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詩*日常から*

銀杏/並木道

作者: a i o

小さな風が吹けば今にも

落ちてしまいそうな

銀杏の葉よ

おまえは

あの柔らかな陽の光よりも

ドキリ、と胸を凍えさすような

月の色と似ていて

まだ明るい街並みの中

不安気に揺れている


この敷き詰められた

黄金(こがね)の道は夜の道

さめざめとした月明かりが

降り落ちて

陽向(ひなた)の中踏み締める

尖ったヒール

汚れたスニーカー

磨かれた革靴

靴底に皆

語り明かせない夜をこびりつけ


紙コップの中の珈琲

真新しいベンチ

冷たい肘置き

木漏れ日が広がる度に

はらはらと

午後の風を乾かして行く


ささくれた指先を

ポケットに突っ込み

誤魔化しの効かない

個々に俯く理由を背負っても

並木道

並木道


足音は一様に

夜空を掻き分けるような

響きを持って尚

歩み続け

高く澄んだ空には

痩せた月の細い色が

揺れることなく

ぶら下がっている










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