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幼馴染に告白したいのに、金髪美少女(子持ち)が全力で迫ってくる  作者: 向原 行人
第4章 やらかした! 金髪少女の痛いミス

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第42話 ミウ

――これはヤバいっ!


 全裸のリナさんが、子作りの練習をしようと言って僕に抱きついてくる。

 全裸で迫られたのはこれが初めてではないし、これまでも誘惑に負けず、明日香の為にと断ってきた。

 だけど僕の嗜好にハマる、獣耳少女に子作りしようだなんて言われたら、言われてしまったら……あぁっ! 尻尾がモフモフしてるっ!

 そんな事を思っているうちに、リナさんの手が僕の服に伸びてきた。


――拒否しなければ。


 頭では分かっている。分かっているのだけれど、身体が動かない。

 まさか、これから起こるであろう事を望んでしまっている僕が居るのっ!?

 断じて、断じてそんな事は無いはずだっ!

 僕は明日香と、明日香とこういう事をしたいのに……だけど、目の前のリナさんが可愛過ぎる。

 獣耳や尻尾を除けば普段のリナさんと何ら変わらないはずなのに、どうなっているんだ!?


「ママー?」


 突然耳に届いた声に、僕とリナさんがビクッと身体を震わせる。

 声がした方に目をやると、小さな獣耳と尻尾を生やしたミウちゃんが起き上がり、こっちを見ていた。


「ミ、ミウちゃん。大丈夫?」


 全裸のリナさんを隠すようにして、一歩前へ進むと、


「……だれー?」


 ミウちゃんが僕に向かって不思議そうな声をあげる。


「ぱ、パパだよ?」

「……」


 僕の言葉に対して、キョトンとしていたミウちゃんが少し間を置いて首を横に振る。

 おそらく、僕の子供である川村優太の存在が消えているから、ミウちゃんが僕の事を父親だと認識しなくなっているんだ。


 ……あれ? どうしてだろう。

 本来、僕は小さな子供が苦手で、姿を見ればパパと呼び、細い腕を懸命に伸ばして抱っこを求めるミウちゃんに困っていた。

 だから今、ミウちゃんが僕に寄って来ない事は望ましいはずなのに、少しだけ、ほんの少しだけ胸が苦しい。

 これは、ミウちゃんからパパと呼んで貰えない事に、ショックを受けている? 子供が苦手なこの僕が!?


「ママーっ!」


 再びミウちゃんが声をあげると、


「ミウ。どうしたん? ママはここやで」


 あっという間に着替え――パンツとシースルーの服を着たリナさんが駆け寄る。

 流石にミウちゃんの目の前で、子作り……とはリナさんも言わないだろう。


「一先ず食事を置いておきますね」

「あ、優ちゃん……」

「ママー?」


 リナさんは未だ何か言いたい事がありそうだったけど、僕は二人の部屋を後にした。


……


 リビングへ移動しながら、先程感じた不思議な気持ちの事を考える。


 昔、年下の男の子に怪我をさせてしまった事。

 初めてミウちゃんに抱っこを求められ、何も出来なかった事。

 ミウちゃんに抱きつかれただけで意識を失くしてしまった事。


 僕の心に根付いてしまっていたトラウマだけど、ミウちゃんを抱っこ出来るようになっていたのも事実だ。

 元通りのミウちゃんになったとしても、ボクはミウちゃんの親ではないが、それでもパパと呼ばれたい……そんな気持ちが、僅かにでも僕の中にあるとでも言うのだろうか。

 考え事に夢中で、いつの間にかリビングへ戻っていた事にも気付いていなかったので、


「優君、おかえり。ちょっと遅い……」

「うひゃあっ! ……琴姉ちゃん!? ごめん、気付かなくて」


 声を掛けて来た琴姉ちゃんに驚いてしまった。


「優君。ミウちゃんは……?」

「え? あー、やっぱりまだ体調が悪いみたいで、部屋から出られそうにないかな」

「そう。残念。様子を見に行くのも出来ない……?」

「うん。申し訳無いけど、リナさんが子作りを迫って来るので」


 ミウちゃんが元の姿に戻っていれば、そもそも病気だという設定自体が嘘なので、琴姉ちゃんと遊んで貰うのもアリだったのだが、まだ会わせる訳にはいかない。

 奇しくも、最後の子作りを迫られる部分だけ本当の話になってしまったが。


「……残念。じゃあ、お弁当……」

「そうだね。お弁当を食べよっか。琴姉ちゃん、食べずに待っていてくれたんだ」

「お茶……淹れて来る」


 余程お腹が空いているのか、珍しく琴姉ちゃんが自らキッチンへ行き、お茶の入った二つのカップを持って来てくれた。


「どうぞ……」

「ありがとう。じゃあ、食べよ。……いただきます」

「いただきます……」


 琴姉ちゃんと共に他愛ない雑談をしながら、スーパーで買った幕の内弁当を食べる。

 半分程食べた所でお茶を飲み、再び箸を伸ばそうとして、


「あ……れ?」


 突然強烈な眠気が僕を襲い、手から箸が転げ落ちてしまう。

 拾わなければと思ったものの、そこで僕の意識が途絶えてしまった。

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