想紀
伝えたいメッセージがあります。
結構駄々洩れですけど。
人によって解釈は沢山あります。
一つの考えとして、作者から。「書いてあることを人生と比べてみてください。」
※こういった小説は初めてですので、ダメなところや伝わらないところがあったら言ってください!
目の前にはどこまでも続く緑の草原。
見上げれば青一色の透き通った空。
太陽はどこに行ったのかと言いたくなるほど明るいこの場所に一人、ポツリと僕が立っている。
これから、どうすれば良いのだろう? 前の世界とは違う状況に、僕は唖然とした。
そう、僕は違う世界からやって来た。
その世界では、雨が降り注ぎ土地を泥で満たした。
その世界では、空が曇り暗く悲しい空気で充満していた。
その世界では、災害が発生し、全てを破壊しつくした。
そしてまた泥で満たされないよう、灰色の地面に置き換えた。
そして空が曇っても悲しくならないよう光を灯す黒い棒を地面に刺した。
そして、災害が発生しても破壊されないような建物を造った。
だが、今度は新たな問題が発生するのだ。
それは心の弱さ。
災害が発生して破壊されても挫けない心。
曇ろうが自身が灯りになろうとまで思わせる明るい心。
泥で満たされようが足掻く心。
僕は、それをなくしてしまった。
そうして、ああして、この世界に絶望してしまった僕は気が付いたら新しい世界にやって来ていた。
ここが、天国なのだろうか? それとも、地獄? 二色で構成された美しい世界。
しかし、天国ならばいるはずの天使や神がいない。
しかし、地獄ならばいるはずの悪魔や鬼がいない。
そして、独りぼっちになってしまった。自分ひとりだけしか居ない悲しさに涙が溢れる。
その涙の量は尋常じゃなかった。この世の悲しさを体現したかのような激しさだった。
いずれは海が出来、そこに新たな生が育まれるだろう。
いずれは海から陸に上がりさらなる生が育まれるだろう。
いずれは、その生は独りぼっちだった僕と共に歩んでくれるだろうか。
いずれは、独りぼっちだった僕の無知に呆れて去っていくのだろうか。
いずれは、その生が新たな生を育むのだろうか。
いずれは、新たな生までも僕を見限って去っていくのだろうか。
そうして、その生が新たな世界に旅立ち、僕みたいに灰色の世界を形作ってしまうのだろうか?
「あなた、早く。名前は何にする?」
「あぁ、この子はな」
深呼吸。
新たな生を見つめながら僕は言った。
「人間だ」
人間の世界では、どんな事が起こるのだろう?
いずれは雨が降り注ぎ、この地を泥で満たすだろう。
いずれは曇りうす暗く悲しい空気に晒されるだろう。
いずれは災害がやって来て全てを壊すだろう。
そしてまた、いずれ世界には緑の草原と青い空。そして誰かが残る。
人間は、この災害に、どう対抗するのだろうか?
灰色の世界を形作ってしまうのだろうか?
心を弱く保ってしまうのだろうか?
いずれは太陽に照らされ、その眩しさにオアシスは燃え尽きてしまうだろう。
いずれは......
いや、もう何も言うまい。
僕が出来るのは、心の在り処になってあげるだけだ。
こんな僕でも。
独りぼっちの僕でも。
君を手伝ってあげられない僕でも。
何か出来ることはあるから。
人間よ。僕の言葉の真意に気づけただろうか?
もし、僕の言葉が聞こえていたのなら教えてくれ。
貴方はどう思う?
※読んでくださりありがとうございます