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13.次回、鳳凰院死す。この次もサービスサービス♪

この題名、書きたかっただけです。

本編とは一切関係ありません。

ご了承ください。


そして、毎日更新できませんでしたぁ!

申し訳ございません!

時刻は午前4時。

春と言えども外はまだ真っ暗だ。

そんな中とある家の一室に電気がついていた。

かなり豪華な家だ。


「あー、どうしましょう。どの服着て行ったら、いいでしょうかー。」


綺麗に整頓されているはずの室内は現在、洋服と下着とで足の踏み場もない状態となっており、その中心であたふたとしている少女がいた。


もちろん三条穂鳥である。


「守さんはスカート派なのか、それともズボン派なのか……分かりませんね……パンツも黒か白か……あつ、ピンクもありです。」


パンツの色にまでこだわる健気な少女がそこにはいた。

結局、9時になってようやく服装が決まったのだった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「お兄ちゃーん!早く起きないと、穂鳥お姉ちゃんが来ちゃうよー!ねぇ!お兄ちゃん」


チコが布団にくるまる守を揺さぶる。


「後5分……」


「むぅー!……後5分だけだからね!」


いや許すんだ!とツッコミを入れたいが、チコは守に甘いので仕方のないことなのだ。


その時、守の部屋のドアが開かれた。


「あら〜。マー君ったらまだ起きてないの〜。うふふふふふ。穂鳥ちゃんが来たら、マー君が学校にエッチな本、持って行ってたことバラすわよ〜。うふふふふふ。」


にこやかな笑顔でそう言ったのは守の母親である玲奈だ。


!?


「おい!ロリババア!なんでそのこと知ってんだ!」


守は玲奈のあまりにも衝撃的な発言に反射的に目を覚醒させた。


その瞬間、玲奈の雰囲気が変わった。


「あらあら〜。ロリババアですって〜。うふふふふふ。マー君ったら、天国にいるお父さんに会いたいのね〜〜。お父さん思いのいい子だわ〜。うふふふふふ。」


玲奈の口調は笑っている。だが、目は笑っていない。それは人を殺す目をしていた。

そして、いつの間にか右手に包丁を持っている。


守は忘れていた。

玲奈にロリババアは禁句であったことを。


「あ……やべ。言っちゃった。……」


のそりのそりと守に近づく玲奈。

恐怖のあまりか、守の目は点になり、顔は真っ青になった。


「お、お袋?冗談だよな?じ、実の息子を手にかかるような……って、あれ?お袋?マジで言ってんの?おい、お袋ー!」


玲奈は右手の包丁を守に振りかざし、思いっきりぶっ刺した。


「どわっ!!??……て、あれ?」


しかし、その包丁はどうやらおもちゃの包丁だったらしく、守は無傷だった。


「なんだ…おもちゃか…」


守はホッとため息をつく。

しかしその安堵は瞬く間に恐怖に変わった。


「うふふふふふ。マー君ったら、焦りすぎよ〜。私が息子に引導を渡すなんて事しないわよ〜。うふふふふふ。」


玲奈が守の耳元に顔を近づけて囁く。

その囁きに守は悪寒を覚えた。


「あははははは。お袋は冗談がうまいなぁ」



コンコン


その時玄関の方からノックの音がした。


「あ!穂鳥お姉ちゃん来たかも!」


チコはそう言うと直ぐに玄関の方へ走って行った。


「ア、ホントダー。サンジョウ、キタカモ。

オレモ、イカナクッチャー。」


守はその部屋、と言うか玲奈から逃れるようにササッと玄関に向かおうとする。


ガシッ!


玲奈はすれ違いざまに守の手を握り、一言言った。


「カスタードプリン、100グラム1000円のやつ。」


「…………………」


守は何も言わずに動きを止める。

振り向く事もせずに動きを止めた。


「よろしくね。」


そう言い放った玲奈の顔にはいつも通りの笑顔がある。

それがまた、守に恐怖を植え付けた。


守はその場を数分間ほど動けずにいたのだった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


玄関を出ると三条穂鳥がいた。


ホワイトベースの淡色の服で、点在するピンクの花びらの模様がアクセントとなり、いい味を出している。

今日は季節に似合わない()()()()()()で厚着をしている。

また、髪はポニーテールにされており、その狭間から時々見える(うなじ)には艶かしささえ感じられる。


頸と言えば、芦羽ダイコだ。

彼女の頸は思わず削ぎ落としたくな………これ以上はよそう。

無視してくれ。


「守さん!遅いですよ!」


三条穂鳥はプープーと顔を赤くしているが、怒ってはいなさそうだ。むしろ、嬉しそうにしている。


「あー。わりー。ちょっと寝坊してな、」


「へへー。寝不足ですか?私と休日が過ごせるから楽しみで、ですか?意外と……お茶目ですね。」


「……はい?何言ってんの?勉強してたんだよ。なーにがお茶目だ。俺はそんな事で浮かれたりはしねぇーよ。」


そのやり取りをしている中、チコは棒付きのペロペロキャンディを幸せそうに舐めている。

おそらく三条穂鳥に貰ったものだろう。


「んん〜〜!」


頬に空気を溜めて怒っている。

これは確実に怒っている。


「おい、さっさと行こうぜ。100点取るんだろ?1秒だって無駄にはできねーぞー。………チコー。お兄ちゃん、ちょっと行って来るからー。帰るのは夜になると思うから、お袋に言っといてくれ。」


守は歩き始めてそう言う。


「ちょっと待ってください。」


三条穂鳥もそれについて行くように駆け足で守の側に駆け寄る。


「うん!分かったー!穂鳥お姉ちゃん!お勉強頑張ってね!いってらっしゃーい!」


パァーーと満面の笑みのチコが手を大きくふっている。


「いってきまーす。」


「うん。私、頑張るね!チコちゃん!」


2人ともそれに返事を返して、目的地に向かい始めた。

昼前の住宅街は日曜日といえど、人は少なく、和やかな雰囲気を現出している。


「なぁ。どこで勉強するか決めてるのか?」


守は右手をポケットに手を突っ込み、骨折している左肩にバッグを引っ掛けている。


「はい…決めています。電車にも乗りますので…」


その右隣で三条穂鳥が歩いている。

少しだけ緊張しているようだ。

まぁ、私服である事が少なからずその原因なのだろう。


その2人の間に沈黙が訪れる。

だが、三条穂鳥は心の中で叫んでいた。


(ダメ!なんかすごい緊張します!守さんの隣を歩いているだけなのに!)


心音がバクンバクンと大きな音を立てながら三条穂鳥は両手で口を押さえる。


人間は何かを隠したい時、無意識的に口を抑える傾向があるらしい。

今回の場合は、"照れ"を隠したいのだろう。


三条穂鳥はチラッと隣を歩く守の顔を見てみる。


(…………な…な…なんか、凄いイケメンに見えます!あれ、薔薇の花まで見えます!)

"恋する乙女視点"


三条穂鳥の心音はさらに加速する。

その時、守が口を開いた。


「三条。ちょっといいか?」


「ひゃい!な、な、な、何でしょうか!」


三条穂鳥はいきなりの守の声に驚かを隠せない。


「あのさ、思ったんだけどさ。俺ってレート1じゃん?三条はレート10じゃん?」


「は、はい。それがどうしたんですか?」


「いやぁ、その2人がさ、休日に一緒にいたなんてバレたら、お前結構やばいんじゃないのかなって。」


「……?どうしてですか?」


「つまり、お前の学校での立場も危うくなるんじゃねーのかって事だ。」


つまり、守はレート1とレート10が仲良くしているところを見られたら、レート10である三条穂鳥が学校で生活しづらくなるのでは無いか、という懸念をしているのだ。

唯、その懸念も正しい事であってレート1というのは、いわゆる学校のゴミ捨て場のようなもの。そんなゴミと友達の人間はどうなるだろうか。答えは火を見るより明らかだ。

レート10の三条穂鳥はレートは下がらずとも、学校での生活は辛いものとなるだろう。


「それもそうですね……でも……なんか守さんの隣を歩いていたいっていうのもありまして………」


三条穂鳥は、言葉の語尾をゴニョゴニョと口ごもる。


「ん?なんて?全然聞こえないんだけど?」


難聴系主人公がここに居た。


「な、何でも無いです!…なんか、イラっときました。」


片頬に空気を溜めて怒っている。

普通の男の子なら卒倒する程の可愛らしさであったが、守は卒倒どころか顔色ひとつ変える事無く、クエスチョンマークを浮かべるだけであった。

この男、なぜ三条穂鳥が怒っているのかを理解していない。

そして三条穂鳥もなぜ怒っているのかを理解していない。


「分かりました。では少しだけ距離を開けて歩きましょうか…」


「そうだな〜。それが無難だろ。間隔を取ればカップルと勘違いされることもないだろうしな。じゃあ、俺、後ろからついて行くから、ついたら教えてくれ。」


守はそう言って、三条穂鳥に背を向ける。


「かかかか……」


三条穂鳥の顔は真っ赤に赤面する。


(カップル!?私と守さんが!カップルですか!)


頬を手で覆い、赤面した顔を隠すように俯く。


(カップルという事は………その、ききききききき、キスもするという事!…私と守さんが……キキキ、キスを…)


ボンッッッッッ!!


三条穂鳥は頭を爆発させ、次の瞬間、叫びながら走り出した。


「なんかちょっと、いい感じって思っちゃいましたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


正直だからなのだろうか?

それとも天然だからなのだろうか?

普通なら某風紀委員の様に"ハレンチです!"と言う筈なのだが、三条穂鳥はそのテンプレに当てはまらなかった。


しかし、これでも恋をしていると言う自覚はない。

誰に恋をしているのかは、言うまでもないだろう。


「おい!ちょ、待てよ!」


守も突然走り出した三条穂鳥を追いかける様に走り出した。


(冗談じゃねー。あいつなんで走ったんだ!

俺、左腕の骨、イッちゃってるんですけど!

ものすごく走りにくいんですけど!)




結局、30分ほど走り続けた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「本当にごめんなさい!」


三条穂鳥は深々と頭を下げる。

その場所は、高級そうな家が立ち並ぶ住宅街。

田園調布と書かれた看板が見受けられだが、今はそこには触れない。


そして、守の視界にちらつく際立って高級感を醸し出している大きな家にも触れない。


「いやもういいって。頭を上げてくれ。…んで?どうしてこんな高級住宅街に来たんだよ。」


そう言う守の額には汗が見受けられる。


「それは、その…目的地だからですよ。」


三条穂鳥はそう言って、ある方向に指を指す。


「実はアレ。私の家でして、その、そこで一緒に勉強しようかなと、思いましてですね。今日は親が夜遅くまで仕事なので…」


語尾が薄れて行く。


「おう。そうか。あははは。」


際立って高級感を醸し出していた一際大きな家は三条穂鳥の家だった。

守はその家と自分の家を比べて、乾いた笑い声が漏れた。



守は三条穂鳥に招かれて家に入った。


「お邪魔しまーす。」


「どうぞ、入ってください。」


守の言葉に返事をするのは三条穂鳥のみ。

やはり仕事中の三条穂鳥の両親は家にはいなかった。


家の中は広々とした空間があり、右手の方に広がっているリビングは、一般家庭の3倍ほどはある。


「私の部屋が二階の1番奥の部屋なので、入って待っていてください。私はお菓子とお茶を準備するので、後から行きます。」


三条穂鳥はそう言いつつ、リビングの方へ小走りで消えいった。


(女子の部屋に入るのは初めてだな。その初めてが学校の生徒会長だとはな…まぁ、正直なんだっていいのだがな…)


守はそう考えつつ指示された通り、階段を上がり三条穂鳥のへやのドアを開けた。


するとそこには、ユートピアが広がっていた。

溢れんばかりの下着が床に広がっており、ベッドの上にも多くの服が乱雑に広げられている。


先ほどユートピアと言ったが、それは普通の男の子の視線からだ。

守はこのどうしようもない状況に、訳もわからずただ唖然としていた。

しかし、その中で気になる下着が目に飛び込んで来た。


テディーベア。


守はチコがそれを履いているのを見たことがあった。

守は引き寄せられるようにそのパンツを手に持った。


ガチャン!


その瞬間、守の背後でものを落とす音が聞こえた。


「!?」


守は何事か!と思いながら急いで振り向くと三条穂鳥が赤面した状態でプルプルと震えていた。

もちろん今の守の右手には(パンティー)が握られている。


「まままままままま、守さんの……!」


三条穂鳥は手を振りかぶる。


「ちょ!三条?三条!?話を!まずは話を聞いてく…」


「変態!!!」


バチンッ!!!


「ダハァーーーー!!」



田園調布に響いた男の悲痛の声は、春の空に消えていった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「と、言うわけでここの答えは③になります。」


守がビンタされた後、三条穂鳥は部屋の掃除を行い、現在は綺麗に整頓されていた。

何故散らかっていたのかと言うと、今朝の服選びの時に出しっ放しにして、片付けをしていなかったためだ。


そして、三条穂鳥の部屋の中心にある小さな丸机で、守は勉強を教えていた。

彼の頬は今も腫れており、そのため喋りにくそうに話している。


「あ!本当です!やっぱり頭のいい人に教えてもらうと、分かりやすいですね!」


三条穂鳥は嬉しそうにそう言った。

彼女はもうパンツのことを気にしていないらしい。


「そんなことない。三条がよく頑張っているからだ。」


守は喋りづらそうにそう言う。


「えへへ。ありがとうございます。………………あ、守さん。じゃあ、この『医学典範(いがくてんぱん)』と言うのはどうやって覚えればいいのでしょう。」


勉強熱心な三条穂鳥はどんどん守に質問する。


「ん?ああ、『医学典範』ね。それを書いた人は知ってる?」


「はい、イブン=シーナーです。」


「当たりだ。…じゃあ、そもそも『医学典範』ってのはなんで作られたか知ってるか?」


三条穂鳥は"うーん"と考えるも結局

「すみません。分かりません。」

といった。


「実はなその本。ある1人の女の子のために書かれたらしいんだよ。」


「……?どう言うことですか?」


三条穂鳥が可愛らしく頭をかしげる。


「じゃあちょっと昔話をしようか……」


……………………………………………………




昔々、戦争が毎日のように起こっていた時代、1人の少年がいました。

その少年は生まれてからすくすく育ち学者さんを目指して日々勉強していました。


そんなある日、その少年は戦争で故郷を追われた一つの家族と出会いました。

父親と母親、そして小さな娘の3人家族、どこにでもいるようなそんな家族でした。

ただ一つ違うところと言えば、その小さな娘は目が見えない事。さらに、目が見えない代わりに、自分が触れた人間の未来が見えるという事でした。

少年は家族からそれを聞いて、その娘と握手しました。

するとその娘は

「あなたは立派な学者さんとお医者さんになりますよ!」

といった。

少年は大喜びしました。それもそのはずです。少年はずっと学者を志していたのですから。


数年後。

やはり少年は立派な哲学者になりました。

あの娘が言った通りでした。


そして、その年、少年はあるきっかけからまたその家族に再会します。

娘はまだ目が治っておらず、病院を転々とする生活が続いていました。

娘の両親にもその疲労が見受けられます。


何故でしょうか。辛そうにしている娘の姿を見ていると、少年まで辛い気持ちになる。

だから、少年はその時思ったのです。

この女の子を助けてあげたいと……


少年はその日から猛勉強しました。

本を読み、話を聞き、解剖をし、できる限りの知識を身につけました。

とうとう少年は立派な医学者になりました。

その時に書いたのが『医学典範』です。

目に関する説明の記述がある多いのもそのためでした。


また数年の月日が経ち、奇跡が起こりました。

なんと少年はその家族と再会したのです。

娘は未だ目が見えないまま。

だから、少年は意を決して娘の目の手術を行いました。


結果は成功しました。

娘は目が見えるようになりました。


家族は大喜び。少年もホッと一息つきます。

そして目が見えるようになった娘が少年に笑顔でこう言います。

「ありがとう」


この瞬間、少年は気付きました。なぜこの娘を助けたくなったのかを……

少年は恋をしていたのです。

気づかぬうちに、娘のことを好きになっていたのです。



でも、それからと言うもの、2人がどうなったかを知る人はいません。

結婚したのか、それともそのまま別れたのか、それを知る人はもういません。


……………………………………………………


「それでその少年がイブン=シーナーだ。」


守の頬は未だに腫れているため、喋りにくそうなのは変わらない。

ムードぶち壊しだ。


「グスン。……感動しました。……」


三条穂鳥は泣いていた。


「ほら、泣くな。」


ポケットからハンカチを取り出しそれを三条穂鳥に差し出す。


「ありがとうございます……」


「だが、もうこれで忘れたりはしないだろ?まぁ、そんな逸話テストには出ないんだがな…」


守はそう言うと、ふと窓を見た。

外はもう暗くなっている。


「お。もうこんな時間か。結構勉強したな。」


今の時刻は7時30分だった。


「はい…守さんのおかげで、いろんな事が分かりました。ありがとうございます。」


三条穂鳥にほんのりと笑顔が浮かべられている。


「ああ、どういたしまして〜。……っあ。そうそう。」


守は何かを思い出したかの様に自分の手荷物を探る。

三条穂鳥は不思議そうに「どうしたのですか?」と守に声をかける。


「ほれ。これ全部覚えたら多分100点取れるぜ。」


守が取り出したのは一冊のノートだった。

三条穂鳥はそれを受け取り、ページをめくった。するとそこには、大量の暗記事項がズラリと並んでいた。


「こ、これは?」


「ん?ああ。お前が100点取りたいっつうから、どの教科でも優しい問題から難しい問題まで、なんでも解ける様に解説書いておいたから。まぁ、捨ててもいいし、使いたいなら好きに使ってくれ。」


守はそう言いつつ、ジャンパーを羽織り、自分の荷物を持ち上げる。


「じゃ、俺もう帰るわ。家まで遠いから。」


三条穂鳥はその時、どうしようもない胸の高鳴りを感じていた。


「え?もう帰るんですか?」


守が出ていこうとするのを慌てて制止する。


「ああ、チコも待たせてるからな。」


「そ、そうですか。」


「おう!それじゃあな!また明日〜。」


守はそう言って、三条穂鳥の部屋を後にし、玄関のドアを開き外へ出る。


すると、その数秒後再びドアを開ける音がする。


「あの!守さん!今日はありがとうございました!また勉強、教えてくださいね!」


住宅街に響くその声。

守はその声に反応して、振り返る事なく右手だけをヒラヒラと振って歩き続ける。


そして、三条穂鳥はその背中を見て思っていた。


(今日、寝坊したのも多分このノートを書いてくれたから。……)


トクン……………………………


(……どうしてでしょう。…守さんを見ていると胸が苦しくなります。…)


トクン……………………………………



「今日はなんか()()ですね。…地球温暖化ですかね。」


彼女はそう呟いたのだった。


さらに三条穂鳥は家の玄関を開きながらこんなことも呟いた。


「それにしても、イブン=シーナーは鈍感ですね。自分の好きな人も分からないなんて……変わり者です。」


今回歴史上の人物の名前が出ましたが、歴史上の人物の中で1番誰が好きですか?と聞かれたら、自分はジャンヌ=ダルクと言います。

理由ですか?

某アニメの影響です。

旗を持っているシーン。あれ最高です!

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