和やかな外の雰囲気は校舎中に響くチャイムの音によって砕かれた。
ーーーー最終日。最後のテスト開始ーーー
チッチッチッチッ…………
うるさく鳴り響く時計は現在10時20分を指していた。
つまりテスト終了まで残り20分だと言うことだ。
(…なんだ。この胸騒ぎは……何か見落としてるのか?…一体何を?……分からねぇ。)
守の思考に碇剣道の不敵な笑みがフラッシュバックする。
そしてわざと間違えているとしか思えない様な間違いをしている自分の解答用紙に目をやる。
例えば、臭という漢字の送り仮名を振れという問題にはウン=コジール。
怪物という漢字の送り仮名には芦羽ダイコと書いている。
(……見落とし…いや。無いはずだ。
だいたい、そんな間抜けなこと気づかない筈がねぇ。…)
テストから目を離し碇剣道に目をやる。
未だにニタニタと笑みを浮かべており、不気味ささえ感じられる。
(取り敢えず、鳳凰院のテストを確認しておくか。あいつのだけ問題が変えられているなんてこともありえるな……)
守が思考しとうとう結論を出したその時、碇剣道が突然鳳凰院の目の前に歩き出し、鳳凰院の宝物何かをする奪いとった。
!?
そして、
「おい!鳳凰院!!これは何だ!!」
と大きな声をあげた。
!?
クラスメイトたちの注目が一点に集中する。
「鳳凰院竜司!!これは何だと聞いているんだ!」
碇剣道は鳳凰院竜司に何かを見せつけた。
その手には紙が握られている。
守はそれを見て目を見開いた。
(………!?カンニングペーパー!?)
山田山田やメアリー、西野美希も仰天し、驚きを隠せないでいる。
「説明してみろ!鳳凰院竜司!何でこんなものを持っている!」
「……え?何の話でござるか?」
鳳凰院竜司は今の状況を理解できていないかの様にキョトンとしている。
「とぼけるな!!カンニングなんかしやがって!!自分が何したか分かっているのか!!鳳凰院竜司。……心苦しいが、校長権限を持って今週でお前を退学にさせてもらう。……カンニングをする様な生徒をうちの学校に置いておくわけにもいかん。」
碇剣道はさらに言葉を続ける。
「それと、このカンニング行為は鳳凰院竜司1人ではできる筈がない…カンペまで作って、計画的に事を進めるにはこの馬鹿1人では不可能だからな。……よって、加担した可能性があるお前ら全員も、今週を持って退学にさせてもらう。……辛い選択だがこの学校を守るためには仕方ないのだ。」
その空間に静寂が訪れる。
小鳥のさえずりさえも聞こえない。
代わりに碇剣道のニヤついた笑みが垣間見える。
(………やば。マジでやばい。カンニングがバレたのか?…いやあり得ない。
直前まで俺はあいつを見ていた。だとしたら何でだ。…………)
その時守はある事を思い出した。
碇剣道の不敵な笑み。
(……!?まさか!そう言うことか!!)
この瞬間守は自分のポケットに手を突っ込み、何かのスイッチを押した。
[キャーーーー!!誰かーーー助けてくださーーーーーーーーい!!!!!!]
すると直後、プレハブの外から女の子の叫び声が聞こえた。
「…………君達。私はこれから少し外回りに行く。
くれぐれもカンニング行為等の怪しいことはしない様に。」
碇剣道はそう言い残して教室を出た。
「おい!鳳凰院!テメェー、何て間抜けなことしたんだよ!」
静寂の中最初に声を出したのは西野美希だった。
「まーもーるーくーん!!
退学になったら私……私……守くんに会える頻度が少なくなって孤独死しちゃうよ!」
メアリーは本気で涙目を浮かべて守にそう訴えかける。
どうやら守以外に会えないのは別にどうでもいいらしい。
「おい守。どうするんだ?全員退学だとよ。
流石に草生えるぜ。草ボーボーだぜ。」
山田山田も半分あきらめモードに入っている。
「ちょっ。勘違いしないで欲しいでござる!
拙者はバレてないでござるよ!これを見るでござる!」
鳳凰院竜司は他4人に見える様に何かを差し出した。
「ああ?何だ?……カンニングペーパーじゃねーか!ああ?ケンカ売ってんのかぁ!」
西野美希のオラオラは止まらない。
「やっぱりそう言うことか……」
守は合点がいったかの様に呟く。
「?守。どう言うことだ?」
「なぁ。鳳凰院。お前、テストが終わったらカンペどこに捨ててた?」
「き、教室のゴミ箱でござるよ。それがどうしたでござるか?」
「……はぁ。それだよ。
…テスト開始前、あのクソ校長をゴミ箱にぶち込んでやった時だよ。あいつはその時に違うテストのカンペを拾ったんだよ。」
「守くん。つまりどう言うことかな?
メアリー全然わかんないよ。」
「つまりだ。あのクソ校長にまるで鳳凰院がカンニングをしているかの様に仕立て上げられたんだよ。」
「……あのクズ!!ぶっ殺してやる!!」
守の説明を聞き、真っ先に声を発したのは西野美希だった。
その彼女の手にはシャーペンが強く握られており、これまでにないほどの殺気さえ感じられ、それを見た鳳凰院が "どーどー" とおちつかせようとしていた。
「そうだったのか……だが守。最後の作戦、今使ってよかったのか?」
「勿論だ。それに山田。実は作戦はもう一つだけあるぜ。」
守はポケットから何かのスイッチを取り出しながらそう言った。
ちなみに山田山田が言う最後の作戦とは、
メアリーが守に頼まれて持ってきていた、秘密道具の中にあったラジオに、女の子の悲鳴を事前に録音しておき、それをプレハブの外から大音量で流すと言うものだ。
そうすれば、流石の教師も様子を見に行かざるを得ない状況になる。
それを守が遠隔で再生すれば教師は教室内からいなくなると言うものだ。
「作戦がもう一つ?手詰まりじゃなかったのか?」
「まあな。だが、成功する確率は10パーセントと言ったところだ。」
「いや。10パーセントあるだけマシだ。
やるだけやってやろうぜ。」
「そうでござるな。拙者もはめられっぱなしと言うのは不愉快。切腹モノでござる。」
「ガハハハ!!それもそうだ!!
今のままじゃ諦めもつかねぇーな!!」
「まーもーるーくーん!!!
私は退学になっても、あなたの妻になれたらそれで十分だよ。」
若干一名おかしな事を言っている女子がいるが守はそれを無視して言葉を続ける。
「メアリー。俺が頼んでおいたもので、まだ使ってないのがあっただろ?
ちょっと貸してくんねーか?」
「??……ああ。あれね!分かった。
ちょっと待ってて。」
メアリーはテクテクと自分の鞄を取りに行き、何かを取り出し守に差し出した。
「こ、これは〜。スタンガンか?」
山田山田は魔の抜けた声を上げる。
「ああ。スタンガンだ。…正直、これだけは使いたくなかったんだがな…」
「守氏?このスタンガンで何をするでござるか?」
鳳凰院竜司も意外な物の登場に驚きを隠せない。
「いや、ご想像通りの使い方だよ。気絶させる。んで、その隙にカンペを証拠隠滅する。それだけだ。」
その場の空気がポカーンとする。
メアリーだけは、
「すごーい!さすが守くん!名案だね!」
と彼を褒め称えていた。
「おい。守。最後の最後でそんなゴリ押しでいいのか?もっといい作戦を考えた方が…」
山田山田が腑に落ちない表情を浮かべ納得のいかない様子を見せる。
しかし守は山田山田の話に割り込むように肩にポンと手を置きこう言う。
「なぁ、知ってるか?山田山田。人間の体は電気をよく通すんだぜ?」
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side 三条穂鳥
今日はテスト最終日。
最後のテストは現代文。私の1番苦手な教科です。
でも、どうしてでしょう。
シャーペンがスラスラと波を打つように、スムーズに動きます。
次の問題に進むたびに解答欄の空虚な存在が文字で埋め尽くされ、答案用紙のもの寂しさが消えていきます。
(私がこんなにできるようになったのも、きっと彼のおかげ……)
私は思わず守さんの事を想像して、利き手でない左手で、綻んでしまった顔を隠します。
(次の問題は……この時の主人公の気持ちとして正しいものを次の1〜5の中から選びなさい…ですか…)
(1.好きな人とずっと一緒にいたいと思っているが、恥ずかしさのあまり何もできないでいる。
2.好きな人とずっと一緒にいたいと思っているが、友人との関係も大事にしたいと思い、何も決められずにいる。
3.好きな人とずっと一緒にいたいと思っているが、自分の心に素直になれずに意地を張っている。
4.彼とずっと一緒にいたいと思っているが、時間帯的にそれは不可能であり、焦ったさが主人公の心の中で渦巻いている。……)
(うん……4は絶対ダメ。……1も2も3もダメ。……うーーん………じゃあ5は…)
5.彼とずっと一緒にいたいと思っているが、自分の恋心に気づけず、何もできないでいる。
クスリ…
私は思わず笑みを浮かべてしまいます。
(お馬鹿な主人公さんですね。)
…………ドクン………………
(…あれ?…風邪、ひいたのでしょうか。………体が少し暑いです。)
新生活。
マジ大変っす。