終章
桃子とイヌとサルとキジは、鬼から取り上げた宝物を車ににつんで、家に帰りました。
おじいさんとおばあさんは、桃子の無事な姿を見て大喜びです。
そして皆しあわせにくらしましたとさ。
桃子は鬼の親分だけを連れて、他の鬼共は鬼ヶ島へ残して、領主へ報告に帰った。鬼が桃子に従ったなど、なかなか信じられることではなかったが、桃子に従順な鬼を見たら信じざるを得ない。領主は桃子へ褒美を与えた。さらに領主の息子との縁談を提案してきた。もちろん桃子は褒美だけもらい、縁談を断る代わりに領主には鬼を使って周囲の国を従えることを約束した。
あれ程の悪行を繰り返してきた鬼どもではあったが、桃子は鬼の頭でさえ殺さなかった。領主はやはり鬼はできれば皆殺し、譲歩してもせめてけじめとして頭は処刑しようとした。鬼を武力として利用する提案は頭の助命のためでもあった。桃子は鬼と話をして、既に仇を自分の手で殺していたことを知ったからでもあるだろうが、それはやはり桃子の優しさなのだろうか。
隣の強国は桃子一味と鬼の活躍で降参を余儀なくされ、属国になった。この国はしょっちゅう桃子のいる国へちょっかいを出してきて、鬼の次にやっかいだったのだが、その問題も解決された。鬼に攻められてはかなわないので、周辺の国も従った。桃子の国は災い転じて福となす。鬼のせいで強大になった。
鬼が集めた武具や宝は結局桃子のものということになった。その中には書物もあった。葵はそれらを調べて、大陸のある話に興味を持った。大陸の奥地には秘薬を作る一族がおり、それを飲むと男が女に、女が男になるという。これを発見した葵は桃子に報告した。
そうしてどうなったかはおわかりだろう。桃子は鬼達と八房、れん、葵と一部のファンを連れて大陸へ旅に出た。鬼のボートではなく領主に作らせた大型の帆船に乗って。桃子達が貰った褒美で今では豊かになったおじいさんとおばあさんを残して。
おじいさんとおばあさんは、桃子を説得して思いとどまらせようとしたが、止めることはできない。別に男と女が逆のカップルでも特に問題はないような気もするのだが、彼女らはそんな小さなことではなく、もっと大きなロマンを求めて旅立っていったのかもしれない。
今では日の本の国には彼女らの伝説が形を変えて残るばかりだ。
最後までお読み頂きありがとうございます。
童話ではないですね。