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幼馴染に告白したいのに、金髪美少女(子持ち)が全力で迫ってくる  作者: 向原 行人
第4章 やらかした! 金髪少女の痛いミス

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第37話 人払い

「僕と明日香が結婚して、二人の子供が生まれるのか……」


 優子が部活へ行った後、一人きりとなったリビングでゴロゴロしながら、将来の事を想像する。


 朝は明日香が優しくキスで起こしてくれて、子供と一緒に美味しい手料理を食べてから、行ってらっしゃいのキスをしてもらって僕は仕事へ。

 お昼も明日香が作ってくれた手作りのお弁当を食べて、仕事が終わったらすぐに帰宅するんだ。

 家に帰ったら三人でお風呂へ入って、談笑しながらご飯を食べて、みんなで一緒に寝るんだけど、それから……


「へへへ……」


 おっと、いけない。いろいろ考えているうちに、思考が外へ出てしまった。

 僕は今、ミウちゃんを助けなければいけないというのに、ついつい笑みがこぼれてしまう。

 だけど、笑みが込み上げてしまうのも仕方がない。だって、未来の僕は明日香と結婚しているんだ。

 僕の一方的な片想いだと思っていたのに、実は明日香も僕の事が好きだったなんて。

 こんなの笑いを堪えろって言う方が無茶だよ。


「ふ……ふふふ……」


 明日香の事を考えながら、何とか声を堪えながら一人で床の上を転げ回る。

 暫くすると、ふと視線を感じたので回転を止め、顔をあげてみると、リビングの入口で琴姉ちゃんが固まっていた。


「……優君、どうしたの? 声を出しながらニヤニヤ笑って転げ回るだなんて……もしかして、どこかで頭でも打った?」


 微妙な間が空いた後、転げ回っていた事について、琴姉ちゃんから心配されてしまう。

 ほんの数日前に、琴姉ちゃんだってミウちゃんの前で転げ回っていたのにっ!


「えっと、大丈夫。何でも無いよ」

「そう? まぁ優君がそう言うのなら、別に良い……」

「それより、琴姉ちゃん。今日は自分で起きたんだね」

「優君……ちゃんと私を見て。私は昨日もちゃんと起きている……だから、褒めて」

「うん。起きたのは偉いと思うよ。後は、自分で服を着てくれていたら完璧だったんだけどね」


 琴姉ちゃんがテーブルに置かれた朝食を食べ始めるけれど、相変わらず下着姿のままだ。

 もうゴールデンウィークも後半だけど、琴姉ちゃんはアメリカへ帰ってから大丈夫なのだろうか。

 まぁでも、それを見越して一人で起きてきているのだろうし、向こうでは一人暮らしだと言っていたから、問題無いと言えば問題ないのだろう。

 しかし、明日香は未だメッセージを見てくれていないのか。早く返事が欲しいのだけど。

 一向に震える気配の無いスマホをチラチラと見ていると、


「ところで優君……。ミウちゃんは?」


 琴姉ちゃんがジッと見つめてくる。


――しまった!


 そう言えば、琴姉ちゃんはミウちゃんの事を物凄く可愛がっていたっけ。

 それに、琴姉ちゃんが早く起きているのはアメリカでの生活に戻すためじゃなくて、ミウちゃんといっぱい遊ぶためだって、昨日言っていた気がする。

 琴姉ちゃんを今のミウちゃんに会わせる訳にはいかないし、何とか誤魔化さないと。


「実は、今朝からミウちゃんがおたふく風邪にかかっちゃって、起きられないんだ」

「おたふく風邪? 予防接種を受けていない?」

「え? う、うん。実は、そうなんだ」

「優君。予防接種はちゃんと受けなきゃダメ……。B型肝炎の予防接種はちゃんと受けた? ロタウイルスやBCGは? 四種混合ワクチンやヒブは同時に受けられるけど……」

「う、えぇ!? な、何それ!?」

「予防接種は早いものでは、零歳から受けられる……。中には一歳からしか受けられないものもあるけど……」


 琴姉ちゃんがスラスラと聞いた事の無い言葉を述べていく。

 多分、予防接種の種類なのだろうけど、正直何を言われているのかサッパリだ。


「えっと、琴姉ちゃん。どうして、そんなに予防接種に詳しいの?」

「どうして……って、優君。薬は私の専門分野……」


 あ、そうだ。琴姉ちゃんは薬学分野の博士号を取っているんだった。

 優子と同じ手で誤魔化せると思ったけど、これは失敗だったか。


「優君、ミウちゃんは大丈夫? 様子を診に……」

「だ、大丈夫ですよっ! 今も、リナさんが傍に居ますし。それに、おたふく風邪が琴姉ちゃんへ移ったら大変だし」

「そう。でも、私は予防接種を受けているから平気……」

「いやでも、その、今はぐっすり眠ってますから」

「じゃあ、せめて寝顔だけでも眺める……」


 あぁぁぁ、琴姉ちゃんがミウちゃんの様子を見ようと喰い下がってくる。

 琴姉ちゃん相手に、おたふく風邪で押し通すのは無理だ。知識が違い過ぎる。

 だけど、いくら薬学の知識が凄い琴姉ちゃんだって、今のミウちゃんを元に戻せるとは思えない。もしも見られてしまったら、関係者が増えて余計にややこしくなるのが目に見えている。

 何とか、琴姉ちゃんが立ち居る事の出来ない理由を考えなくては。


「優君。ミウちゃんが寝ている部屋へ行く……」

「ま、待って、琴姉ちゃん。実は今部屋の中でリナさんが裸で待っているから、入らないで欲しいんだ」

「大丈夫。私もほぼ裸……。同じように脱いだ方が良いなら、脱ぐ……」

「脱がなくて良いよっ! そうじゃなくて、その……実は今から僕とリナさんで二人目の子供を作ろうかなって」


 僕の言葉に、流石の琴姉ちゃんも絶句している。

 ミウちゃんから遠ざける為とは言え、僕だって自分自身でメチャクチャな設定だと思ってるよ。

 おたふく風邪で苦しむ娘の横で、夫婦揃ってイチャイチャするなんてさ。


「えっと、優君。どういう事……?」

「つまり、夫婦水入らずの時間を過ごすから、今日はリナさんとミウちゃんの部屋に来ないで欲しいってお願いなんだよ」


 心の中で琴姉ちゃんに謝りながら、僕はリナさんの分の朝食を手に、リビングを出たのだった。

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