その一
視界が開き、目の前に幼児の顔が見えた。
俺はなぜか、地面に押し付けられていた。
ともかく上の子供をどかそうと手に力を入れる。
あれ、重い。
自分の手をみると、小さくて短い。
理解が追い付かない、
ただ、両足が自由なことに気づき、相手との間に差し入れ、左の足の裏を右膝にあてて押し、右足の甲を左膝裏にひっかけてながら、左手は相手の腕
上に引き、右手で相手の体を押しあげながら、左に回る。
ひっくり返すことができた。
すかさず、馬乗りなって両膝を相手の両肩に上に置いて動きを制した。
余裕ができたので、まわりを見まわすと、子供らが取っ組み合いの喧嘩していた。
???
なぜかと考えようとしたところ、いきなり横からタックルされた。
うつぶせになり背後をとられ、相手の腕が腋から差し込まれようとしてきたので。
左の腋を締め入り込めないようにし、もう一方の手は右わき脇で挟み込み、そのまま体ごと回って巻き込み、上になるが、すぐに離れて立つ。
見るとまた子供で、何をされたのかわからずキョトンとした顔をしていた。
今度は大きな子供が掴みかかってきた。
顔が俺より高い位置にあり、腕をのばしてくる。
肩を掴まれた、振り払おうとしたが、ダメだった。
押し倒そうとするのを力を利用して、背中を丸めながら後ろに倒れて勢いをつけ、背中が地面に瞬間に両足を相手のおなかに当て投げとばした。
そのまま立つと、なぜか周りが静かになって、みなが俺を注目していた。
訳がわからず、ボーとしていると、視界になにか見えた瞬間に体が動いた。
『あんちゃん』が羽交い絞めにされている。
「トォウー!!」
走って勢い付けてジャンプし、
「ライダーキック!!」
跳び蹴りをかます。
ぶつかった勢いで、相手が兄を離して転がった。
すかさず、腕をとり関節を決めようとしたが、体格差があるので無理と思い。
両手で力いっぱい握り、左右逆に捻る。
「ライダースパーク!!」
「イタッタッター!!」
「お前ら何をやっているだ!!」
その時と遠くから聞こえてきた。




